世界の通貨 ヨーロッパ|ユーロの特徴

ユーロ圏のお金の種類は?

ユーロ圏(ユーロが導入されている国々)の通貨単位は「ユーロ(「€」または「EUR」で表記されます)」といいます。また、補助通貨として「セント(「¢」で表記されます)」もあり、100セントは1ユーロに相当します。

ユーロ圏では、7種類の紙幣と、8種類の硬貨が流通しております。

紙幣 5ユーロ、10ユーロ、20ユーロ、50ユーロ、100ユーロ、200ユーロ、500ユーロ
硬貨 1セント、2セント、5セント、10セント、20セント、50セント、1ユーロ、2ユーロ
500ユーロ札のイメージ画像

ユーロへの投資

ユーロはEU加盟国の共通通貨です。世界各国で貿易の決済や外貨準備に広く用いられています。外国為替市場ではドルに次ぐ世界第2位の取引量があり、国際通貨としての役割を担っています。特にユーロ/ドルは取引量が世界一の通貨ペアなので、値動きは比較的安定しています。そのため、FX初心者の方が始めやすい通貨ペアとなっております。ユーロの値動きを予想するうえでは、圏内での影響力が大きいドイツやフランスの経済指標に注目することが重要です。これらの国の経済が好調ならユーロの価値が高まる傾向にあります。ただし、ユーロ圏では各国で独立した金融政策を行うことができない為、自国の景気をコントロールするハードルが高くなっている点には注意が必要です。

ユーロ/円相場の推移

ユーロ円相場の推移

①2001年に米国で起きた9.11テロによってドルへの信頼感が弱まり、第2の基軸通貨としてユーロに注目され始めました。その後は長期的に円安・ユーロ高のトレンドが続き、2008年7月には170円付近までユーロ/円が上昇しました。

②2009年にギリシャの多額の財政赤字が明るみになったことを発端に、アイルランドやポルトガルなどの財政に不安のある国々が問題視されるようになりました。最終的に欧州全体を揺るがす事態になり、「欧州債務危機」が発生しました。結果、ユーロ売り・円買いが進み、94円台までユーロ安・円高になりました。

③2013年に誕生した安倍政権が表明した金融緩和策によって円はユーロに対して下落し、2014年末には140円台を超える水準のユーロ高・円安が進みました。

④2022年7月にマイナス金利政策を終了し、最初の利上げを行いました。その後もECB(欧州中央銀行)は利上げを続け、日本との金利差が拡大したことでユーロ/円は上昇し、2024年6月現在では170円台での推移となっております。

ユーロ/円のチャートはこちら

ユーロの経済指標

消費者物価指数(HICP)

消費者物価指数は一般消費者世帯が購入する商品やサービスの、総合的な価格の動きを指数化したものです。インフレに関する今後の動向を分析する指標として最も一般的であり、金融当局の政策を読むうえで注目度が高いといえます。ドイツやフランスなどの加盟国は、各国で消費者物価指数(CPI)を発表している為、それらの結果を集計してユーロ圏全体の数値を算出しています。ECBはインフレ指標としてHICPを使用している為、非常に重要な経済指標であるといえます。

消費者物価指数(CPI)とは?

欧州の政策金利

政策金利とは中央銀行が一般銀行に貸し出すときの金利を指し、金利を調整することで景気の過熱や失速を防ぐ役割があります。ユーロの政策金利は、6週間ごとに年8回開催されるECB(欧州中央銀行)の金融政策理事会で発表されます。人員の構成は、総裁、副総裁、理事4名、加盟国の中央銀行のうち輪番による中銀総裁の多数決によって政策金利は決定されます。

欧州の政策金利

ユーロ投資を始めるには

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ユーロの基礎知識

正式名称
欧州連合
中央銀行
ECB(European Central Bank 欧州中央銀行)
欧州連合の歴史
1950年5月9日、フランスのロベール・シューマン外相(当時)が欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)の創設を提唱しました。それをきっかけに、ヨーロッパ地域では米国に経済的規模や軍事的規模で引けを取らないよう共同体構想を実現させ、ヨーロッパ地域の国の結束を強くしていこうとする動きが出てきました。
そして、その構想は1952年に実現し、さらに1958年には欧州経済共同体(EEC)、欧州原子力共同体(EAEC=Euratom)が設立されました。1967年には欧州共同体(EC)が誕生し、ECSC、EEC、Euratomの3共同体はECと総称されるようになりました。
ECの加盟国は発足当初6ヶ国でしたが、1973年には9ヶ国、1981年には10ヶ国、1986年には12ヶ国にまでそれぞれ増えていきました。
そして1993年11月1日、ECを発展させる形で欧州連合(The European Union=EU)が創設されました。EU創設後も加盟国は増え続け、1995年には15ヶ国、2004年には25ヶ国、2007年には27ヶ国にまでそれぞれ増えていきました。
2013年にはクロアチアが加わって、加盟国は28か国になりましたが、2020年にイギリスが脱退。EU創設以来で初めて、加盟国の脱退を経験しました。EU加盟国は27か国になっています。(2024年6月現在)
ユーロの歴史
1990年代に入ると、EU加盟国内でのヒト、モノ、お金の流通をさらに活発化させるために欧州単一通貨の導入の必要性が叫ばれるようになってきました。そのことを受けて、1992年に締結されたマーストリヒト条約では、欧州単一通貨・ユーロの導入が決定しました。
その後準備期間を経て、1999年にはEUの加盟国うち11ヶ国(オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、スペイン)でユーロが導入されました。
2001年には、ギリシャがユーロ導入に踏み切り、ユーロが導入国は12ヶ国となりました。そして、2002年1月1日には、その12ヶ国でユーロ貨幣の流通が開始しました。
2007年1月にはスロベニア、2008年1月にはマルタとキプロス、2009年1月にはスロバキア、そして2011年1月にはエストニアで導入され、ユーロ導入国は17ヶ国となりました。
2014年からラトビアで、2015年からリトアニアで、2023年からはクロアチアでユーロが導入されています。ユーロの導入国は20か国になっています。(2024年6月現在)

ユーロ関連リンク集

出典