損切りとは?ルールや目安の考え方や損切りできない原因などを紹介

損切りとは?

損切りをマスターしてレベルアップしよう

FX取引における損切りとは、損失を確定させる行為のことです。FXは「利益を大きくする方法」が重視されがちですが、同時に「損失を小さくする方法」も非常に重要といえます。

利益、損失における損切りのイメージ

例えば「利益が20万円、損失が25万円」と「利益が13万円、損失が3万円」のパターンを比べてみましょう。

利益の合計は前者が多いものの、トータルの損益は前者がマイナス5万円、後者がプラス10万円となり、最終的には後者の方がより多くの利益を獲得しています。

利益を多く積み重ねたとしても、大きな損失を出してしまえばトータルの収益が減ってしまいます。

長期的に利益を積み重ねるためには、損失が拡大する前に決済する「損切り」の素早い判断と実行が大切です。

損切りができない原因

FX初心者によくある失敗例として、損切りができずに大きな損失を出してしまうことがあります。初心者の方はなかなか損失を受け入れることができず、損益がプラスに転じるまでポジションを保有しようと考えがちです。

しかし明確な根拠や戦略がなく感情のままポジションを保有してしまうと、大きな損失を出すリスクが高まるばかりです。

FXは歴戦のプロトレーダーでも損失を出します。長期的にFXで利益を得るためには、損失をいかに抑えるかが重要です。感情的にならず、損失が拡大しそうな場面では素早い損切りの判断を行いましょう。

損切りルールや目安の考え方

損切りが大切なことはわかっているが、適切なやり方が分からず感覚で損切りを行っている方も多いかもしれません。しかし戦略や根拠のない損切りは、感情に左右され適切な値幅やタイミングを誤る可能性があります。

適切な損切りには、合理的な戦略や分析に基づいた明確な根拠が必要です。ここでは値幅や損失額、トレンド分析を基準にするなど、様々な観点から損切りルールや目安の考え方について紹介します。

値幅で判断する

損切りルールや目安は値幅で導き出せます。この場合の値幅とは、新規注文時の価格から動いたレートの数値を指します。例えば新規で買い注文を発注後、「50銭下がったら損切り」という方法です。

買値から50銭下で損切り

値幅設定に普遍的な正解はありませんが、まずは「直近安値」や「注文時の価格から5%下がったレート」などを基本に考えてみましょう。

損失額で判断する

損切りルールや目安は、損失額で判断することもできます。例えば新規で買い注文を発注後、「損失額が1万円に達したら損切り」という方法です。

損失額1万で損切り

損失額はなにより見た目が明確なため、初心者の方でも損切りを判断しやすいといえます。しかし損失額にばかり目をとらわれていると、冷静な判断がしにくくなるかもしれません。

損失確定はただでさえ抵抗を感じるものです。具体的な損失額を決めても、いざ含み損を具体的な金額でみてしまうと取り返したい気持ちが強くなり、せっかく決めた損切りルールを破ってしまう可能性もあります。

損切りはルールを守り実行することが大切です。損失額で損切りを決める際は、損失回避への思惑に流されてルールを破らないよう気をつけましょう。

トレンド分析を基準にする

テクニカル分析を使い、損切りの目安を考える方法もあります。例えば移動平均線を使う場合、「チャートがラインを下回ったら(または上回ったら)損切りをする」という方法です。

トレンド分析で損切り

ただし移動平均線に限らず、テクニカル指標は全般的に「だまし」が発生します。ここでの「だまし」とは、損切りはしたものの結果的に当初の思惑通りの方向に動いてしまったことです。

FXは誰にも正確に予測することは出来ません。だましに合ったからと言って、感情的にならないようにしましょう。

損切りする際の注意点

ここでは損切りする際の注意点について紹介します。

損切り貧乏になる可能性がある

損失を抑えるために損切りを行うことは大切です。しかし損失が積み重なると、逆に損失が膨れ上がる「損切り貧乏」となる可能性があります。

損切り貧乏になる理由として、いい加減な取引を行っていることが考えられます。例えば長期足のトレンドを把握していない、取引ルールを作成していないなどがそれに当たります。

損切りは大切ですが手を抜くのはよくありません。損切り貧乏にならないためにも、まずは取引ルールを作成し戦略的に損切りをすることを覚えましょう。

両建てはやめる

両建てを使い損失を回避しようと考えている人も多いですが、おすすめではありません。両建てとは、買いポジションと売りポジションを両方保有することです。

理論上では決済している状態となるため、価格変動による損失は防げます。しかしFXにはスワップポイントやスプレッドなどがあり、経済合理性にかける取引手法といえます。

またポジションを複数保有するとトータルの取引量が多くなり、取引余力が少なくなることでロスカットされやすくなります。FX各社でも両建てを推奨していないことからも、おすすめの取引手法ではありません。

無計画なナンピンはやめる

損切りの回避策からナンピン取引を行う人もいますが、おすすめではありません。ナンピンとは買い増しや売りましを行う行為です。

例えば1ドル100円で買いポジションを保有します。価格が99円まで下落したため、さらに99円で買い増しを行います。しかし価格が98円まで下落すれば、さらに大きな損失を出してしまうでしょう。

ナンピンは平均購入単価を下げるメリットがありますが、あくまで戦略を持って行った場合です。価格が上昇(または下落)したからという無計画な理由でナンピンするのはおすすめしません。

損切りに便利な注文方法

損切りを決めたがいざ実行をするとなると決断力が必要であり、なかなかできないものです。そこでおすすめなのが、「ストップ注文」です。

ストップ注文は、現在のレートよりも不利なレートを指定し発注する注文方法です。別名「逆指値注文」とも呼ばれ、損失を防ぐ目的で使用します。

損切りルール

またストップ注文は予約注文なので、事前に設定しておけばチャートを見ずに損切りができます。ストップ注文について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

  • ストップ注文(逆指値注文)では、実勢レートが指定レートに到達してから執行されるため、相場変動によっては指定レートより制限幅なく、その時点の実勢に基づく大幅にかい離したレートで約定する場合があります(スリッページの発生)。その場合には、お客様にとって想定以上に不利なレートで約定することがありますので十分にご注意ください。

損切りができる人とできない人の特徴

以下の画像は、損切りができる人とできない人の例です。

損切りができる人とできない人の特徴

相場が上昇すると予想して1万米ドルを購入したが、その後レートは50銭下落しました。

上記左の図のようにこの時点で損切りをすれば、5,000円の損失で済みます。これは資金面のダメージを減らすだけではなく、気持ちを切り替えて次の取引に素早く取り組みやすくなり機会損失を防ぐことにも繋がるでしょう。

一方上記右の図では「そのうち相場が上昇するだろう」と考えて放置した結果、2万円の損失を出してしまいました。損失が大きいだけに精神的負担も多く、次の取引も不安定な状態で臨むことになるでしょう。

損切りができない人の特徴として、損失を100%避けたいという考えがあります。損切りするよりも含み損がなくなるのを待つようになってしまい、その結果大きな損失を出してしまいます。

反対に損切りを行える人は損失をゼロにするのではなく、できるだけ小さく抑えるべきと理解しています。長期的に利益を上げ続けるためには、感情に流されず損失を抑えるために合理的な判断を下すことが大切です。

FXは損小利大の取引が大切

前述したようにFXで長期的に利益を上げ続けるには、損失を小さく抑えることが大切です。しかしいくら損失を抑えても、それよりも利益を多く得なければトータル収支がプラスになりません。

損失を小さく抑えることは大切ですが、同時に利益を多く得ることも大切です。利幅と損切り幅の双方を意識し、損小利大の取引を心がけるようにすることが、成功への第一歩と言えるでしょう。

まとめ

ルールを決めて損切りを行い、損小利大の取引をできるようになろう。

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