米雇用統計 2025年6月6日(金)の結果と解説
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米労働省が2025年6月6日に発表した5月雇用統計の主な結果は、①非農業部門雇用者数13.9万人増、②失業率4.2%、③平均時給36.24ドル(前月比+0.4%、前年比+3.9%)という内容であった。
①5月の非農業部門雇用者数は前月比13.9万人増と市場予想の12.6万人増を上回った。ただ、前2カ月分が合計で9.5万人と大幅に下方修正された。その結果、3カ月平均の雇用者数の増加幅は13.5万人へとやや拡大した。業種別ではヘルスケア部門とレジャー・ホスピタリティ部門で増加が目立った一方、関税の影響を受けやすい製造業では全体で8000人減少した。
②5月の失業率は4.2%と市場予想通りに前月から横ばいとなった。フルタイムの職を希望しながらパート就業している人などを含めた広義の失業率である不完全雇用率(U-6失業率)も7.8%と前月から横ばいだった。一方、労働人口に占める働く意欲を持つ人の割合である労働参加率は前月の62.6%から62.4%へ低下。労働市場から退出する人が増えたことを示唆した。
③5月の平均時給(全従業員)は36.24ドルと前月の修正値36.09ドルから0.15ドル増加した。伸び率は前月比+0.4%、前年比+3.9%といずれも市場予想(+0.3%、+3.7%)を上回った。前年比の伸び率は5カ月連続で3.9%となっており、インフレに結び付く賃金上昇率は鈍化しにくい状況が続いている。
米5月雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったものの、3月と4月分が大幅に下方修正されており、見た目ほど強い内容ではなかった。他方、平均時給が市場予想を上回って伸びるなど、総じてみれば強弱マチマチの結果であった。これに対して、市場はドル高、株高、債券安(金利上昇)の反応を見せた。2日前に発表された米5月ADP雇用報告で民間部門の雇用者数が大幅に下振れしたことで景気の先行きに不透明感が広がっていただけに、市場は雇用統計が米国の景気減速を示唆するほど弱くなかったと受け止めたようだ。ただ、市場にはトランプ関税が米国の景気減速を引き起こすとして懸念する声が多い。米5月雇用統計はそうした市場の懸念を完全に払しょくすることはできなかったと見られる。
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米国 経済指標(失業率・非農業部門雇用者数)過去の推移
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