世界の通貨 香港|香港ドルの特徴
香港のお金の種類は?
香港の通貨単位は「香港ドル(「$」あるいは「HKD」と表記されます)」です。また、補助通貨として「セント(「¢」で表記されます)」もあり、100セントは1香港ドルに相当します。通常、金額の前に$記号を付して「$3(3ドル)」、「$3.50(3ドル50セント)」などの様に表記され、他国の通貨と特に区別する必要があるときは「HK$3.50」の様に表記されます。
香港では、6種類の紙幣と、7種類の硬貨が流通しております。なお、額面20ドル以上の紙幣は香港上海銀行、スタンダードチャータード銀行、中国銀行(香港)の3行により発行されております。
紙幣 | 10ドル、20ドル、50ドル、100ドル、500ドル、1,000ドル |
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硬貨 | 10セント、20セント、50セント、1ドル、2ドル、5ドル、10ドル |
発行元の銀行によって図柄はまったく異なりますが、額面により印刷色が統一されております。それぞれの額面貨幣価値はもちろん同じであり、使用および流通において使い分ける必要はございません。また、10ドル紙幣は上記の銀行による発行ではなく、香港特別行政区政府発行の法定紙幣のみ発行されております。
香港ドルへの投資
香港はアジア金融の中心として発展を遂げており、今もなお成長を続ける通貨として世界中の投資家の注目を集めています。また香港は自国で安定した金融市場を展開している点と、ドルベッグ制を採用している点から、乱高下の心配が少ない通貨として認知されています。
相場が動く要因としては、中国株に注目です。香港市場に上場中の中国株は香港ドルで売買されてますので、中国株の取引が活発になれば投資家も香港ドルの取引意欲が高まります。そのため、中国株式相場の上昇によって香港ドルが上昇するケースが見られます。
また香港ドルは米ドルへのペッグ制を採用しており、香港ドルのレートを米ドルに連動させる固定相場制と呼ばれるものです。このため、香港ドルの値動きは米ドルの一定範囲内に収まるように管理されてます。
このように、アメリカ合衆国と中国の2国と高い連動性を持つことから、どちらかの経済が好況であると同時に、香港ドルもその恩恵を受け同じ動きをみせるといった傾向もあります。逆に、例えば中国の経済指標が傾くと香港にも大きな影響を及ぼし、その結果香港ドルが暴落する事態も十分に予想されますのでご注意ください。
香港ドル相場の推移
①2008年にリーマンショックが発生し、FRBは景気対策として金融緩和を行いました。米国の利下げによって米ドル/円は下落し、追従する形で香港ドル/円も下がり円高・香港ドル安が進みました。
②2012年以降、安倍政権が表明した大規模な金融緩和策により円は下落し、円安・香港ドル高が進行しました。
③2021年以降、FRBは金融引き締めを行い、米ドル/円が上昇するのに合わせて円安・香港ドル高のトレンドが続いています。
香港ドルの経済指標
米国雇用統計
米国労働省が発表する雇用に関する月次データで、雇用サイドから見た米国の経済の状況が把握できます。香港ドルは米国のドルペック制度を採用しているため、米ドル相場に大きく影響する米国の雇用統計は重要な指標のひとつです。いくつかの指標がまとめて発表されますが、特に注目されているのが「非農業部門雇用者数」「失業率」になります。
香港消費者物価指数(CPI)
ある時点を基準に、同等のものを購入した場合に費用がどのように変動したかを指数値で表したもので、物価そのものの変動を測定することを目的としています。特に日常生活で消費者が購入する商品の価格を見ます。CPIは中央銀行の金融政策に影響を与えることが多いため、投資家の注目を集める指標です。
香港ドル投資を始めるには
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香港の基礎知識
- 正式名称
- 香港特別行政区
- 公用語
- 中国語、英語
- 中華人民共和国への返還日
- 1997年7月1日
- 政治
- 一国二制度を採用。香港特別行政区基本法よって高度な自治権を有している半面、外交と軍事は中国政府の管轄となっております。
- 元首
- 李家超 行政長官
- 中央銀行
- 香港金融管理局(HKMA)
- 香港の歴史
- 清代に広州が開港すると、1699年からイギリスの東インド会社などが来航するようになりました。イギリスは次第に中国茶を大量に輸入し、貿易代金決済のためにインドからアヘンを中国に輸出し始めましたが、アヘンの輸入を規制しようとする清とイギリスの争い(アヘン戦争)が1839年に起こりました。アヘン戦争に勝利したイギリス軍は香港島を占領し、1997年に中国に返還されるまで香港はイギリスの植民地となりました。
返還後は、中国が香港の外交権と軍事権を掌握しました。しかし、基本的な社会経済制度は変わらず、法体系もイギリス領時代のコモン・ローがそのまま用いられております。