野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

円高に繋がるか12月貿易統計

 1/26(月)「円高に繋がるか12月貿易統計」

総括「円高に繋がるか12月貿易統計」 
その他通貨「世界的なデフレか。利上げ観測後退、現状維持観測は利下げへ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「基本は需給」
ID為替「GPIF期待は短期的」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「夕暮れの金目漁船」

ドル円=115-120 、ユーロ円=130-135 、ユーロドル=1.09-1.14

日経インデックス1月23日東京引け1月16日からの変化(2008年=100)円92.8弱し、ドル116.4強し、ユーロ94.5弱し、ドルインデックスINNYBOT95強し、CRB216.61弱し、原油45.59弱し、金1292.6強し、DOW17672.6強し、日経平均ドルベ-ス東京引け149.2強し、IMM円投機筋1月20日 円-77886(前週比+16739)、ユーロ-180730(前週比-12879)

1.(今週の予定)  

26(月)日 貿易統計 通常国会召集 日銀金融政策決定会合議事要旨 オーストラリア休場(オーストラリアデー) 独 IFO景況指数
27(火)日 企業向けサービス価格指数 中 工業企業利益 香港 貿易収支 英 GDP・速報値 米 耐久財受注 ケース・シラー住宅価格指数 新築住宅販    売件数 消費者信頼感指数 リッチモンド連銀製造業指数 スイス 貿易収支
28(水)豪 消費者物価 NZ 貿易収支 FOMC政策金利 
29(木)NZ 政策金利 住宅建設許可 日 商業販売統計 独 失業率 南ア 生産者物価指数 米 新規失業保険申請件数 南ア 政策金利
30(金)日 失業率 有効求人倍率 家計調査 消費者物価指数 鉱工業生産 自動車生産、住宅着工戸数 ノルウェー 失業率 南ア 貿易収支 米 GDP・速報 雇用コスト指数 シカゴ購買部協会景気指数 ミシガン大消費者信頼感指数・確報値 ユーロ圏 失業率 加 GDP

(来週の予定)

1(日)中 製造業PMI 非製造業PMI
2(月)メキシコ休場(憲法記念日)、中 HSBC製造業PMI 確報 香港 小売売上 スイス PMI製造業 伊 PMI製造業 独 PMI製造業・速報 英 PMI製造業 米 個人所得 個人支出 米 ISM製造業景況指数
3(火)日 マネタリーベース 豪 貿易収支 住宅建設許可 RBA 政策金利 スイス 貿易収支 トルコ 消費者物価指数 英 PMI建設 業 ユーロ圏 生産者物価指数
4(水) NZ 失業率 伊 PMIサービス業 独 PMIサービス業 ユーロ圏 PMIサービス業・確報 英 PMIサービス業 ユーロ圏 小売売  米 ADP全国雇用者数 ISM非製造業景況指数
5(木)豪 小売売上 BOE政策金利発表 米 新規失業保険申請件数 非農業部門労働生産性 単位労働費用 貿易収支
6(金)日 景気動向指数・速報 NZ休場(ワイタンギデー) 独 鉱工業生産 スイス 小売売上 スウェーデン 失業率 英 貿易収支
  加 雇用統計 米 雇用統計
8(日)中 貿易収支

2.総括 主要通貨「円高に繋がるか12月貿易統計」

 1月はここまでほぼ円高推移している。無制限なスイス売り介入を放棄したスイスフランはさておき、それ以外の通貨に対しては円は強い。ドルに対しては小幅円高だが、クロス円においては強含み推移している。ユーロは量的緩和やギリシャ政局不安、ポンドは利上げ観測後退やEU離脱問題、産油国のカナダは原油価格下落で輸出の減少、他の資源国も原油価格下落でのインフレ低下でゼロ金利解除観測のある対ドルで弱い。

 円も原油価格の下落でインフレ上昇の勢いが失われているが、日銀は追緩和を見送っている。また黒田日銀総裁もダボスで「輸出の現状を考慮すると、必ずしもこれ以上の円安が必要ということを意味していない」と発言していることもあり円安のセンチメントを減退させている。最も重要な貿易需給では、昨年10月、11月と赤字幅が減少している。原油価格の下落で原油輸入額が減少しているからだ。

 円安を支えてきたのは2011年の原発稼働禁止による原油輸入急増によるものであったが、それが原油価格下落となると輸入金額が減少する。また政府は原発再稼働も計画しており、実現されるとさらに貿易赤字は縮小し、再び貿易黒字になる可能性も出てくる。貿易黒字になれば円高となり再び円高デフレ不況の悪夢も蘇るだろう。
 従って1月26日(月)に発表される12月貿易統計を注目している。前年同月は1.307兆円の赤字であるが、予想は赤字が43.7%減の7352億円の赤字となっている。
 今週は月末週であるが、外貨投信の設定はそれほど多くない。証券会社も投資勧誘は日本株に集中しているのだろうか、その割には日本株にも勢いがない。個人に投資可処分所得があるかどうかは円安が持続するセンチメントがなくてはいけないがそれは2年前は強かったが昨年から弱くなっている。特にクロス円が弱い。貿易や資本投資でもドルが半分、他通貨が半分なのでクロス円の円高で外貨投資マインドは揺らいでいるし資産減少となる。また今週は後場に散発する月末の輸出も出るので気をつけたい。

(表は最近の貿易統計と原油輸入量の推移)




貿易統計     
10億円2010年2011年2012年2013年2014年
1月43-497-1491-1633-2795
2月63863726-773-805
3月932171-82-357-1446
4月729-478-518-877-812
5月309-861-908-991-909
6月6716456-181-822
7月78570-529-1032-964
8月64-777-768-971-952
9月774289-568-943-961
10月813-283-556-1100-710
11月158-691-957-1301-892
12月720-208-646-1307予-735
      
6636-2564-6941-11466-12068



輸入平成鉱物性うち貿易輸出輸入WTI
兆円 燃料原油収支  年間平均
2000年12年8511524125
2001年13年957494226
2002年14年8510524226
2003年15年9510554431
2004年16年11612614941
2005年17年1599665756
2006年18年19128756766
2007年19年201311847372
2008年20年281628179100
2009年21年1483545162
2010年22年1797676179
2011年23年2211-3666895
2012年24年2412-7647194
2013年25年2714-11708198
2014年26年      
2015年27年      
        
        
14年上半期 147    


3.「世界的なデフレか。利上げ観測後退、現状維持観測は利下げへ」

 先週、NZの4Q・CPIはインフレターゲットの下限の1%を下回る0.8%となった。インフレターゲット上限を越えて6%以上の高インフレに悩んでいた南アフリカは4か月連続でターゲット内で落ち着いてきた。昨年利上げ観測のあった英国も前回は利上げ派の2人も現状維持派に転換している。7%の高成長の中国はCPIが1%台で年内追加利下げ観測がある。豪も中銀は金融政策の現状維持を示唆しているが民間調査機関は今年2回の利下げを予想している機関も出てきた。欧州は量的緩和を行った。唯一ゼロ金利解除観測の強い米国も昨年年末からの経済指標は昨年ほど強くはない。企業決算も一頃のことごとく市場予想を上回る勢いもない。CPIも目標の2%どころか1%を割り込んでいる。CRBも低下傾向が続く。

 大きな原因は原油価格の下落があるが、やはり成熟社会での需要減少が先進国にはある。金融緩和だけでその傾向を覆すのは難しい。日本を見ればよくわかる。

 金融緩和はここ2年は日本が一番注目されていたが、今年は日本以外が注目される。そうなれば当該国の通貨が売られる。米国以外ならクロス円の下落となり、結果としてドル円の頭も重くなる。
 例年は1-3月は晩秋同様に輸出が減少、輸入が増加する季節であるがそれでも円高傾向にあるということは輸出が活発化する4月以降も心配だ。

 米国は今週FOMCがある。米国も手放しで喜べる景気指標、インフレ指標でないだけに、少しでもその当たりを考慮する姿勢が見られるとドルは売られるだろう。週末は4Q・GDP速報がある。
 中国は先週株価は1日で7.7%を急落した日があったが、1週間でほぼ取り戻した。急落の理由が信用取引の行きすぎを是正するものであり正しい政策と見られたからだ。市場では依然景気対策期待や金融緩和期待が強い。
ギリシャを含めた国債買い取りを決定した欧州は、週末にギリシャ総選挙がある。緊縮政策の緩和を求める最大野党・急進左派連合(SYRIZA)が政権を握ってもユーロは離脱しないが、EU・IMFからの支援と緊縮策の大きな修正を求め、それに対する混乱も起きよう。ただギリシャ株式市場は選挙前でも大きな混乱を見せておらず年初来プラス圏を維持し意外と市場は落ち着いている。独のIFO景況感指数の発表がある。

 英国は4Q・GDPを発表する。3Qとほぼ変わらぬ予想で弱くはない。
 豪は今後の金融緩和に繋がるかもしれない4Q・CPIの発表がある。インフレターゲットは2-3%だが予想は下限を下回る1.8%。NZや南アは先週低下した4Q・CPIを受けて政策金利決定があるが、両国ともに利上げ観測が遠のいて現状維持となろう。両国ともに昨年は将来の利上げを示唆していた。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=他のクロス円ほど下落していないが、1月はここまで小幅安、約1.7%下落。12月からボリバンを規則正しく往復しているが、やや頭が重い。1月14日-16日のボリバン下限下抜きから反発しているが、ボリバン半ばで小康。12月8日-1月2日の下降ラインが上値抵抗だが、その前に一目の雲の上に出ることが出来ない。1月16日-20日の上昇ラインを下抜いている。5日線はまだ上向き。1月16日-23日の上昇ラインがサポート。それを下抜けるとボリバン下限の116.40がサポート(上限は121あたり)。週足は1月5日週-12日週の下降ラインを上抜けることが出来るか。10月13日週-20日週の上昇ラインは下抜いている。月足は6連続陽線であったが、今月はここまで陰線。11月-12月、10月-11月の上昇ラインを下抜いている。8月-9月の上昇ラインがサポート。年足は2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿い3年連続陽線だが13年-14年の上昇ラインは下抜きそうだ。

*ユーロドル=ECB量的緩和で素直に下げている。ギリシャ選挙も控えているからだろう。1月21日の上ヒゲも効いて下げた。相変わらず弱く、今年はまだ陽線となった日が4日しかない。1月5日に下窓を開けたままである。1月15日-16日の下降ライが急なのでこれは上抜けてそのままサポートラインに変わった。12月16日-31日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限に張り付いたままである。5日線下向き。週足は6週連続陰線、上値抵抗のトレンドラインが多く引ける。下ヒゲなどの上昇の兆しがまだない。月足は6連続陰線。今月もここまで陰線。ボリバン下限を大きく下抜き。年足は昨年12年-13年の上昇ラインを下抜いてから弱い。

*ユーロ円=今年はまだ陽線は4回だけ。それほど弱いユーロ円。1月19日-20日の上昇ラインを下抜き、1月22日-23日の急な下降ラインに沿っている。ボリバン下限の拡大に沿って下落、5日線下向き。下値は1月6日-15日の安値を結んだ下降ラインがサポート。週足は12月8日週のボリバン上限上抜きから下落し下限に達す。4週連続陰線。10月13日週-20日週の上昇ラインは下抜いている。12月29日週-1月5日週の下降ラインに沿う。月足は3カ月連続陽線でボリバン上限へ達した後、10月-11月の上昇ラインを下抜き下落。年足は08年-10年の下降ラインを上抜けたが、13年-14年、12年-13年の上昇ラインを下抜いている。

5.当局・円無常・需給「基本は需給」

 中期的な相場は貿易需給を基本に動く。超短期では季節的に増減する輸出入の為替取引量に注意しつつ、チャート、ニュース、注文状況、当局の動きを見ながらやりたい。すべての需給が見えれば相場の流れを掴むのは簡単だが、個人はすべて見えるわけでもないので、チャート、注文状況で需給のヒントをつかむのもいい。センチメントはニュースなどの報道も手助けしてくれる。あた当局の動きはオーソドックでゆっくりであるが、ファンダメンタルズや需給に沿ったものとなる。

6.ID為替「GPIF期待は短期的」

 GPIFの運用を見ていると新規マネーが殆ど入ってきていない。おそらく年金支払いの為に流出しているのだろう。国債投資から、日本株、外債・外株投資の比率が高まりそれはもちろん株高・円安要因だがその配分が終了してしまえば、新規のマネーの流入はなく、自ら動くことはなくなり他力本願的に相場上昇を祈るだけの投資となってしまう。原発稼働禁止という稀な出来事での貿易赤字化、円安で資産はGPIFのみならず日本の機関投資家から個人投資家まで潤ったが、持続的nものではない。GPIF期待は限定的。配分修正終了後は期待しすぎに気をつけたい。

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「夕暮れの金目漁船」

 夕暮の金目漁船@東伊豆町稲取港
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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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