米雇用統計 2022年8月5日(金)の結果と解説

振り返りバックナンバー

1.png2.png

米労働省が202285日に発表した7月雇用統計の主な結果は、①非農業部門雇用者数52.8万人増、②失業率3.5%、③平均時給32.27ドル(前月比+0.5%、前年比+5.2%)という内容であった。

3.png

7月の非農業部門雇用者数は前月比8万人増と市場予想の25.0万人増を上回り、6月の修正値39.8万人増から増加幅が拡大した。業種別では娯楽・宿泊(9.6万人増)や専門職・企業サービス(8.9万人増)など、幅広い業種で雇用者が増加。政府部門(5.7万人増)も増加に転じた。この結果、非農業部門雇用者数の3カ月平均の増加幅は6月の38.4万人から43.7万人へと加速した。

4.png

7月の失業率は5%となり、市場予想の3.6%を下回った。フルタイムの職を希望しながらパート就業しかできない人なども含めた広義の失業率である不完全雇用率(U-6失業率)は、過去最低を記録した6月と同じ6.7%だった。労働力人口に占める働く意欲を持つ人の割合である労働参加率が市場予想の62.2%を下回り62.1%へと0.1ポイント低下したことも失業率を押し下げた。

5.png

7月の平均時給は27ドルと前月の修正値32.12ドルから上昇して過去最高を更新。伸び率は前月比+0.5%、前年比+5.2%ともに予想(+0.3+4.9%)を上回った。前年比の伸び率は、7カ月連続で5%台を維持しており、賃金インフレが和らぐ兆しはまだ見えてこない。

7月雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想の2倍以上増加した上に、失業率はコロナ禍前の20202月に記録した過去50年で最も低い水準に並んだ。平均時給も高止まりが続いており、米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げを続ける中でも労働市場は堅調だったことがわかった。このため市場では、FRBは次回9月の連邦公開市場委員会(FOMC)でも、インフレ抑制に向けて通常の3倍にあたる75bp0.75ポイント)の利上げを続けるとの見方が強まっている。ただし、今月10日には重要インフレ統計の米7月消費者物価指数(CPI)が発表されるほか、9FOMCの前には8月雇用統計と8CPIも発表される。FRBが「利上げのペースはデータ次第」としている以上、市場の利上げに対する見方もこれらの重要統計の結果に大きく振らされる可能性が高い。ドル/円相場も当面は、米国の重要統計に一喜一憂しやすい展開が続きそうだ。

2022年8月5日の米雇用統計セミナー録画を配信

CXR投資チャンネルのひろぴー氏、山中氏とコラボ配信。相場を徹底解説!

米国 経済指標(失業率・非農業部門雇用者数)過去の推移

ご注意

当社主催のセミナーについて

  • 本コンテンツにて紹介するセミナーは、外為どっとコムが主催するセミナーです。セミナーにおきましては、FX(外国為替保証金取引)の簡単な紹介・説明をさせていただきますので、あらかじめご了承のうえ、ご参加くださいますようお願い申し上げます。またこれらのセミナーは、投資判断の参考となる情報の提供を目的として開催するものです。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。
  • 障害時には動画配信を中止させていただく場合がございます。

免責事項

本ウェブサイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によってに生じたいかなる損害につきましても、当社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。

米雇用統計バックナンバー