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【見通し】週間為替展望(ドル/ユーロ)-貿易戦争と米インフレ率に警戒

◆ドル円は軟調推移か、貿易戦争や通貨戦争への警戒感が上値を抑える要因
◆3月期末決算に向けた本邦機関投資家のレパトリもドル円の上値の重しに
◆ユーロは、ECBの出口戦略や独伊政局混迷への警戒感で伸び悩むか
(国際金融情報部・山下政比呂)

予想レンジ
ドル円 103.00-108.00円
ユーロドル 1.2000-1.2500ドル

3月12日週の展望
 ドル円は軟調推移か。トランプ大統領による輸入関税賦課を受けた保護貿易主義への傾斜、貿易戦争への警戒感が重しになろう。輸入関税賦課に反対していたコーン米国家経済会議(NEC)委員長の辞任により、トランプ政権がタカ派の保護貿易に軸足を移し、貿易戦争が勃発する可能性が高まっている。貿易戦争がもたらす景気への悪影響から、20-21日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが見送られるとの見方もドル売り材料となる。さらに、トランプ政権の税制改革を受けた財政赤字・貿易赤字の増大という「双子の赤字」への警戒感から米国債を売却する動きが強まり、ドル安・円高要因となりつつある。
 ドル円の買い材料としては、好調な米国経済、今年のFOMCで3-4回程度の利上げが見込まれていること、朝鮮半島の地政学リスクの後退、米10年債利回りの上昇基調、堅調な日米株式市場などが挙げられる。
 米国からの資金流出懸念が高まっていることで、米1月の証券投資収支での中国、日本などの投資動向も注目される。また、米国のインフレへの警戒感が高まっていることで、2月の米消費者物価指数も要注意である。
ドル円は、日銀短観12月調査での大企業・製造業の2017年度の想定為替レート110.18円(※下期の想定為替レート109.66円)を下回っている限り、3月期末の企業決算への警戒感が高まり、資金の本国還流(レパトリエーション)も強まることが予想されるため、上値が重い展開が予想される。
 ユーロドルは伸び悩む展開か。欧米間の貿易戦争の勃発はユーロ高・ドル安要因だが、欧州中央銀行(ECB)がフォワードガイダンスのタカ派への変更を先送りしたこと、ユーロ圏のインフレが鈍化したことを受けて上値は限定的か。ドイツの大連立政権は「敗者の連立」と揶揄されており、レームダック化が懸念されている。欧州連合(EU)改革に暗雲が漂っている。イタリア議会はハングパーラメントの様相を呈しており、反EU政権が樹立される可能性が高まっていることもユーロの上値を抑える要因となる。ユーロ円は、ドイツやイタリアの政局混迷懸念、貿易戦争への警戒感、日銀のテーパリング観測やECBの出口戦略の先送り懸念で伸び悩む展開か。

3月5日週の回顧
ドル円は、トランプ大統領の鉄鋼・アルミニウムへの輸入関税賦課による貿易戦争への警戒感、トランプ政権で関税賦課に反対していたコーンNEC委員長の辞任などを受けて、105.35円まで下落した。しかし、北朝鮮が体制維持を条件に非核化に向けた対話に応じると表明したこと、5月に米朝首脳会談の開催が表明されたことで、朝鮮半島の地政学リスクが後退、米2月非農業部門雇用者数が+31.3万人だったことで、ドル円は107.05円まで上昇した。ユーロドルは、ECB理事会で緩和バイアスが削除されたことで、1.2269ドルから1.2446ドルまで上昇した。ユーロ円は、朝鮮半島の地政学リスクの後退を受けて、129.35円から132.02円まで上昇した。(了)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ

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