野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

米国の為替条項要求は

4/15(月)「米国の為替条項要求は」

総括「米国の為替条項要求は」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=110-115、ユーロ円=124-129 、ユーロドル=1.11-1.16

日経インデックス4月12日東京引け4月5日からの変化(2015年=100)円112.1同、ドル105.5弱し、ユーロ107.7強し、ドルインデックス NYBOT 96.96弱し、原油63.89強し、金1295同、DOW 26412弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け195.54強し IMM円投機筋4月9日 円-71520(前週比-8779)、ユーロ-102198(前週比-3014)

1.(今週の予定)

15(月)トルコ 失業率 米 NY連銀製造業景気指数 対米証券投資収支
16(火)日 第3次産業活動指数 RBA議事要旨 中 住宅価格動向 英 失業率 失業保険申請 ILO失業率 ユーロ圏 ZEW景況指数 米 鉱工業生産 設備稼働率
17(水)NZ 消費者物価 日 貿易統計 訪日外国人客数 中 小売売上 鉱工業生産 GDP ユーロ圏 経常収支 英 生産者物価 消費者物価 小売物価 ユーロ圏 貿易収支 米 貿易収支 加 貿易収支 消費者物価 米 ベージュブック
18(木)聖曜日の前日で米債券市場が短縮取引 豪 新規雇用者 失業率 独 生産者物価 スイス 貿易収支 英 小売売上 米 小売売上 フィラデルフィア連銀景況指数 新規失業保険申請 加 小売売上 米 製造業PMI  サービス業PMI 景気先行指数
19(金)香港、フィリピン、シンガポール、インドネシア、インド、オーストラリア、ニュージーランド、ロンドン、ブラジル市場が休場 聖金曜日で米株式、債券、商品市場が休場日 全国    消費者物価 米 住宅着工 建設許可

(来週の予定)

22(月)米 PCEコア・デフレータ 中古住宅販売件数
23(火)ユーロ圏 製造業・サービス業PMI 米 新築住宅販売件数
24(水)豪 消費者物価 独 IFO景況指数  加 政策金利
25(木)日銀金融政策決定会合 トルコ 政策金利 米 新規失業保険 耐久財受注 メキシコ 小売売上
26(金)NZ 貿易収支 日 完全失業率 有効求人倍率 東京消費者物価 鉱工業生産 豪 生産者物価 米 GDP 個人消費 メキシコ 貿易収支 コアPCE
    ミシガン大学消費者信頼感 独 小売売上

2.総括「米国の為替条項要求は」

*円「通貨10位、株価13位、米国の為替条項要求は」

 日米の貿易協定に向けた交渉が15日から始まるのを前に、米ムニューシン財務長官は、日本が輸出で有利になるように意図的に為替相場を安くして円安に誘導するのを防ぐ為替条項を協定に盛り込むことに改めて意欲を示した。トランプ政権は、メキシコやカナダとの間で見直しに合意した貿易協定にも為替条項を盛り込んだほか中国との貿易交渉でも同様の要求をしている。米国財務省は、日本や中国、ドイツなど6か国を「監視リスト」の対象に指定して為替を操作していないかチェックしていて、各国との貿易赤字を削減するためにドル高が進まないよう為替相場の動向に神経をとがらせている。
 ただ円高を強要されたプラザ合意の時とは異なり、日本の貿易黒字は大きいものでもなく。東日本大震災以降は赤字の年が多く、円安に繋がっている。対米黒字はまだあるが、全体の為替需給からは長期的には円高にはならない。さらに悪いことは最近の日本の貿易赤字は輸入が増えるという好景気のものではなく輸出が減少するという経済縮小型だ。米中貿易戦争の影響もあるが、やはり日本の人数の少ない賃金の高い労働者に頼るよりも低賃金の国で工場を稼働させることが効率的なのだろう。今週は3月貿易統計の発表がある。

*米ドル「通貨8位、株価(NYダウ)6位、米国の対中赤字が増えて米国市場がリスクオンとはノーテンキだが、まあいいか」
 
 先週末は中国の輸出が増加し、輸入が減少してリスクオンとなり米国株は上昇した。米国の対中貿易赤字が増加したのに米国市場でリスクオンとは「ノーテンキ」であるが、まあいいだろう。市場は厳密には需給で動くが、超短期的には気分で動く。米国の成長率が高いとか金利が高いとかでドルを買う人もいる。ただ戦後は常に米国は日欧に対して高成長、高金利であるがドルは長期的に下落している。あくまで貿易赤字に従っているだけだ。成長見通しや金利での為替の売買は一時的なものにとどめるべきだろう。もちろん長期的に債券などを保有して為替差損を金利収入で補おうとする取引はやってもいいだろう。ただ元本がなくなれば大事な金利収入がなくなり元も子もなくなるので、現金か低レバレッジでやるべきだろう。
 米国は対中のみならず、対EU、今週は対日でも貿易戦争や為替戦争をしかけてくるが、相手国はいくらしかけられようとも欲しくもないものまで輸入することはできないので米国の政策は失敗するだろう。米国が無理を通したら経済の流通がおかしくなってしまう。要は品質のいい安い商品よりもシャッター商店の古い質の悪いものを強要しているからだ。もちろん肉やコメは買ってあげればいい。
 米国の株価は強い。政治離れして強い企業は伸び続ける。

*ユーロ「通貨9位 株価(独DAX)5位、需給からは売られ続ける通貨ではない。円を追い抜く」

 もうユーロ圏や独の成長見通し下方修正は聞き飽きた。下方修正と言っても、日本の18年、19年、20年の成長や成長見通しよりは高い。ただそれでも日本は景気回復と言っている。殆どの国が下方修正なので成長見通しはユーロの売買の大きな理由とはならない。英国のEU離脱やイタリアの政局不安もわけがわからぬうちは売り材料となるが、何が起きているかが見えてくると市場は反応しなくなってしまう。ユーロ圏は膨大な貿易黒字があるので大きく売り込まれることはない。先週は上昇して年初来では円より強くなった。日足のボリバン(2σ)で言えば、売り込まれてもボリバン下限を大きく割ることもない。
 さて4月のユーロ圏投資家センチメント指数はマイナス0.3で、3月のマイナス2.2から改善し、昨年11月以来の高水準となった。中国経済の改善を示す兆候が寄与した。 中国は湯水のごとく輸出攻勢をかけてくるが、一方で膨大な輸入相手先である。米国のように喧嘩をせずに友好的貿易関係を続けたほうがメリットがある。最近の中国の国家主席や首相の訪欧で大型商談を締結したことは好ましい。

*英ポンド「通貨3位、株価11位、英議会は早速11連休となる。市場は冷静」

 英のEU離脱が10月末まで延期され、英議会は早速11日間の休会期間に入った。10月末の期限に、またドタバタを繰り返すのだろうか。英議会は喜劇を展開するが、金融市場は冷静である。
通貨ポンドは3位と強い。FT株価指数は11位とやや順位は低いが年初来10.54%高と日経平均の9.27%高より強い。議会がどうであれ、民間企業はどのような結果にも対応していくようだ。
半年も延長すればさらに企業の準備が進むだろう。合意なき離脱と言ってもEUは一枚岩である。英国議会がまとまらないだけだ。
 今週は3月消費者物価の発表がある。コア指数予想は1.9%上昇で2月は1.8%であった。英中銀調査では、向こう1年の英国民のインフレ期待は、5年ぶり高水準を維持したことが明らかになった。 向こう1年のインフレ率が平均3.2%になると予想。2013年11月以来の高水準となった昨年11月時点の予想から変わらず。 向こう1年の間に政策金利を引き上げると予想するとの回答は、全体の約47%となり、昨年11月の53%から低下した。IMFの19年成長率見通しは1.2%で前回調査より0.3%下方修正されたが、ユーロ圏の1.3%とは大差はない。
 恒常的な経常、貿易赤字があるので長期的に上昇する通貨ではないことは確かである。

*人民元「通貨4位、株価首位、なんとIMFが成長見通しを上方修正」

 先週IMFは世界経済の成長見通しを下方修正した。その中で中国とナイジェリアだけを上方修正した。中国の株価は先週は年初来30%高を割り込んだが、依然、世界の株価指数でトップの強さだ。3月貿易統計によると、ドル建て輸出は前年同月比14.2%増加し、予想を上回った。これによって世界の市場はリスク選好の流れとなった。経済外交もしたたかで、長引く対米通商交渉をよそに積極欧州外交を続け、ポルトガルやイタリアと「一帯一路」の覚書を交わし、フランスからはエアバス300機購入の契約を締結した。
 中国は世間の景気減速の声をよそに、今や株価上昇や物価上昇を抑えるために、短期資金の供給オペであるリバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)を実施していない。リバースレポ実施の見送りは3月20日以降17営業日連続となった。今週の1Q・GDPにもサプライズはあるかどうか。政府版製造業PMIや財新製造業PMIの改善もあったのは記憶に新しい。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨6位、株価7位、AAAの国、今週は雇用統計」
 
 豪ドル円は3週連続上昇し80円台のせ、日足ではボリバン上限を超えてしまった過熱感もでてきた。先週は外部要因も豪ドル上昇に寄与した。減速すると言われている中国の成長見通しがIMFによって上方修正されたことや中国の輸出の伸びで中国経済に依存する豪ドルが上昇した。今週は豪経済減速の中でも好調な労働指標の発表がある。
 デベルRBA副総裁は「経済成長が鈍化する一方で労働市場が好調という現状について、政策金利の方向性を決定する上で注視していく考えを示した成長率は2018年下半期に大幅に鈍化。一方、労働市場は堅調さが続いており、失業率は8年ぶり低水準の4.9%となった。 重要な問題は、世界の成長の勢いに関する最良のシグナルはどちらなのかという点だ。GDPなのか、それとも労働市場なのか。こうした指標の差はどう解消できるのか」と述べた。 2016年8月以降、政策金利を過去最低の1.5%に据え置いている。最近になって、長らく維持してきた引き締めバイアスを転換、金利は指標次第でどちらの方向にも動き得ることを示唆した。
 モリソン首相は、総選挙を5月18日に実施すると発表した。選挙戦では税や気候変動、社会的不平等などが争点となる見通しだ。 自由党と国民党による保守連合は少数与党政権となっており、議席の上積みが課題になるが、世論調査では野党労働党が保守連合を大きくリードしている。 ただ政権が交代しても大きく政策が変わることはないだろう。

*NZドル「通貨7位、株価9位、今週は消費者物価発表、中国動向も気になるところ」 

 インフレが上昇しないことに業を煮やした NZ中銀のオア総裁は、次の政策変更は利下げの可能性が高いとの見方を示した。今週はそれを占う19年1Qの消費者物価指数が発表される。予想は1.7%で2%に届かなければ利下げ予想は高まる。ASB銀行は中銀が5月に政策金利を0.25%引き下げ、8月に追加利下げを行うとの見方を示した。 中銀は内需が予想よりかなり速いペースで減速しており、経済成長が今年、自力で好転する可能性が低下していることを示す明確な証拠を得たと指摘した。幅広い業種の企業が悲観的な見方を示し中でも、コスト上昇を転嫁できていない建設セクターや、最低賃金引き上げの影響を受けた製造業セクターで特に顕著となった。 さらにフィッチは最近の住宅価格下落から銀行の財務状況が悪化することでNZの銀行の格下げを示唆し
た。
 ただNZドルは先週は上昇した。中国の輸出が大幅に伸びたためであった。NZの貿易も中国に依存するだけに中国の貿易動向は重要だ。またIMFは世界経済の成長見通しを下方修正したが中国だけは0.1%である上方修正した。中国の株価は年初来30%以上上昇していたが、過熱感もあったので中国当局は金融緩和策の後退を示唆し始めた。

*南アランド「通貨2位、株価10位、3週連続上昇で8円台のせ、要因は」

 3週連続陽線で2月26日以来の8円台のせとなった。ムーディーズの格付け見直しの影響がこれほど効果があるとは思わなかった。ムーディーズ は、南ア国債の格付け更新を見送った。現在、南アのランド建て及び外貨建ての双方を、投資適格水準の最低にあたる「Baa3(BBB-相当)」としている。(他の格付機関、Fitch 及び S&P がすでに南ア国際を投資不適格にあたるジャンク級としていることから、ムーディーズが南ア国債を格下げした場合、南アが国際債券指標から外され、大量の資本流出につながる可能性を市場が懸念していた。)次回の更新時期は未発表だが、従来の11月頃あるいは南ア大統領選挙後の5月が予想される。また電力大手のエスコム社による3月中旬から断続的に行っていた計画停電を、向こうしばらくは実施しない予定であることを発表。電力供給を行う 5 ユニットが回復し、モザンビークからの電力調達ラインも一部改善し、関係者によると、今後 15~18 ヶ月間は計画停電を実施しなくてよい状況にあるとした。
 南アの政策は真面目だ。低成長でもいたずらに財政を悪化させる景気拡大策をとらずに海外からの投資による成長を目指している。ただまだ経済指標は弱い。3月の企業景況感指数は91.8で、2月の93.4から低下し2018年8月(90.5)以来、7カ月ぶりの低水準となった。 ランド相場、停電、電力料金の上昇、製造業の生産減速が、3月の指数低下の主な要因とされた。それでも、ここ4年南アランドが安定推移しているのは貿易収支の黒字化であり、それは中国との貿易拡大によるものだ。

*トルコリラ「通貨最下位、株価15位、問題多きも基本は経常収支の改善」

色々問題あるが、やはり需給だ。去年の9月、10月、11月に16円から22円に上昇した時は、8月から11月の4か月は経常黒字に転じていたが、昨年の12月から再び赤字となってからはジリ安の展開である。ただ2018年までの経常赤字ほどの大規模な赤字ではないことに一筋の希望はある。アルバイラク財務相は高インフレと通貨安の打撃を受けている経済を再活性化させるための経済改革を公表したが市場には評価されなかった。ジャンク級に格付けされている国債の格上げの努力などメキシコや南アのように地道な政策を継続することが大事だろう。
 市場が短期的に売り浴びせる問題は多い。ロシアのミサイル購入で米国が激怒している問題、依然複数の米国人が拘束されており米国議会がトルコに制裁をかけようとしていること、外貨準備の減少、CDSプレミアムの上昇、イスタンブールの市長選挙が不正だと大統領が圧力をかけていること、トルコが16年のクーデターの首謀者とみなす米国滞在のギュレン師を引き渡すように米国に要求していることなどだ。ゴラン高原の主権問題など米国との確執が多い。ただ相場を安定化させるには経常収支の改善が基本だ。

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4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「週足、月足が雲の上へ、日足も雲中に落ちず反発」

日足、ボリバン上限へ。4月11日-12日、3月25日-4月11日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、3週連続陽線で雲の上へ。3月25日週-4月1日週の上昇ラインがサポート。3月18日週-4月8日週の上昇がサポート。先週は下ヒゲ長い。18年11月12日週-26日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、18年12月-19年3月の下降ラインを上抜く。18年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。雲の上へ。19年1月-3月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陰線だが、今年は陽線スタート。15年‐17年の下降ラインを上抜くか。16年-18年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル=「下げ止まりから反発、雲下限近い」 

日足、4月2日-8日の上昇ラインがサポート。3月20日‐4月12日の下降ラインが上値抵抗。雲の下限に近づく。ボリバンは中位越える。5日線上向き
週足、ボリバン下限から反発。3月18日週-25日週の下降ラインを上抜く。4月1日週-4月8日週の上昇ラインがサポート。3月18日週-4月8日週、1月7日週-3月18日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、18年11月-12月、17年1月-19年2月の上昇ラインを下抜くも今月は反発中。19年1月-3月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限は1.10。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート

*ユーロ円=「雲の上に飛び出す」 

日足、3月1日-20日の下降ラインを上抜きボリバン上限へ達す。4月11日-12日、4月10日‐11日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。雲の上へ。
週足、3月25日週-4月8日週の上昇ラインがサポート。3月18日週-4月1日週、3月4日週-18日週の下降ラインを上抜く。
月足、19年1月-3月の上昇ラインがサポート。18年10月-19年3月の下降ラインを上抜くか。18年2月-9月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限から反発。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜くも陽転。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインがサポート。

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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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