北朝鮮有事の 円相場シミュレーション

2017年に入り、北朝鮮による挑発的なミサイル発射、
米空母の朝鮮半島進出などによりにわかに緊張が高まる半島情勢。
米朝の行動で外為(FX)市場にどのような影響があるのか。
また、万が一何らかの武力衝突が発生した場合における為替相場の展望について識者に問う。

  • キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 宮家 邦彦氏 要旨 ・北朝鮮は、軍事的挑発を行っているのではなく、核保有国として米国と和平条約を結ぶために行動している。米中韓も「合理的」に対応しており、当分はこのような状況が続くだろう ・今後、ICBMの米国到達が現実味を帯びる中、東アジアの安全保障問題から、米国が自国本土の危機と認識し「自衛権」を行使するか判断が迫られる場面(真実の時)が来るだろう ・経済制裁が進んだとき北朝鮮の軍部がどのように対応するかに注目したい
  • JPモルガン・チェース銀行 佐々木 融 氏 要旨 ・平時、外為(FX)市場がリスクテイク志向の際は、円を売って高金利通貨を買う取引に ・北朝鮮情勢の緊迫化の際は、世界の投資家はリスク回避の行動としてポジション閉じるため、円が買われる事(円高)が想定される ・東日本大震災のときと比べて、現在は円ショートポジションが多く、円高になりやすい環境 ・日米10年金利差とドル/円の相関が強く、米10年債金利が下がるとドル/円も下がる可能性あり
  • 株式会社ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ代表取締役 外国為替ストラテジスト 川合 美智子 要旨 ・外為(FX)市場は北朝鮮のミサイル発射の報を受けて早朝から円買いの動き ・ドル/円相場は108.90円の強い抵抗を下抜け、新たな円高のリスクが点灯している ・ドル/円、下値の目処は106円台。仮に105円台などオーバーシュート時は「買い場」と見る ・ユーロ/ドルは上昇トレンドがシッカリしており、1.20ドル台を目指す流れか
  • 金融ジャーナリスト 川口 一晃氏 要旨 ・北朝鮮の挑発報道のたび「一時的な円買い」になる傾向に今後も変化はないだろう ・FX相場が冷静さを取り戻せば、値段も戻る流れ ・仮に「軍事衝突」が起きた場合、日本経済への影響を鑑み、円安となるのでは
  • 東洋英和女学院大学客員教授 中岡 望氏 要旨 ・米朝間で緊張感高まっているが、開戦の可能性は高くない。 ・北朝鮮は、核保有国として米国に認知してもらいたい。 ・現在はニューヨークと対話のチャンネルがあり、継続して話が出来ている。 ・ティラーソン国務長官、マティス国防長官は北朝鮮との対話の姿勢を示している。 ・実は北朝鮮は「経済成長」しており、経済面では落ち着いているのかもしれない。
  • サーフライド・インベストメント株式会社 代表取締役 小林 淳氏 要旨 ・現在は中国が北朝鮮へ圧力をかけており、今の段階で米韓からの攻撃は考えづらい ・メインシナリオは「北朝鮮の体制転換」ではないか ・「有事」は大幅な円安を想定
  • JPモルガン・チェース銀行 佐々木 融 氏 要旨 ・投資家がとるリスク回避姿勢には三段階が考えられる ・第一段階は過去の経験則から投機的な円ロングポジション造成の動き ・第二段階は世界の投資家が積み上げてきた短期的な円売りポジションのまき戻し ・第三段階は本邦企業・投資家による海外投資に対するヘッジ、リパトリへ
  • 東洋英和女学院大学客員教授 中岡 望氏 要旨 ・シリアへの空爆は、次の一手がない「限定的」なもの ・北朝鮮も含め、戦略シナリオがまとまっていない米政権 ・「有事」にはドル高で反応するのではないか
  • 双日総合研究所 チーフエコノミスト 吉崎 達彦 氏 要旨 ・北朝鮮の一連の行動は、米韓軍事演習への対抗として、毎年の恒例行事 ・4月末にはリスク相場は収束するだろうから逆張りが有効になる可能性あり ・有事の際は、震災の記憶から「有事の円高」
  • 株式会社ADVANCE代表取締役 YEN蔵 氏 要旨 ・結論としては、有事の円高を見ている ・過去4月15日に北朝鮮は「威嚇行動」をとっていた ・韓国の株価・為替は大きな売りになっていない ・ドル/円は107~108円を維持できるかがポイント
  • 為替アナリスト 雨夜 恒一郎 氏 要旨 ・米国による北朝鮮への先制攻撃は、リスクが高すぎてとりえない選択肢 ・有事の際は、リスク回避の円買いが先行するだろう ・円を売って資源国通貨や安全資産である金やスイスフランへ逃避する案も
  • FX湘南投資グループ代表 野村 雅道 氏 要旨 ・日本と北朝鮮は貿易を結んでいないため日本経済にはほとんど影響がない ・ミサイルが打ち上げられる、または米軍空母が攻撃された場合は影響がある ・見通しきれないところが多いため今後の北朝鮮の行動に警戒
  • 外為どっとコム総合研究所 神田 卓也 要旨 ・米国の艦隊派遣や中国の制裁強化で追い詰められた北朝鮮の次の行動に警戒 ・円の特殊性から「有事の円買い」で反応する可能性が高い ・北朝鮮の相次ぐ記念日に合わせて核実験や更なるミサイル発射の可能性も
  • 外為どっとコム総合研究所 川畑 琢也 要旨 ・ドル/円相場は心理的節目の110円が攻防の分岐点として注目 ・割り込んだ場合は心理的節目の109円に向けた一段安 ・万一武力衝突が発生した場合は急速に円高が進む事も ・市場がパニック的な動きとなる場合7〜8%程度の下押し水準が目処