野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

金融政策が出口に向かえば中期には円安になる

3/5(月)「金融政策が出口に向かえば中期には円安になる」
dai3aa.JPG

総括「貿易戦争開始でより注目が集まる今週の貿易収支」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「仮想通貨は金銭としては失敗」
ID為替「ロシアが新核兵器」
リスク「日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、トランプ大統領」
横浜湘南便り「日本大通り散策」

ドル円=103-108、ユーロ円=128-133 、ユーロドル=1.21-1.26

日経インデックス3月2日東京引け2月23日からの変化(2008年=100)円103.8強し、ドル121.1強し、ユーロ103.1強し、ドルインデックス NYBOT89.97強し、原油61.25弱し、金1323弱し、DOW24538弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け200.25弱し IMM円投機筋2月27日 円-96561(前週比+11687)、ユーロ+137977(前週比+11851)

1.(今週の予定)

5(月)豪 住宅建設許可 中 全人代 財新サービス業PMI トルコ 消費者物価指数 生産者物価指数 英 サービス業PMI ユーロ圏 小売売上
6(火)米 ISM非製造業景況指数 豪 経常収支 小売売上 RBA 政策金利 スイス 消費者物価指数 加 貿易収支 Ivey購買部協会指数 米 製造業受注
7(水)日 貿易統計 豪 GDP トルコ 政策金利 米 ADP民間雇用者数 貿易収支加 政策金利  ベージュブック
8(木)日 GDP(確報値) GDPデフレータ(確報値) 国際収支 豪 貿易収支  中 貿易収支 スイス 失業率  独 製造業受注 ECB理事会 加 住宅着工件数 米 新規失業保険 加 新築住宅価格
    住宅建設許可 メキシコ 消費者物価
9(金)中 生産者物価 消費者物価 日銀金融政策決定会合 独 鉱工業生産 貿易収支 経常収支 英 鉱工業生産 貿易収支 加 雇用統計  米 雇用統計

(来週の予定)

12(月)日 法人景気予測調査 
13(火)日 第3次産業活動指数 豪 住宅ローン貸出 NAB企業信頼感 米 消費者物価
14(水)日 日銀議事要旨 機械受注 NZ 経常収支 スウェーデン消費者物価 ユーロ圏 鉱工業生産 米 生産者物価 小売売上 企業在庫
15(木)NZ GDP トルコ 失業率 スウェーデン 失業率 スイス 政策金利 ノルウェー 政策金利 米 NY連銀製造業景況指数 輸入物価指数  新規失業保険 フィラデルフィア連銀製造業指数  NAHB住宅市場指数 対米証券投資
16(金)日 鉱工業生産・確報値 NZ 企業景況感(PMI) ユーロ圏 消費者物価・確報 米 建設許可件数 加 製造業出荷 国際証券取引高 米 鉱工業生産 設備稼働率  ミシガン大消費者信頼感
 
2.総括「金融政策が出口に向かえば中期には円安になる」

*円「通貨首位、株価13位、金融政策が出口に向かえば中期には円安になる」

 円は伝統的に強い。株価はいつもの世界的ショックのように、日経平均はショックの震源地の株価より下落してしまう日本の脆弱さがある。先週は黒田日銀総裁が「2019年ごろに物価目標達成なら出口を検討」と発言したことで円高が進んだ。日々のチャートではボリンジャーバンドの下限の105円前半まで下落し下げ止まった。3月、4月はそれほど需給で円買いが膨らまないが、先高観があるので新年度の輸出が前倒しされる可能性はある。伝統の「三歩進んで二歩下がる」円高のリズム貿易黒字が続く限り変わらない。ただ2月上旬も1月に続き貿易赤字になていることは気をつけたい。
 黒田総裁の出口示唆で円高が進んだがそれは一時的で相場の大きな流れとは関係がない。逆にマイナス金利導入時以降は円高が進んでいる。東日本大震災以降の円安が進んだのは金融緩和のせいだとされているが、そうではなく貿易が原油輸入の増大で赤字になったことによるものだ。事実 貿易黒字に転じた2016年からは金融緩和が続いているが円高に転じている。むしろ金融緩和は個人の可処分所得を減少させ輸入を減少させ貿易黒字を拡大し円高に繋がっていると思う。実際に金融政策が出口に向かえば円安になると思う。

*米ドル「通貨9位、株価(NYダウ)6位、貿易戦争開始でより注目が集まる今週の貿易収支」

 TPP撤退、NAFTA再交渉に続き、鉄鋼アルミの関税引き上げ、貿易戦争は始まっている。為替の需給はどうなるか。米国への鉄鋼輸出が減少するなら米国貿易赤字の縮小でドル買い。ただコストの高くなる米国自動車の輸出は伸びないだろう。他国が報復関税を課すなら米国輸出の減少で米国貿易赤字の拡大でドル安。いっそのこと関税をゼロにしてイチからやり直せばどうだろう。関税引き上げ交渉は複雑化して長引きそうだ。米国の基本方針は米大統領経済報告書にあるように、貿易赤字に強い不満を示し「為替レートでの調整が一つの重要な機能になる」と指摘していることだろう。
 減税やインフラ投資拡大での財政赤字拡大とパウエル新議長の利上げ示唆で米金利上昇し株価急落の場面は今後もあるだろう。大統領には相次ぐ側近辞任やイバンカ夫妻の国家機密へのアクセス問題も浮上している。
 中間選挙に向け、トランプ大統領も批判はあろうと貿易問題のように大胆な政策を打ち出し始めている。今週は話題の貿易収支も発表される。雇用統計もあるがやはり中長期トレンドを決めるのは貿易収支であり米国の赤字は減る気配がない。

*ユーロ「通貨6位 株価(独DAX)14位。弱ってもほどほど、貿易黒字が支える」

 対円では弱いが、対ドルでは立ち直りつつある。指標は弱くなり、物価も抑制されているが、膨大な貿易黒字が一方向のユーロ安は許さないだろう。
週末にはイタリア総選挙が行われるほか、ドイツの社会民主党(SPD)党員投票の結果が判明する見込みだ。 イタリア総選挙は、どの政党・政治勢力も単独で過半数議席を獲得できない、中ぶらりん議会(ハングパーラメント)状態に陥る可能性がある。ベルルスコーニ元首相率いる中道右派グループ連合が最大勢力に浮上し、新興政治組織「五つ星運動」は一党で最大規模となることが確実視されている。
ドイツでは、大連立合意の承認を求めるSPDの党員投票結果が判明する。メルケル首相4期目続投の可否を左右するとみられている。
ロイター調査では、ユーロ圏経済の勢いは既にピークに達したとの見方を示した。ユーロの上昇やインフレ率が少なくとも今後2年はECB目標を大きく下回るとの観測から、ユーロ圏経済の勢いは今後ある程度失速するとの見方が示された。ECB理事会では主要な政策の変更はないとみられる。ドラギ総裁はユーロ圏経済に内在するスラック(需給の緩み)は想定より大きい可能性があり、これにより物価上昇が遅れる可能性があると述べている。
 フランスのルメール財務相はECBの次期総裁人事について、副総裁がスペインから選ばれたからといってユーロ圏北部の国から選出されるとは限らないとの考えを示した。
次期副総裁には先月、スペインのデギンドス経済相の就任が決定。これを受けて、来年就任する次期総裁にはドイツ連銀のワイトマン総裁が選ばれるとの見方が強まっている。ルメール氏は、デギンドス氏の副総裁就任が「他の主要ポストの選択に予断を与えるものではない」と説明。フランスが候補者を出すのかとの質問には、駆け引きをするのはまだ早いと言及を避けた。

*英ポンド「通貨7位、株価は16位、利上げとEU離脱交渉が重荷」

 通貨はやや弱くなったが、株価は依然世界市場で最弱と低迷している。EU離脱交渉を懸念、またインフレが3%へ上昇し金融引き締めを危惧しているのだろう。通貨が弱いのは恒常的な貿易赤字。利上げ要因で一時的に上げても元に戻る。ポンド円がコツコツ上げてドスーンと下がるのはドル円と同じ背景から。
 メイ首相はEUに対して英国が離脱した後の関係を協議する際により柔軟な姿勢を示すように要求した。英国は厳しい現実を受け入れる準備ができているとする一方で、離脱した後も良い通商関係を結べることを信じていると主張した。英国とアイルランドとの国境問題については、EU加盟国のアイルランドと英領北アイルランドの間に厳格な国境を引くことを避ける方法を提案した。 
 英国はまた、EUと類似した金融規制を設けることで域内の金融市場へのアクセスを維持したい意向だが、こうした内容もEUが受け入れるかは不透明だ。

*人民元「通貨5位、株価8位、米中貿易戦争に大人の対応」

 通貨は弱からず、強からず。株価は年初来で2月初めの米株急落を受けて小幅マイナス圏だが、世界的な順位では16市場中8位でありまずまずだ。経済も世界が期待するような、必要以上に強いものとならないように操作している気がする。10年国債が4%以上に上昇した時は資金供給を続け3.9%前後に低下させている。株式市場にも規制を強化したり緩和したりを繰り返している。
 マイペースの中国。たださすがに米国の鉄鋼・アルミの関税引き上げには戸惑っているのだろう。中国商務省の王・貿易救済調査局長は、「多国間貿易体制を破壊する。実際に発動されれば報復する可能性も示唆した。先週は製造業PMIが悪化し景気減速を漂わせたが、今週は財新サービス業PMI、貿易収支、消費者物価など重要指標が発表される。全人代も開幕する。 

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨11位、株価9位、豪ドルは弱いが今週は豪ドル週間」

設備投資、住宅価格と弱い指標が続き、今週は豪ドル週間となる。政策金利、GDP、貿易収支、経常収支、小売売上、住宅建設許可など。先週は国内指標が弱かった上、最大貿易相手国の中国の製造業PMIも悪化、米国の鉄鋼・アルミ輸入制限も影響した。資源通貨はカナダドルも弱く年初来最弱であり、次いで豪ドルが弱い。南アランドは最強通貨から陥落した。インフレが抑制されているので政策金利は据え置きとなろう。豪ドルは弱いのでRBAは為替には満足だろう。4QGDPでは前年比では前期よりも低下する予想だ。

*NZドル「通貨8位、株価7位、米国輸入規制はNZのアルミニウム輸出に影響」

 昨年後半から貿易赤字が拡大している。1月も56.6億NZドルの赤字となった。同じく貿易赤字の米ドルよりはかろうじて強いが、対円では引き離され年初来4.2%安となっている。資本収支でも外資規制の強化など保護主義的な姿勢を打ち出したことは為替の需給悪化に繋がるだろう。他の経済指標はマチマチでANZ企業景況感や住宅建設許可は改善したが、フォンテラ社の乳製品オークションで価格は下落した。3月15日に発表予定の4Q・GDPは前年比で2.6%と悪くはない予想である。CPIは1.6%でインフレターゲットの1-3%の中間値より低下しているので当面政策金利は据え置きとなるだろう。
 NZの唯一の工業資源の輸出のアルミニウムだが米国の関税引き上げで打撃を受けるだろう。
ピータース外相が、中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」への協力を見直す考えを示したことで対中貿易関係の悪化が懸念される。

*南アランド「通貨4位、株価11位、最強通貨から4位へ陥落」 

 先週は通貨首位から陥落した。ズマ大統領退陣とラマポーザ新大統領への期待での南アランド上昇のリズムが狂った。ネネ次期財務相が、ギガバ財務相が先週発表した付加価値税(VAT)の税率引き上げなどを盛り込んだ予算計画について、同国の格下げを回避することにはつながらない可能性があるとの見解を示した、1月貿易収支は276億6000万ランドの赤字で、赤字額は予想の50億ランドを大きく上回り、単月としては10年強ぶりの高水準になった。輸出が22.6%減少、輸入は18.3%増加した。輸入が膨らんだ点は景気回復の表れなので、赤字拡大が南アフリカ経済にとって全面的にマイナスというわけではないと言われるが為替の需給はランド売りとなった。今後の注目は3月23日までに見直す予定のムーディーズの格付けとなる。
 今週は4Q・GDPの発表があるが前期比年率で3Qよりは減速する予想である

*トルコリラ「通貨10位、株価は5位、景気は過熱、通貨低迷」

依然景気は過熱通貨低迷している。円との金利差を相殺できない為替差損がある。景気は自他(IMF)ともに認めるように過熱している。ただ中銀はエルドアン大統領の圧力で利上げできない。通貨の弱い原因は恒常的な貿易赤字である。1月の貿易赤字は前年同月比の43.4億ドルの赤字から108.8%増の90.7億ドルとなった。また国際紛争、トラブルが絶え間なく起こる。トルコがシリア北部で続けるクルド人勢力に対する軍事作戦で、クルド人勢力の支援に入ったアサド政権側の民兵14人がトルコ軍による空爆で死亡したと人権団体が伝え、トルコ軍とアサド政権側の衝突が一段と激しくなることが懸念されている。
 年足は対円で3年連続陰線。今年も陰線スタート。今週は政策金利の決定とCPI、PPIの発表がある。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「ボリバン下限で小反発、1日‐2日下降ラインを上抜けるか」

日足、3月2日にはボリバン下限に達して小反発。1日‐2日、28日-1日の下降ラインが上値抵抗。2月16日-26日の上昇ラインを下抜く。5日線下向き。ボリバン下位。
週足、まだボリバン下限を下抜いている。2月5日週-26日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、17年9月-12月の上昇ラインを下抜く。16年11月-17年9月の上昇ラインも下抜く。17年1月-11月の下降ラインが上値抵抗。サポートはボリバン下限の102円半ば。
年足、12年-13年の上昇ラインを下抜く。15年‐16年の下降ラインに沿う。13年‐16年の上昇ラインも下抜く。今年は16年-17年の上昇ライン下抜いて始まる。

*ユーロドル=「ボリバン下限下抜きから反発」

日足、2月16日のボリバン上限越えの陰線から下落。ボリバン下限を一旦下抜いて反発。2月27日-28日の下降ラインを上抜いてボリバン中位へ。3月1日-2日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、12月18日週-1月8日週の上昇ラインを下抜くも、先週は下ヒゲで、2月12日週-19日週の下降ライン突破を狙う。11月6日週-12月18日週の上昇ラインがサポート。
月足、11月-12月の上昇ラインを下抜くも今月は陽線スタート。ボリバン上位。11年5月-18年1月の下降ラインが上値抵抗。17年4月-11月の上昇ラインがサポート。
年足、14年から3年連続陰線であったが、14年‐15年の下降ラインを上抜き17年は陽線。00年‐01年の上昇ラインがサポート。11年-14年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円=「ボリバン下限で下ヒゲ」

日足、 下落続けるも先週末は長い下ヒゲを残す。2月27日-28日の下降ラインを上抜く。  2月21日-27日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下位。5日線下向き。
週足、4週連続陰線でボリバン下限到達。2月12日週-19日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、08年7月-14年12月の下降ラインが上値抵抗。17年11月-12月の上昇ラインを下抜く。16年6月-17年4月の上昇ラインがサポート。
年足、15年から2年連続陰線の後、17年は漸く陽転。16年‐17年の上昇ラインがサポート。15年‐16年の下降ラインを上抜く。08年-15年の下降ラインが上値抵抗だが近い。

5.当局・円無常・需給「仮想通貨は金銭としては失敗」

 カーニー英中銀総裁は、仮想通貨について、金銭としては失敗しており、金融バブル形成の古典的な兆候を示していると指摘。規制当局者は消費者を保護し、違法行為を防止する必要があるとの見解を示した。「仮想通貨はせいぜい、限られた範囲で一部の人々にとってのみ金銭のように作動し、その場合にも、伝統的な通貨と並行的に使われるのみだ。短く言えば失敗している」と述べた。
総裁は2月にも、ビットコインは伝統的な基準に沿えば通貨としては失敗したとし、価値貯蔵手段としても、物品などの購入手段としても通用しないとの考えを示した。
 
6.ID為替「ロシアが新核兵器」

 プーチン大統領は、「世界中が射程に入る」とする巡航ミサイルなどを公表し、西側諸国が「新たな現実を考慮に入れなくてはならず、新兵器がこけおどしでないと理解しなくてはならない」と述べた。
 
7.リスク「日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、トランプ大統領」
------------------------------------------------
 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「日本大通り散策」

 明治の大火があり道路幅が広げられた通り。欧風で散策しやすいが距離は短い

 *dai4.JPG


dai222222.JPG

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

詳しくはこちら

ブログカレンダー

 

カテゴリー一覧

  • レポート
  • レポート(PDF形式)


業界最狭水準スプレッド

おいしく!ザクザク!夏祭りキャンペーン

お友達ご紹介キャンペーン

口座開設キャッシュバックキャンペーン