世界の通貨 スウェーデン|スウェーデンクローナの特徴
スウェーデンのお金の種類は?
スウェーデンの通貨単位は「スウェーデン・クローナ(svensk krona),略称は「SEK(セック)」といいます。また、補助通貨はオーレ(ore)で、100オーレは1クローナに相当します。
スウェーデンでは、6種類の紙幣と4種類の硬貨が流通しています。
紙幣 | 20クローナ、50クローナ、100クローナ、200クローナ、500クローナ、1,000クローナ |
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硬貨 | 1クローナ、2クローナ、5クローナ、10クローナ |
スウェーデンの紙幣には、様々な分野で1990年代に活躍したスウェーデン人が採用されています。こちらの100クローナ紙幣に記載されているグレタ・ガルボです。1920~1930年にかけて活躍したスウェーデンの大女優であり、ハリウッドスターでもあった人物です。
スウェーデンは「現金が消えた国」と呼ばれるほどキャッシュレス化が進んでいる国です。リクスバンクと大手銀行6行が共同で「Swish(スウィッシュ)」というアプリを開発し、若者を中心に利用者が急増しています。スウェーデンの現金流通残高の対名目GDP比率は1.7%と日本の19.4%と比較するとキャッシュレス決済の進展がわかります。国を挙げてキャッシュレス化を推進しています。
スウェーデンクローナへの投資
スウェーデンクローナの特徴は、ユーロ相場との相関が高い点です。隣国のノルウェーは豊富に産出される石油や天然ガスなどの資源が貿易の柱となっているのに対し、スウェーデンは製造業が主体の経済構造になっています。特に、自動車産業や情報通信技術(ICT)産業が強く、これらの企業で数多くの国際的な企業が存在します。近隣諸国との貿易依存度が高いため、ユーロ圏の経済動向に左右されやすいです。スウェーデンクローナに投資する際は、欧州経済の状況をチェックすると相場予測の精度が上がるでしょう。
2015年にスイスショックが発生して以降、ユーロやスイスフランにリスク要素があるたびに、財政が健全な北欧諸国の通貨(ノルウェークローネ、スウェーデンクローナ)がリスク回避の避難通貨として注目されています。リスクオフの際はスイスフランだけでなく、スウェーデンクローナへの投資を検討することでリスクを抑えたトレードが期待できるでしょう。
スウェーデンクローナ/円相場の推移
①2008年のリーマンショックが発生したことで、円買いが進み、1SEK=10円ほどまで下落しました。
②2014~15年の中国経済の減速、2016年のブレグジットによってリスクオフの円買いが進行し、スウェーデンクローナ/円は下落しました。
③2020年に発生したコロナショックによって円買いが進行しました。
④2022年4月に最初の利上げをした以降、高インフレを抑制するべく利上げを継続した一方、日本は低金利を続けた為、スウェーデンクローナ/円は上昇しました。
スウェーデンクローナの変動要因
ユーロ相場の動向
スウェーデンクローナとユーロは、地理的な近さから密接な関係があります。特にユーロ圏の経済状況がクローナに影響を与えることも多いため、両通貨の相関性は高いです。クローナをトレードする際は、ユーロの動向をチェックするといいでしょう。
リクスバンク(スウェーデン国立銀行)の政策金利
政策金利とは、景気や物価の安定などの金融政策の目的を達成するために、中央銀行が誘導目標にしている短期金利のことを指します。スウェーデンの政策金利はリクスバンク(中央銀行)の金融政策決定会合で発表されます。現在の政策金利は3.75%となっています(2024年8月現在)
スウェーデンクローナ投資を始めるには
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スウェーデンの基礎知識
- 正式名称
- スウェーデン王国(Kingdom of Sweden)
- 首都
- ストックホルム
- 公用語
- スウェーデン語
- 独立日
- 1523年6月6日(デンマークより独立)
- 政治
- 立憲君主制
- 元首
- カール16世グスタフ国王
- 首相
- ウルフ・クリステション
- 中央銀行
- スウェーデン国立銀行(スウェーデン銀行)(Sveriges Riksbank)
- スウェーデンの歴史
- スウェーデンとは、スヴェーア人の国を意味します。スウェーデン最初の王エーリックが即位した980年代以降、スウェーデンではしばしば男系王統が途絶し、王家の血筋とつながりのある複数の門閥が王位を争いました。1397年には、王アルブレヒト3世の専横に反発した貴族がエーリク・ア・ポンメルンをスウェーデンの王として承認し、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーは1人の君主を戴く同君連合、カルマル同盟を形成(1397年)し、門閥による王位争いはいったん終息したように見えました。
しかし、1520年、その後連合王となったクリスチャンがストックホルムでの戴冠式で、反連合派の「王国統治者」ステゥーレ家一派を虐殺(ストックホルムの虐殺)。処刑されたステゥーレ派ヴァーサ家のグスタフ・ヴァーサが連合王に対して蜂起し、1523年に独立スウェーデンの王に選出され、カルマル連合に終止符を打ちました。カール10世の治世(1654-60)にはバルト海をほぼ完全に制覇し、「バルト帝国」を築き上げ、最盛期を迎えます。
1700年に大北方戦争が始まると、スウェーデンはバルト海沿岸の多くの領土をロシアに奪われ、バルト海での覇権を喪失しました。ナポレオン戦争においては反ナポレオンの立場をとり、最終的に勝利を収め、ウィーン会議においてはフィンランドなどの領土を失う一方、ノルウェーを獲得しました。1866年には二院制議会が設置され、1908年には成人男子による普通選挙制度が導入されました。1905年にはノルウェーの独立を承認し、第1次、第2次世界大戦では中立の立場を維持しました。
1995年には欧州連合に加盟しましたが、2003年9月のユーロ参加の是非を問う国民投票では、反対多数でユーロ参加が見送られました。
21世紀に入ると、スウェーデンはデジタル革命と技術革新の先駆者となりました。IT産業やスタートアップ企業が急成長し、グローバルな技術拠点としての地位を築きました。インターネットの普及とともに、社会のデジタル化が進みました。また、環境保護と持続可能な社会の実現に向けた取り組みでも世界をリードしています。再生可能エネルギーの導入やリサイクル活動が進み、環境に配慮した政策が推進されました。これにより、環境負荷の軽減と持続可能な社会の実現が目指されています。しかし、21世紀のスウェーデンには新たな課題も存在します。経済のグローバル化や難民問題、気候変動への対応など、多岐にわたる挑戦が待ち受けています。これらの課題に対処しつつ、スウェーデンは持続可能な未来へ向けた取り組みを続けています。