野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

米中通商会議、米リパトリはげ落ち、GPIFは、原油は

1/7(月)「米中通商会議、米リパトリはげ落ち、GPIFは、原油は」

総括「GPIFヘッジ、原油、日米のリパトリ、消費増税、マイナス金利は今年の円にどう影響するか」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=106-111、ユーロ円=121-126 、ユーロドル=1.11-1.16

日経インデックス1月4日東京引け12月14日からの変化(2015年=100)円116.4強し、ドル106.7弱し、ユーロ110.0弱し、ドルインデックス NYBOT 96.13弱し、原油45.41弱し、金1281強し、DOW 23327強し、日経平均ドルベ-ス東京引け180.81弱し IMM円投機筋12月18日 円-102771(前週比-5165)、ユーロ-53124(前週比+3163)

1.(今週の予定)

7(月)独 製造業受注 ユーロ圏 小売売上 加 Ivey購買部協会指数 米 ISM非製造業景況指数 製造業受注
8(火)豪 貿易収支 日 消費者態度指数 独 鉱工業生産 ユーロ圏 経済信頼感 米 貿易収支 加 貿易収支 米 JOLT労働調査
9(水)日 毎月勤労統計 豪 住宅建設許可 独 国際収支 トルコ 経常収支 スイス 消費者物価 ユーロ圏 失業率 加 住宅着工 メキシコ 消費者物価 加 政策金利      FOMC議事録
10(木)日 日銀支店長会議 貿易統計 景気先行指数 日銀地域経済報告 中 生産者物価 消費者物価 米 新規失業保険 加 新築住宅価格
11(金)NZ 住宅建設許可 日 国際収支 家計調査 景気ウオッチャー 豪 小売売上 英 貿易収支 鉱工業生産 GDP月次推計 米 消費者物価 メキシコ 鉱工業生産

(来週の予定)

14(月)中 貿易収支 ユーロ圏 鉱工業生産
15(火)ユーロ圏 貿易収支 米 生産者物価 NY連銀製造業景気指数
16(水)日 機械受注 企業物価指数  第三次産業活動指数 英 生産者物価 消費者物価 小売物価 トルコ政策金利  米 小売売上 輸入物価NAHB住宅市場指数 対米証券投資
17(木)南ア 政策金利 ユーロ圏建設支出 米 住宅着工 建設許可 新規失業保険
18(金)日 消費者物価 英 小売売上 加 消費者物価 米 鉱工業生産 設備稼働率 
 
2.総括「GPIFヘッジ、原油、日米のリパトリ、消費増税、マイナス金利は今年の円にどう影響するか」

*円「通貨4位、株価15位、GPIFヘッジ、原油、日米のリパトリ、消費増税、マイナス金利は今年の円にどう影響するか」

 ドル高と言われた昨年であったが、その中で日本の円は最強となった。最強の円に付き物なのは株安だ。今年は米国のリパトリのドル買いもなくなること、国内ではGPIFが為替ヘッジも示唆していることなどの円高要因がある。貿易収支に大きく影響する原油価格が70ドルになれば貿易収支は赤字となり円安要因となるが、40,50ドル台なら貿易黒字となり円高となるだろう。
 3月へ向けては日本へのリパトリの円買いもでるだろう。日本の成長率低下や消費増税は消費の減少となり円高要因となる。マイナス金利になれば株価浮揚となるが、多くの国民は利息収入が減少し、これも消費低迷に繋がれば円高要因となる。
 今週は米中通商協議に期待が高まり、良い結果が出れば一時的に株高円安となるが、所詮トランプ大統領がぶっ壊したものを修復するだけであり完全に元に戻るわけではないので長続きはしない。リスクオンになるにはやはり期待できる「ポストトランプ」像が見えてきた時だろう。エリザベス・ウォーレン議員ではまだ力不足のようだ。
 世界との関係を修復するだけで評価される次期大統領は美味しい仕事だと思うのでもっと積極的に出てきて欲しいものだ。

*米ドル「通貨8位、株価(NYダウ)9位、リパトリはげ落ちの年」 

 昨年の米ドルは強いと言われながら通貨番付で3位にとどまった。今年は8位でスタート、株も先週金曜は上昇したが、ナスダックが7位、NYダウが9位と他市場と違って強いわけでもない。去年は2005年以来のリパトリ減税があってドルが上昇したが、今年はそれがはげ落ちてくる。
 先週はパウエル議長が「FRBは忍耐強く臨むとともに、経済の勢いが堅調であっても市場が織り込む下振れリスクに対して敏感である」との認識を示したことを好感したが、それは12月19日日の利上げ時に行った発言と変わらない。議長が急変したわけでもない。当時は「目標をやや下回っているインフレ指標でFRBは忍耐強い対応が求められる。金利の道筋めぐり、かなりの不透明感がある」などとしていた。
 7日から米中通商協議が始まる。米中経済ともに減速の兆しがある。アップルの売上下方修正が中国要因であることからして米国も譲歩してくるだろう。ただトランプ大統領が打ち壊した貿易体制が完全に元に戻るわけではないので、良い結果が出ても長続きはしないだろう。
 また喧嘩政策のトランプ大統領には世界との貿易問題に加え、国境の壁、政府機関閉鎖、華為CFO問題、ロシアの選挙介入問題などを抱えている。ねじれ議会で、強気の長老のペロシ氏(民主)が下院議長となっていることもあり、さらにトランプ大統領を苛立たせる場面は多くなるだろう。在任期間が残り2年を切り始めるのであせりは出てくるだろう。
 また米雇用統計は改善したが、直前に発表された人員削減数やISM製造業指数は悪化していることも忘れないでおきたい。それだからこそFRBの姿勢に変化が出ている(大統領の恫喝ではない)。国境の壁については「非常事態宣言」を出して建設することも示唆した大統領を理解できない。

*ユーロ「通貨12位 株価(独DAX)4位。CPI低下で利上げ遠のく。ただ米リパトリはげ落ち」

 ユーロ発足後20年が経った。紆余曲折合ったが対ドル、対円ではほぼ20年前の水準で推移している。対ポンドで強いのは経常収支の差だろう。さてイタリア財政規律問題は意外と長引かなかった。イタリア新政権も思ったほど乱暴ではなかった。12月のユーロ圏CPIは前年同月比1.6%上昇と、前月の1.9%上昇から低下した。エネルギー価格の上昇率が大幅に鈍化したことが影響した。 ECBの目標である2.0%弱をかなり下回ったことを受け、今年の利上げはないとの見方が強まっている。 クーレECB専務理事は少なくとも2019年夏までは政策金利を現行水準に据え置く方針を示している。専務理事は、貿易摩擦に対する懸念で経済が減速しており、新たな金融危機のリスクがあるとも指摘。「非常に警戒する必要がある」と述べた。
 ただ昨年は2005年以来の米国へのリパトリ減税がありドルを支えていたが、今年はそれもはげ落ち、年末には貿易需給通りユーロが米ドルを上まわるだろう。

*英ポンド「通貨8位、株価9位、合意なき離脱観測でもパニックになっていない為替、株式市場」

英調査会社ユーガブが1月4日公表した調査で、メイ英首相率いる保守党の大半の党員が、首相がEUと合意したEU離脱案に反対しており、それよりも合意なき離脱を選ぶことが分かった。
議会が首相の離脱案を採択しなければ、英国は3月29日に合意なき離脱に至る見込み。通商への打撃を不安視している大手企業にとって合意なき離脱は最悪のシナリオだとされている。
 調査は保守党員1215人を対象に実施。59%がメイ首相の離脱案に反対すると回答し、賛成は38%だった。 合意なき離脱によって食料や薬が不足するなどのリスクがあるかとの質問に対しては、76%が「大げさ、もしくはでっち上げ」とした。
 昨年から今年のポンド相場は弱いが、それほどユーロとは変わらない。FT株価は独DAXより昨年は強かった。金融市場はパニックになっていない。様々なシミュレーションがなされているので織り込んでいないからとも言えない。極論すれば英国が崩壊するのではなく対ユーロとの関係が、EUに元々加盟していない日本や米国と同じ位置となることだけなのだろう。
 ポンドという通貨は変動相場制後は経常赤字によって弱い通貨である。去年よりもっと弱い年もあったからこそ、1971年の861円から下落してきたのである。今後も経常赤字が続く限り
単発的な上昇はあっても長期的には下落する通貨である。通貨下落で景気を浮揚させる国一つである。日本はその逆の通貨構造だ。


*人民元「通貨7位、株価8位、米中通商会議、大豆とボーイング以外に何か出るか」

 李首相が、市中銀行の預金準備率の引き下げや減税、手数料削減を行う考えを示したことや 、米中通商協議を巡る楽観的な見方が中国株価の支援材料となった。製造業PMIなど年末からの景気指標の悪化に配慮した。長期金利も低下している。人民元は対ドルで7.0を割ったところで安定させている。
 さて米中次官級の通商協議が7-8日に北京で行われる。ゲリッシュ米通商代表部(USTR)次席代表が率いる作業グループが訪中し中国側と「前向きで建設的な協議」を行うとの声明を発表した。ホワイトハウス高官や農務、商務、エネルギー、財務各省の次官らも出席するようだ。商品や農業、工業資本財など「全体的な話」を協議で精査すると見通した。
中国側が、一段の市場開放や技術移転の強制、工業補助金で米国の要求に折れるかはなお不透明だ。
 トランプ政権以前から米中貿易摩擦が問題になれば中国側はボーイング機や大豆の購入の増加を示唆していた。ただいくら中国の人口が多いからと言ってそれらを増やし続けることはできない。他の別の解決策がでるかどうか。自動車問題か、関税か、通貨か。ただそういう解決策は日米間では長期的に効果を上げていない。
 また華為問題、5G問題、カナダ人拘束問題と関係悪化に繋がる材料は残っている。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨5位、株価11位、中国経済に依存、移民や海外からの投資にも依存する経済の不安あり」

インフレが抑制されていること、住宅価格の下落、3Q・GDPが予想よりも低い伸びとなったこと、10月小売売上高もさえない内容にとどまっていることからは、利下げ観測も出始めている。これらが昨年来の豪ドル安要因であった。ただ先週は1月3日に急落した後、今週の米中通商交渉再開の報道で戻している。中国経済に大きく依存する豪にとってはその行方が注目される。
ただNZと同様に、5Gについて、中国の華為技術の機器を使用する計画を却下していることもあり対中関係悪化の要因もある。
 さて移民政策は難しいものだと豪経済を見ているとつくづく思う。移民による景気浮揚や不動産上昇で豪経済も成長してきた一面もあるが、それが過剰になるにつれ国内からの不満もあり、政府は規制を強化し始めた。規制は結果を伴ったが、消費の低迷や不動産価格下落による不良債権の増加も伴った。そのかじ取りは難しい(今後の日本にも当てはまる)。
 また個人の需給では先年来損切売りが多く下落してきたが、米中通商会議の報道で買戻しが入り、若干損切買いも入っている。

*NZドル「通貨6位、株価12位、利下げ観測出るも中国次第か」

 1月3日の下落も米中関係改善で中国経済に依存するNZの通貨も上昇した。ただNZ政府も5Gについて、中国の華為技術の機器を使用する計画を却下していることもあり対中関係悪化の要因もある。
 さて政策金利はどうなるのだろう。市場では、景気下振れリスクが高まる中、次の政策変更は利下げになる可能性があるとの見方が織り込まれている。 3Q・GDPは伸び率は、予想を大幅に下回った。5年ぶりの低い伸びとなった。製造部門の低迷が最大の打撃となった。次回の中銀金融政策会合は2月13日。
 為替需給も弱い。3Qまでの1年間の経常収支は、105億3900万NZドルの赤字。赤字の規模は9年ぶりの高水準で、予想の平均95億3600万NZドルを上回った。良い点をあげるなら、主要輸出産品の乳製品価格が昨年は下落していたが、年末年始で3回連続の価格上昇があったことだろう。

*南アランド「通貨首位、株価13位、スタート良し、5月に総選挙、誠実さが売り物の政権」

 年初では通貨首位に立った。1月3日の急落から戻しが一番速かった通貨であった。単位が小さいだけに騰落率は高くなる。中国経済に多くを依存する国なので、今週始まる米中通商交渉に期待がかけられた面もある。11月の貿易収支が3か月ぶりに黒字となったことや、12月の民間購買担当者景気指数(PMI)が49.0と前月の48.2から上昇していたこともランドを支えた。
 ただリセッションを逃れた南ア経済も成長力は弱く、財政赤字不安もあり、最低賃金は引き上げられたものの、炭素税の引き上げもあり消費が回復するかは不透明で外部圧力からの抵抗力は弱い。
 今年は5月以降に総選挙がある。人種隔離政策の撤廃後、1994年に行われた初めての民主的な選挙以降、ANCが一貫して政権を担ってきたが、広がる貧富の格差や数々の汚職事件への批判から、国民の「ANC離れ」が進んでいて、どこまで支持を維持できるかが焦点となる。現在のラマポーザ政権は汚職にまみれた前ズマ政権から見ると誠実に政務をこなしているといえる。ただ誠実だけに爆発力はなく、中国の動向や米中経済戦争によるところとなる。

*トルコリラ「通貨11位、株価最下位、不安が多いからこその高金利。ただ次回は利下げか」

 リラ円の年足は4年連続陰線。今年も下落スタートとなった。昨年8月の15円台への急落から22円台へはよく戻したが、今後も前途多難だ。今年の1月3日の為替市場でも円の急騰があったが、程なく戻した。暴落から急速に戻すのはよくある現象だが、リラ相場の長期的安定化につなげていけるかは難しい。リラ安による貿易収支、経常収支の大幅改善で自律反発したが、今後は遅行的に出てくるリラ安の影響を受けた他の経済指標の弱さが心配である。3Q・GDPや10月の鉱工業生産指数が弱かった。また本来歓迎すべき25%台から20%台へのCPIの低下も、今月の政策金利の引き下げにつながり売り材料とするものも出てきている。
 経済問題だけでなく、この国の不安定さは内外の政治要因だ。中東という軍事の要衝に位置するトルコだが、米軍のシリア撤退によりトルコの軍事的役割が大きくなる。元々関係の良くなかったサウジアラビアとはカショギ氏問題でさらに悪化する。米国が支援していたクルド人組織はトルコはテロ組織と認定しているだけに米軍撤退以降の衝突が心配だ。米国と敵対化するイランとは友好関係がある。国内ではエルドアン大統領の強権政治に不満を持っている敵対勢力は多い。8月のリラ安では経済危機になんとか対処できる能力を見せたが、内外での政治ではまだまだ気が抜けない。ただこういう不安があるからこその高金利である。先ずはスワップ金利内での通貨の下落に留めて欲しいものだ。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「3年連続年足陰線。日足は長い下ヒゲから戻す」

日足、ボリバン下限を大きく下抜くも長い下ヒゲを残しボリバン内へ戻す。12月31日-1月2日の下降ラインを上抜くか。12月27日-28日の下降ラインが上値抵抗。1月3日-4日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、年初、ボリバン下限を大きく下抜き、長い下ヒゲを残す。12月17日週-12月31日週の下降ラインを上抜くか。11月26日週-12月3日週の下降ラインが上値低抵抗。
月足、18年3月-9月の上昇ラインを下抜く。15年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。16年6月-18年3月の上昇ラインがサポート。年初、一時ボリバン下限に到達。
年足、3年連続陰線。16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年‐17年の下降ラインに沿う。

*ユーロドル=「狭いボリバン内でもみ合う」 

日足、1月3日-4日の上昇ラインがサポート。1月2日-4日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。ボリバン中位
週足、11月1302日週-12月10日週の上昇ラインがサポート。9月24日週-12月31日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、18年11月-12月の上昇ラインがサポート。18年2月-3月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限は1.1130。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート。11年-14年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円=「長い下ヒゲでボリバン内へ戻す」 

日足、1月3日-4日の上昇ラインがサポート。1月3日の長い下ヒゲでボリバン内へ戻す。12月28日-1月2日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、ボリバン下限を大きく下抜くが先週は長い下ヒゲを残した。12月10日週-17日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、10月-12月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限を下抜いている。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインがサポート。


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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取)

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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