世界の通貨 シンガポール
シンガポールのお金の種類は?
シンガポールの通貨単位はシンガポール・ドル(通貨記号S$)です。補助単位としてシンガポール・セント(単位記号S¢)もあり、100セントが1ドルに相当します。
シンガポールでは、7種類の紙幣と、6種類の硬貨が流通しております。
紙幣 | 2シンガポール・ドル、5シンガポール・ドル、10シンガポール・ドル、50シンガポール・ドル、100シンガポール・ドル、1,000シンガポール・ドル、10,000シンガポール・ドル |
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硬貨 | 1シンガポール・セント、5シンガポール・セント、10シンガポール・セント、20シンガポール・セント、50シンガポール・セント、1シンガポールドル |
2シンガポールドル、5シンガポールドル、10シンガポールドルはプラスチック製のお札(ポリマー幣)です。紙のものに比べて丈夫で長持ちするというのが特徴です。また、すべての紙幣に初代シンガポール大統領ユースフ・ビン・イシャークの肖像が描かれており、国家の統一性とアイデンティティが表されています。
シンガポールドルへの投資
シンガポールドルの特徴は、通貨バスケット方式の管理変動相場制度を採用している点です。通貨バスケット方式とは、様々な国の通貨に自国の為替レートを連動させる仕組みのことです。変動相場制を採用すると通貨の変動が不安定になる可能性がある為、このような政策がとられています。通貨の変動が一定の変動幅(バンド)に収まるように運営を行っています。
またシンガポールでは政策金利が存在しません。金融政策は為替レートの調整が目的で行われます。金利のコントロールによって金融政策を行う他国とはこの点で異なります。金融緩和を行えば通貨安、金融引き締めであれば通貨高要因となります。シンガポールドルはシンガポール金融管理局(MAS)の影響を大きく受けます。
シンガポールは他の東南アジアの国々と比較して経済が安定しています。国債格付けが最上級のプライム評価であり、財政状態が非常に良好です。また、政治面においても一党支配が強く維持されている為、政情リスクも限定的です。政治・経済の安定感は外貨投資対象として魅力的でしょう。
シンガポールドル相場の推移
①97年に山一証券が破綻し、98年には日本長期信用銀行や日本債券信用銀行が破綻するなど日本で金融危機が発生したことで景気が落ち込み、円安が進行しました。その後は米ドルの急落を受け、シンガポールドル円は下落しました。
②2006年から2007年の半ばにかけて70円付近から80円台まで上昇。2008年にリーマンショックが発生したことで60円付近まで下落しましたが、他の先進国通貨と比較すると下落幅は小さく、シンガポールドルの安定感が見られました。
③アベノミクス等の影響もあり、円が各国通貨に対して安くなったことでシンガポールドル円も92円台まで上昇しました。しかし、2015年の中国経済の減速を受けて70円台まで下落しました。
④金利差拡大によって円が主要国通貨に対して安くなったことで、シンガポールドル円は120円付近まで上昇しています。
シンガポールドルの変動要因
消費者物価指数(CPI)
ある時点を基準に、同等のものを購入した場合に費用がどのように変動したかを指数値で表したもので、物価そのものの変動を測定することを目的としています。特に日常生活で消費者が購入する商品の価格を見ます。CPIは中央銀行の金融政策に影響を与えることが多いため、投資家の注目を集める指標です。シンガポールは為替の変動をコントロールする金融政策を採用していますが、物価動向を加味して意思決定が行われます。CPI上昇ペースが鈍化すると通貨の切り上げペースを緩和することで景気を刺激し、CPI上昇ペースが高まると名目為替実効レートの誘導レンジを上方シフトさせ金融引き締めを行っています。
シンガポール経済の動向
2022年のシンガポールのGDPは4668億ドルで、年々増加傾向にあります。一人あたりGDPは約60,000ドルであり、日本の40,000ドルと比較すると非常に高い数字となっています。アジアトップクラスの経済先進国であり、成長のポテンシャルも大きいので、今後も経済力が高まっていくでしょう。また、シンガポールは富裕層が多く、法人税・所得税が安いこともGDPを引き上げる要因となっています。経済が強いと通貨高になりやすいため、シンガポール経済が成長するとシンガポールドル高になっていく可能性が高まります。
シンガポールドル投資を始めるには
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シンガポールの基礎知識
- 正式名称
- シンガポール共和国(Republic of Singapore)
- 首都
- シンガポール(都市国家)
- 公用語
- 英語,中国語,マレー語,タミール語
- 政治
- 立憲共和制のもと、一院制を採用
- 中央銀行
- シンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore)
- シンガポールの歴史
- 1819年、イギリス人のトーマス・ラッフルズがジョホール王国(現在のシンガポール)に上陸。同国より許可を受け、イギリス東インド会社の交易所を設立しました。1824年に正式にイギリスの植民地となり、1832年には海峡植民地の首都に定められました。第二次世界大戦後もイギリスによる植民地支配は継続されましたが、1963年に独立を宣言。1965年、当時一州として参加していたマレーシア連邦から分離、シンガポール共和国として独立しました。
1980年代半ばには、金融やIT業を中心としたサービス部門へと産業構造を転換させ、現在の経済の基盤を構築しました。
2023年の1人あたり名目GDPが世界第5位とシンガポール経済は急成長を遂げています。また、日本貿易振興機構によるとシンガポールは世界競争力ランキングで1位になっています。世界中でシンガポールの発展が注目されている状況です。