世界の通貨 ニュージーランド|ニュージーランドドルの特徴
ニュージーランドのお金の種類は?
ニュージーランドの通貨単位は「ニュージーランド・ドル(「NZ$」あるいは「NZD」と表記されます)」といいます。ニュージーランド・ドルは「NZドル」と書かれることもございます。また、補助通貨として「セント(「¢」で表記されます)」もあり、100セントは1 NZドルに相当します。
ニュージーランドでは、5種類の紙幣と、5種類の硬貨が流通しております。
紙幣 | 5NZドル、10NZドル、20NZドル、50NZドル、100NZドル |
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硬貨 | 10セント、20セント、50セント、1NZドル、2NZドル |
NZドルには紙幣が5種類存在します。
豪ドルやカナダドルと同様に、ポリマー紙幣と呼ばれるプラスチック製の紙幣が利用されています。
ここで記載されている100ドル紙幣にはニュージーランド出身の物理学者、化学者で「原子物理学の父」と呼ばれたアーネスト・ラザフォートが採用されています。
NZドルへの投資
NZドルは特徴は大きく2点あります。1つ目は高金利である点です。2024年7月時点でニュージーランドの政策金利は5.5%となっています。低金利の円と比較すると金利差が大きい為、対円で買いポジションを保有することで高いスワップポイントの獲得が期待できます。2つ目は、豪ドルとの値動きの連動性が高い点です。輸出入ともに主要貿易相手国がオーストラリアであり、同じオセアニア通貨であることが要因として挙げられます。NZドルを取引する際は、連動性の高い豪ドルをチェックすることで、安定したトレードを行うことができるでしょう。
オーストラリアが資源国であるのに対して、ニュージーランドは輸出の多くを酪農関連やワインなどの一次産品が占めます。特に中国への輸出が多くなっている為、中国経済の影響を大きく受けます。NZドルを取引する際は中国の景気状態を注意深く見ると良いでしょう。
NZドル相場の推移
①2000年代前半は世界経済が好調だったため、リスクオンの姿勢が強まり、高金利であるNZドル買い・円売りが進み、1NZドル=97円付近まで上昇しました。
②2008年9月にリーマンショックが発生し、キャリートレードの巻き戻しが起こったことで円が買われ、1NZドル=40円台まで急落しました。
③2012年後半から黒田総裁が行った金融緩和により円安トレンドが続き、1NZドル=60円台まで上昇しました。
④2023年5月にニュージーランドが0.25%利上げを行い、政策金利は5.50%となりました。日本との金利差が拡大し、円安・NZドル高が進行しました。
NZドルの変動要因
消費者物価指数(CPI)
ある時点を基準に、同等のものを購入した場合に費用がどのように変動したかを指数値で表したもので、物価そのものの変動を測定することを目的としています。特に日常生活で消費者が購入する商品の価格を見ます。CPIは中央銀行の金融政策に影響を与えることが多いため、投資家の注目を集める指標です。NZ準備銀行は2023年12月に金融政策運営で2つあった責務から雇用の最大化への支援を除き、物価目標の達成への絞り込みを行いました。中銀の金融政策委員会(MPC)は1~3%のインフレ目標の達成と維持を責務とし、2%近辺に安定させることを重点に置いています。今後NZドルを取引する際は今まで以上に物価動向に注視する必要があるでしょう。
貿易収支
一般的に貿易収支が黒字だと、その国の通貨が強くなる傾向があります。ニュージーランドの経済は農産品の輸出依存度が高いので、貿易収支黒字が拡大するとNZドルの通貨価値が高くなりやすいです。NZドルをトレードする場合にはニュージーランドの貿易収支をチェックすることで相場予測がしやすくなるでしょう。
GDP(国内総生産)
国内総生産はGDPとも呼ばれており、一定期間内に国内で生み出された付加価値の総額を表します。その国の経済規模を示す経済指標として最も注目されています。GDP成長率が高まれば、その国の経済の規模が拡大したことを意味する為、通貨価値は上昇しやすくなります。成長率の数値が大きく変化したとき、NZドル相場に大きな影響をもたらすことがあります。
NZドル投資を始めるには
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ニュージーランドの基礎知識
- 正式名称
- ニュージーランド
- 首都
- ウェリントン
- 公用語
- 英語、マオリ語
- 政治
- 立憲君主制のもと、議会は一院制を採用
- 元首
- チャールズ3世イギリス国王
- 首相
- クリストファー・ラクソン
- 中央銀行
- ニュージーランド準備銀行
- ニュージーランドの 歴史
- 9世紀頃、ポリネシア人の開拓者がニュージーランドの島々にやってきました。彼らの子孫はマオリ人と呼ばれ、ニュージーランドに住み着くようになりました。
1769年、イギリス人のジェームズ・クックが島全体および周辺の調査を行いました。その後、イギリスからニュージーランドに移民が流入するようになり、1840年2月6日にはイギリスが、マオリ人との間にワイタンギ条約を締結し、1907年までニュージーランドをイギリス直轄植民地としました。
第二次世界大戦後はイギリスを主な貿易相手国とする農産物輸出国として発展しましたが、1970年代からはイギリスがヨーロッパ諸国との結びつきを強めたため、ニュージーランドの農産物輸出額は激減し、オイルショックが貿易収支の悪化に追い打ちをかけました。また、政府が開始した鉱工業開発政策が失敗したことで、財政状態までも悪化しました。
これを受けて1984年、労働党のロンギ政権は上からの改革を推し進めました。中央官僚の大幅な削減、電信電話、鉄道、航空、発電、国有林、金融などの国営企業を民営化、大学と国立研究所の法人化を実施しました。このようなニュージーランドの改革は国家財政の黒字化、経済の発展などの成果を生みましたが、一方で貧富の格差の拡大や人材の海外流出が激しくなるなどの弊害も出てきました。
2000年代初頭、ニュージーランド労働党は政権を取り戻し、ヘレン・クラーク首相の指導の下で数々の重要な政策を打ち出しました。彼女のリーダーシップは社会の多様性や包括性を促進することに貢献しました。
「第三の道」というコンセプトは、従来の左派・右派の枠を超えた新しい政治哲学を提唱しました。このアプローチは、経済的な競争力を維持しつつも、社会的な公正を重視するバランスを取ることを目指しました。
労働党政権は、経済のダイナミズムと持続可能性を両立させるため、多岐にわたる経済政策を実施しました。特に、地方経済の活性化や中小企業の支援に焦点を当てた政策が注目されました。
ニュージーランドの教育制度は大きな改革を迎えました。教育のアクセスと質の向上を目指し、多くの新しいプログラムやイニシアティブが導入されました。健康政策においても、大幅な進展が見られました。特に公衆衛生の向上や病院サービスの強化、健康保険制度の改革が行われ、国民の健康意識が向上しました。
環境問題に対する意識の高まりとともに、持続可能な開発を目指す政策が次第に進展しました。再生可能エネルギーの推進や環境保護法の強化がその一例です。ニュージーランドはアジア太平洋地域との経済的・政治的パートナーシップを強化するための取り組みを積極的に行いました。自由貿易協定の締結や文化交流が進みました。
アメリカとの伝統的な同盟関係も、2000年代において重要な役割を果たしました。特に、テロ対策や防衛協力の面での連携が強化されました。
ニュージーランドは、国際連合においても積極的な役割を果たしました。平和維持活動や人権問題に対する貢献が評価され、国際社会での存在感が高まりました。