ボラティリティ上昇、3/31トルコ地方選などに伴う「トルコリラ/円」相場急変のご注意(スプレッド拡大等の可能性について)
トルコ中央銀行による今週月曜日(3月25日)以降のトルコリラ供給制限に伴いスワップ市場での流動性が低下しており、その影響により「トルコリラ/円」をはじめトルコリラ相場のボラティリティ(相場変動率)が上昇するなど、相場急変の兆候を見せております。
また今週末(3月31日)にはトルコ地方選挙が予定されており、その結果次第では翌週月曜日(4月1日)の「トルコリラ/円」オープンレートが前週末クローズレートに対し大きく乖離するなど、週明けの為替相場に影響を及ぼす可能性があります。
現時点で「トルコリラ/円」のポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。
また以上に伴い、「トルコリラ/円」の日々のスワップポイントにつきましても受払額が大きく変動する可能性がございます。お客様におかれましては、本件につきあらかじめご留意のほどお願い申し上げます。
なお上記の影響を受ける期間においては、実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ拡大傾向となる見通しであり、その際には当社でもやむなくスプレッドを一時的に拡大させていただく場合がございます。また相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更させていただく場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。
※スプレッド拡大時には、これに伴う評価レートの変動により通常スプレッド時よりも口座の有効比率が低下します(両建状態であっても同様です)。このとき、口座状況によっては有効比率がロスカットレベルを下回る可能性がございますので、ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。
※店頭FXにおける新興国通貨取引のリスク、およびトルコリラ固有のリスクについては、下記リンク先をご参照願います。
店頭FX(外国為替保証金取引)における新興国通貨取引のリスクについて
●注目ポイント
外為どっとコム総合研究所『G.COMデイリーレポート』2019年3月27日号より抜粋
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トルコの金融市場が大荒れの様相となっている。昨日は、オフショア市場の翌日物金利が300%を超えた事が話題となった。
海外勢のリラ調達が事実上ストップした形で、為替市場ではリラの売り持ちを解消せざるを得なくなった投機筋が買い戻しを迫られた。
この結果、リラ相場が急騰しており、対円では19.60円台から20.60円台へと上昇した。
リラ売りを推奨した米大手銀行に対してエルドアン大統領が「高い代償を払うことになる」と警告した事に沿った動きと見られる。
今週末31日のトルコ統一地方選挙を前に、有権者に「強い大統領」をアピールする狙いもあるのだろう。
ただ、300%を超える翌日物金利を長期間維持する事は市場運営の観点から難しい。
どこかの時点で金利を低下させる事が必要となるはずで、金利が低下すれば投機筋がリラ売りを仕掛ける絶好の機会となる。
少なくとも地方選挙を終えるまでは、当局が高金利を維持すると見られるが、来週以降は不透明と言わざるを得ない。
統一地方選の結果も含めて、次の展開に予断を持つべきではないだろう。
トルコリラについても「触らぬ神に祟りなし」のスタンスが最善と思われる。