野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

「ナカネの基本  国際収支の象徴がナカネの取引」

「ナカネの基本  国際収支の象徴がナカネの取引」

*ナカネは当日物(東京、NYなど主要市場が休場の時は原則取引なし)
*月、金、ゴトビ、月末にドル買いがやや大きくなるのが一般的
*18日は官公庁の特殊送金があることもある(毎回ではない)
*下旬は輸出が増えやすい
*時々、M&A絡みなど大きな玉が出ることがある

*ドル円以外の公表相場は11頃に公表されるので クロス相場が11時に動くことがある

*3月末は決算で売り買い大玉が炸裂し乱高下する


*金額 ナカネ決定次点の9時55分では通常ならネットで2-3億ドル程度のドル不足=これが貿易黒字でも午前中はドルが下がらない要因
    多い時はネットで5億ドル以上のこともある

*ナカネは東京市場引けまで有効。午前はドル不足、後場はドル余剰になりやすい(理由は後述)

*ナカネは固定相場=9時55分に決定した相場を基に全通貨の顧客向け公表相場が決定される(全日有効、売買幅大きく、手数料も聴取されることもある)、ただドル円がナカネから1円以上動けば それ以降の10万ドル以上の取引は市場連動(時価)、 2円以上動けば、最初のナカネ相場の廃棄とともに新しい公表相場が決定される

*ナカネは各銀行が自由に決定できる ナカネ制度(すべての銀行が同じナカネ)は廃止されたが、おそらく多くの銀行が東京三菱UFJ銀行に横並びとなっている(日本人は意外と自由が嫌いで横並びを好む。
  また先物相場など面倒なところがあるので大手行に横並びすれば事務的にも効率的)

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*東京市場での需給のクセ

東京市場がオープンする頃には、「今日の仲値はどうだ」という声が聞こえる。不足300本とか、いや1000本以上だ、あるいは、稀に余剰の100本という数字も出てくる(1本というのは100万ドル)。  顧客の仲値相場を使った輸出や金利配当の受け取り、送金の受け取りなどのドル売りを余剰という。また、海外への送金、輸入の支払いなどのドル買いを不足と呼ぶ。その余剰と不足を合計したものが銀行のネット不足あるいはネット余剰の何本ということとなる。市場に出る仲値の不足(あるいは余剰)の数字は、大手銀行数行のネット不足(あるいは余剰)を合計したものだ。もちろん外銀や地銀にも不足はある。

  平均すれば日々の不足は200-300本だろう。500本を越えればドルの不足が多く感じられドルが上がることが多い。300本程度なら、ほぼ市場への影響はない。100本以下の不足、さらにドル余剰に転じればドルが下がることが多い。 日本は貿易黒字国なのに何故ドルの不足(ドル買い)が多いのかと、疑問を持たれる方もいるだろう。あくまでも、話題になる不足とは、午前9時55分時点での数字である。この1日の早い時間帯に為替取引を持ち込める参加者は前日から既に決まっている取引が多い。前日から決まっている取引とは、日本から海外への送金が多い。送金日まで決められているものも多い。一方輸出などのドル売りは、お金が入金されて漸くドルを売ることが出来るので、前日からドルを売ることを確定しにくい。海外からのドルの入金確認次第となるので、朝の仲値決定時間である9時55分に集中することなく1日中万遍なく出る。

 仲値を使ったドル買いは午前9時55分に集中し、輸出などのドル売りは1日を通じて出る。午前中はドルが底堅くなりがちなのは、そのような実需取引が背後にある。また商慣行で支払日に当てられるキリがいいゴトビ(5、10日)や休み明けの月曜、週末の金曜、月末にもドルの買いが増えやすい。ただ月末は決算上、輸出のドル売りも増えるので注意したい。ただそれも午前中よりは午後に出るものが多い。
(昔のように仲値の過不足を当局がヒアリングしているわけでもなく、また守秘義務もあり、数字をつかむことは現在不可能だが、午前中の取引の特徴としてご理解頂ければと思っている。)

  前日のNYのドル売りセンチメントを引き継いでドルを売っても下がらず悶々とする時があるが、この種の実需のドル買いが阻んでいることも多い。けっしてドルの売り手に戦いを挑んでいるわけでもない。戦う意思すらない実需の取引が投機筋にとって手ごわい。


(仲値でドルが上がる理由)

 為替を少し経験すると朝10時前後にドルが強含むことに気づく。(実際90%以上仲値決定時刻はドルの需要超となる。いわゆる外貨の不足状態―逆は余剰と言う)顧客向けの公表相場の決定する時間である。この時間のドル円相場の出合いを基にその日の対顧客相場が決定する。輸出入、外国送金、両替等々の何十種類の為替相場が決められる。日本の銀行の最も忙しい時間帯である。 銀行の窓口に行けば公表相場表というものが置いてある。 為替相場、先物相場、金利、米国ポステッドBAレートなどが考慮されて決定される。見るだけで為替相場の勉強となるのは間違いない。これを理解、説明できれば 為替の仕組みの勉強はひとまず終わりである。

 さて日本は経常黒字国なのに何故ドルがその仲値の時点で上昇するのだろう?
ドル(外貨)の買いは外国への支払い、売りは外国からの受け取りである。銀行用語では仕向け、被仕向けと言う。支払いは自らが行うもので期日も決まっている。だから前日から銀行に通知することが多い。受け取りは海外から送られてくるもので、必ず予定した日、時間に資金が送られてくるとは限らない。いつの時点で受け取るかは不確定である。
 朝の早い10時時点では自分が送金する金額はわかっても、受け取る金額は未確定なのである。 よって 公表相場を決める時点での為替相場はドル(外貨買い)が多くなる。
 銀行ではそれを不足(外貨の不足)と呼ぶ。 最近は報告していないようだが、以前は当局が、毎朝 本日の不足はとか、来週の需給予測(仲値の不足状況)を聞き取っていたのである。 当局はすべての為替相場の動向を把握しようとし、この数字などを基に需給を調査し介入金額も決定できるのである。また銀行のもっとも忙しい10時までは介入を控えることもあったようだ。 ただでさえ煩雑な銀行のポジション把握が大規模介入も入ればさらに混乱しよう。 介入は午前10時以降が多い。それ以前に介入ならかなりの決意だ。
話はそれたが確定していることの多いドルの買い玉は朝10時の時点で取引される。しかし その後入金が確認されると円に換えられる輸出代金の受け取りは10時以降に散発する。1日を通せば経常黒字国の名が示すようにドル(外貨売り)が増えることとなる。 買いは10時に一気に出て、売りは1日を通してゆっくり出る。

 従って、朝 8時から10時までの平均の値動きは日々5-10銭の上昇となる。 スプレッドや手数料を勘案すればそんなことがわかっても儲からないということだが、売るとさらに儲からないわけである。 もちろん いわゆる、5,10の倍数の日にはまた月末、期末、年末、年度末の仲値はドル需要が増える。企業にとって支払いはできるだけ遅らせることが資金効率をよくするのでそうなるのだろう。もちろん一日を通じればドルが下がることのほうが多いかもしれない。
 参考までに10時の不足で相場に影響がない本数は3億ドル程度、5億ドルを超えれば やや影響がでる。10億ドルを超えればかなり大きいと言えよう。 もちろんその後の輸出玉が相殺していくのだが、すべては東京市場では仲値のドル不足は相殺しきれない。(相場を真に動かすのはこのような買い切り、売り切り あるいは それに近い長期的なポジションであり、短期的に大きくはる投機筋ではない。)

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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