米雇用統計 2025年9月5日(金)の結果と解説
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米労働省が2025年9月5日に発表した8月雇用統計の主な結果は、①非農業部門雇用者数2.2万人増、②失業率4.3%、③平均時給36.53ドル(前月比+0.3%、前年比+3.7%)という内容であった。

①8月の非農業部門雇用者数は前月比2.2万人増と市場予想の7.5万人増を下回った。業種別では、ヘルスケア(医療)で増加が続いたものの、製造、建設、卸売など多くが減少した。なお、非農業部門雇用者数は前2カ月分が合計で2.1万人引き下げられた。中でも前々月6月分は1.3万人減へと下方修正され、2020年12月以来の減少となった。その結果、3カ月平均の雇用者数の増加幅はわずか2.9万人にとどまった。

②8月の失業率は4.3%と市場予想に一致。前月の4.2%から0.1ポイント上昇し、2021年10月以来の高水準となった。フルタイムの職を希望しながらパート就業している人などを含めた広義の失業率である不完全雇用率(U-6失業率)は前月の7.9%から8.1%へ上昇。労働人口に占める働く意欲を持つ人の割合である労働参加率は前月の62.2%から62.3%に上昇した。

③8月の平均時給(全従業員)は36.53ドルとなり、前月の修正値36.43ドルから0.10ドル増加して過去最高を更新。伸び率は前月比+0.3%と予想通りであったが、前年比では+3.7%と市場予想(+3.8%)を上回る伸びとなった。

米8月雇用統計は米国の労働市場が減速していることをあらためて示す結果となった。非農業部門雇用者数はわずか2.2万人の増加にとどまり、3カ月平均で見ても増加幅は米国の景気を下支えするのに必要とされる10万人程度を4カ月連続で下回ることになった。失業率は小幅とはいえ4年10カ月ぶりに4.3%へ上昇。不完全雇用率(U-6失業率)も4年10カ月ぶりの水準に悪化した。今回の雇用統計を受けて、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げを再開することを確実視。焦点は利下げ幅が通常の25bp(0.25%ポイント)か、50bp(0.50%ポイント)になるかに移っている。なお、ここ数カ月間の雇用者数の低迷はトランプ政権による移民政策の影響との見方が多い一方で、トランプ政権の関税政策は今後インフレの押し上げに作用するとの見方も根強い。このため、9月16-17日の連邦公開市場委員会(FOMC)における利下げ幅を巡っては、11日の米8月消費者物価指数(CPI)が注目されることになるだろう。
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米国 経済指標(失業率・非農業部門雇用者数)過去の推移
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