世界の通貨 イギリス

イギリスの基礎知識

正式名称
グレート・ブリテンおよび北部アイルランド連合王国
首都
ロンドン
公用語
英語
政治
立憲君主制のもと、議会は二院制(上院、下院)を採用
元首
エリザベス2世英国女王
首相
ボリス・ジョンソン
中央銀行
BOE (Bank of England イングランド銀行)
イギリスの歴史
1066年にウィリアム征服王がイングランドを制圧し、封建制導入などによって王国の体制を整えていったのがイギリスの始まりといわれております。その後、スコットランド、アイルランドなどを併合して、1927年に「グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国」を国名としました。
19世紀以降、イギリスは次々に植民地を拡大させる一方、奴隷に長時間労働を強いて経済活動を拡大させた結果、世界に先駆けて産業革命を達成しました。しかし、イギリスの世界覇権は第1次世界大戦までで、それ以降はアメリカに世界最大の経済大国の座を奪われる格好になりました。
第2次世界大戦直後、労働党のアトリー政権が「ゆりかごから墓場まで」をスローガンにいち早く福祉国家を作り上げました。しかし、これが経済の停滞を招き、1960年代以降は「イギリス病」とまで呼ばれる不景気に苦しみました。
1980年代にサッチャー首相が経済再建のために急進的な構造改革(民営化・行政改革・規制緩和)を実施した結果、景気は好転し「イギリス病」を克服することに成功しました。ところが、サッチャー首相の改革によって大量の失業者が出てしまったことを受け、1990年代保守党から労働党のトニー・ブレアに政権交代したことをきっかけに、イギリスは市場化一辺倒の政策を修正し、就労支援や公立校改革などを積極的に手がけました。その結果、製造業停滞などの問題を抱えているものの、失業率は低水準となり、2008年秋のいわゆる「リーマンショック」にまでは、経済全体も長期間の成長を続けました。

イギリスのお金の種類は?

イギリスの通貨単位は「ポンド(「£」もしくは「GBP」と表記されます)」といいます。また、補助通貨として「ペニー(penny 複数形ペンス pence)」もあり、100ペンスは1ポンドに相当します。

イギリスでは、4種類の紙幣と、8種類の硬貨が流通しております。

紙幣 5ポンド、10ポンド、20ポンド、50ポンド
硬貨 1ペニー、2ペンス、5ペンス、10ペンス、20ペンス、50ペンス、1ポンド、2ポンド
50ポンド札のイメージ画像

ポンド相場の変動要因

ポンドも、米ドルと同様に経済指標や要人発言が主な変動要因となっております(具体例は米ドルの紹介ページをご参照ください)。ここでは、そのほかにも注目しておきたい変動要因を紹介します。

ユーロの影響

英国の貿易相手の半分以上は欧州のEU諸国が占めています。つまり、欧州との経済的な結びつきが強く、欧州経済の影響を受けやすいと言えるでしょう。欧州の債務問題によって問題国に支援の必要性が出て、欧州連合(EU)が支援を決定する場合、EU加盟国である英国も支援せねばならない立場になることもあります。そうなった場合は英国経済にはネガティブな要因になります。

ポンド相場の推移

ポンド円相場

ポンド円相場の推移のイメージ画像

日本が固定相場制を採用していた時のポンド円相場は約1000円でしたが、変動相場制に移行後の1982年には400円にまで急落しました。さらに1995年には円高により、ポンド円相場は129円台にまで値を下げました。その後、円安によって1998年8月に241円ちょうど近辺まで上昇しましたが、アジア金融危機に端を発した円高などをきっかけに2000年9月には148円台まで下落しています。しかし、それ以降はイギリスの経済成長が長期間にわたって続いたことで、ポンド円相場が長期的な上昇トレンドに入りました。また、2006年後半からBOEが利上げにやや前向きな姿勢となっていることなどがポンド買いを加速させ、2007年7月には251円台をつけました。しかし、2008年3月にはサブプライムローン問題などによって、ポンド円は200円台を割り込み、同年秋のいわゆる「リーマンショック」によって米ドル円相場が下落したことに伴い、ポンド円も下落基調となりました。そして、2009年1月には、ポンド円相場が当時の史上最安値の118円台にまで下落しました。その後ポンド円は163円台にまで反発しましたが、2009年後半からは再びジリジリと水準を切り下げる展開となり、2011年9月には116.80円と史上最安値を更新しました。ポンド円相場の大きな特徴は、短期的にも、長期的にも、値動きが非常に荒っぽく、変動幅も大きいという点です。

ポンド・米ドル相場

ポンド・米ドル相場の推移のイメージ画像

1970年代には2.60ドル台をつけていたポンド・米ドル相場は、2001年には1.40ドル付近にまで下落しました。しかし、それ以降は英国経済が堅調に推移していることなどでポンド・米ドル相場が持ち直し、2007年11月には2.11ドル台をつけました。しかし、ポンド・米ドル相場も「リーマンショック」による相場下落を免れることはできず、ポンド円相場と同様に2009年1月には、史上最安値の1.35ドル台にまで下落しました。その後、ポンド・米ドル相場はやや反発を見せていますが、依然「リーマンショック」前よりも低い水準での推移となっています。

イギリス関連リンク集

出典