米雇用統計 2025年4月4日(金)の結果と解説
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米労働省が2025年4月4日に発表した3月雇用統計の主な結果は、①非農業部門雇用者数22.8万人増、②失業率4.2%、③平均時給36.00ドル(前月比+0.3%、前年比+3.8%)という内容であった。
①3月の非農業部門雇用者数は前月比22.8万人増と市場予想の14.0万人増を上回り、前月の修正値(11.7万人増)から伸びが拡大した。「政府効率化省(DOGE)」によるリストラで大幅な減少が警戒された連邦政府職員は0.4万人減と小幅にとどまった上に、娯楽・ホスピタリティや小売りなどの業種で雇用者が増加した。もっとも、前2カ月分の修正を加味した3カ月平均の雇用者数の増加幅は18.4万人から15.2万人へと縮小した。
②3月の失業率は4.2%と前月の4.1%から上昇。市場予想は横ばいの4.1%だった。労働力人口に占める働く意欲を持つ人の割合である労働参加率が前月の62.4%から62.5%へ持ち直したことが失業率を押し上げたと見られる。なお、フルタイムの職を希望しながらパート就業している人などを含めた広義の失業率である不完全雇用率(U-6失業率)は7.9%と前月の8.0%から小幅ながら低下した。
③3月の平均時給(全従業員)は36.00ドルと前月の修正値35.91ドルから0.09ドル増加し、再び過去最高を更新した。伸び率は前月比+0.3%で市場予想通りだったが、前年比で+3.8%と市場予想(+4.0%)を下回った。比較的低賃金と見られる業種で雇用者が増えたことから、全体の時給の伸びが抑えられたと考えられる。
米3月雇用統計は非農業部門が予想以上に伸びた一方、失業率は上昇した。ただ、失業率の上昇については、労働参加率の上昇がその背景としてある上に、不完全雇用率(U-6失業率)が低下したことから、市場で悪材料視されることはなかった。もっとも、市場にはトランプ米大統領が発動した一連の関税措置によって米国景気が冷え込むとの懸念が広がっている。このため、米3月雇用統計の発表後も米国株は大幅安の展開が継続した。一方で、米国債利回りは雇用統計後に低下幅を縮小。ドルは一時の下げを埋めて上昇に転じた。こうしたマチマチの反応は、各市場がトランプ関税の影響を十分に織り込み切れていないことを物語っていよう。当面は、株式、債券、為替ともに不安定な相場展開が続きそうだ。
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米国 経済指標(失業率・非農業部門雇用者数)過去の推移
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