野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

2015年主要通貨見通し

1/5(月)「2015年主要通貨見通し」

*前回は資源国通貨見通しを書きましたが今回は主要国通貨見通しです

 多くの国が通貨安を望む中で、米国景気堅調に伴うドル高と世界的な低インフレは米国以外の国にとって好ましい。G-20などの国際会議でも通貨は不満は出ず大きな議論とならない。
日本にとっても円安はデフレ状況から脱する必要条件でもある。円安傾向は続くが、いつものように季節的な円相場のリズム(年度上半期の円高、年度下半期の円安)にも気をつけたい。
まだ日本は大きな貿易赤字があり円安を支えているが、原油価格下落が続けば赤字縮小で円安傾向が抑制される場面はある。ただ円高になれば再びデフレ不況に陥る可能性も出てくるので、金融・財政政策で対応が必要だ。貿易赤字以外にも財政問題、14年2Q、3Qとマイナス成長にもなった低成長問題が円の高値を限定していく。 

1.「米国」

緩やかな成長続く(個人消費、設備投資中心)。米国内部に大きな弱点なし、海外景気減速の影響如何。

(政策金利)0%から0.25%、ゼロ金利は15年半ばまで維持、QE3は既に終了、出口戦略へ慎重な行動、発言が続こう
  FRB2つの使命のうち雇用安定は改善中、物価安定は原油安で低下
  「忍耐強く、相当な期間ゼロ金利」を維持、原油安ならゼロ金利維持が長引くだろう

(経常収支)14年-4004億ドル、15年-3878億ドル
(貿易収支)14年-7377億ドル、15年‐7300億ドル 依然赤字は大きいのでドル売り要因となる
 
(インフレターゲット)2%
(失業率)14年6.2%、15年5.7%、労働の質の改善あるか(賃金、参加率、正規雇用数)
(CPI14年1.7%、15年見通し1.6% 原油価格が影響
(GDP)14年2.3%、15年見通し2.8%
(財政)14年 はGDP-6.7%

(その他)3月政府債務上限問題(政治のねじれ)、賃金の伸びは小さい、原油安での内需拡大期待
 貿易収支改善、シェールガス革命、但しまだ膨大な赤字、世界経済減速での輸出減少に注意
 
(予想)慎重な出口戦略と原油安で景気回復、個人消費堅調
 企業収益と輸出はまずまず、住宅が低調
 ドル高懸念は強くない
 他国の成長あればドル高の進展は和らぐ
    3月に政府債務上限問題で一波乱あるだろう
 
    ドル円、100-125、ユーロドル1.10-1.30か

2.「日本」

 景気回復にもたつき、法人減税、3.5兆円景気対策が効果でるか
 14年、2Q、3Qと連続マイナス成長
 3月までは年度下半期の季節的円売りでドル円も底堅いが、125円に近付くと、円安批判も出てくる。また原油価格下落で輸入が減少、貿 易赤字が縮小
 する時期が上半期(4月‐9月)と合わされば円高局面もある。15年下半期は再び円安基調に戻るが過去2年ほどの円安の勢いはない。
 需給面以外では財政状況の改善がなければ再び格下げの波に襲われる可能性もある

(政策金利)0%
 日銀は14年10月に追加緩和実施。国債残高の半分を日銀が保有
(経常収支) 14年4.5兆円、15年6.5兆円
(貿易収支) 14年-12兆円、15年-9兆円
(インフレターゲット)2%
(失業率)14年3.5%、15年3.3%
(CPI) 14年3.0%、15年0.8%
(GDP)14年1.6%、15年1.1%
(財政)累積ではGDPの231.9%の赤字、

(その他)2四半期連続GDPマイナス成長
 個人消費もたつき、消費増税で、賃上げなるか
 企業収益は回復、労働ひっ迫感あり
 法人減税、景気対策3.5兆円
 輸出持ち直し、世界経済持ち直しと円安
 住宅投資減少長引く
 CPI=消費増税除けば1%以下に
 格下げ懸念あり
 日本の資産増加が成長に結びつかない

(予想)貿易赤字基調は続くも、消費増税や他の国民負担増加で
 投資意欲が抑制される、株価対策の継続あるか
 原油安で貿易赤字が縮小する可能性あり
 
 1ドル100-125円

3.「ユーロ圏」

 ロシア景気減速の影響でユーロ弱含むが、これまでの緩和が下支えする。ECBの国債買い入れがいつ開始するかが焦点
 
(政策金利)0.05%
 ECB=14年9月TLTRO、10月カバードボンド、11月ABS買い入れ実施
 ECBは国債買い入れを示唆している

(経常収支)14年2437億ユーロ、15年2300億ユーロ
(貿易収支)14年 1900億ユーロ 15年1800億ユーロ
(インフレターゲット)2%前後
(失業率)14年11.5%、15年11.5%
(CPI) 14年0.5%、15年0.7%
(GDP) 14年0.8%、15年0.6%
 
(その他)デフレリスク、ECBの国債買い入れは?
 ロシア経済の減速の影響(ドイツが一番ロシアとの結びつきが強い)
 ギリシャ政局(野党政権成立時の混乱あり)、イタリア景気後退と格下げ問題
 個人消費と輸出伸びるも設備投資が弱い
 不良債権比率はまだ高い

(予想)ロシア経済の減速で欧州の低成長も続くが
 これまでの金融緩和もありリセッションとはならない
 膨大な貿易黒字もありユーロはジリ安はあっても急落もない。ロシア問題が進展すれば急反発もある
  
 対円130-155、対ドル1.10-1.30
  
4.「英国」

  景気拡大中、インフレ低下も個人消費は強い。総選挙とEU離脱問題が焦点

(政策金利)0.5%
 インフレ見通しは下方修正

(経常収支) 14年-928億ポンド、15年-862億ポンド
(貿易収支) 14年-1100億ポンド、15年-1000億ポンド
(インフレターゲット)2.0%
(失業率) 14年3%、15年2%半ば
(CPI) 14年1.5%、15年1.3%
(GDP) 14年2.9%、15年2.4%

(その他)比較的堅調な経済成長
 個人消費の堅調さ、住宅は過熱が沈静
 雇用増加
 大陸経済の減速で輸出は減少(輸出の半分がEU向け)
 5月総選挙とEU離脱問題
 
(予想)ロシア経済の減速の影響は欧州大陸と比べると軽微
 欧州大陸状況変化なければ対ユーロでポンドが強含む
 5月の総選挙で与党勝利、ユーロ圏離脱となれば波乱あり
 
 対円160-195、対ドル1.40-1.65
 
5.「中国」

 構造調整優先から、景気拡大策も打ち出す。「新常態」へ。

(政策金利)14年11月貸出金利5.6%、預金金利2.75%へ
  穏健な金融政策を維持 物価低下すれば追加利下げ予想あり

(経常収支)14年2483億ドル、15年2213億ドル
(貿易収支)13年2400億ドル、14年2500億ドル
(インフレターゲット)3%程度
(CPI)14年2.1%、15年2.2%
(GDP) 14年7.3%、15年6.9%
(財政赤字)15年GDPの3%、14年は2.1%

(その他)不動産市場減速、信用抑制
 自由貿易区の拡大
 融資規制、関税緩和策
 シルクロード基金創設(400億ドル)
 貿易額は2014年に世界一となった
 アジア経済圏(一路一帯政策、東南アジアへ積極振興策)
 中央工作会議ではマクロ経済政策の一貫性と安定の維持。積極的な財政政策
 と穏健な金融政策継続、新型の工業化、IT化、都市化、農業の現代化
 14年上海株は50%上昇
 「新常態」=持続的な成長、高度成長から中高速成長へ

(予想)膨大な貿易黒字を背景に人民元はジリ高推移
    日本以外の世界の主要国は中国巨大市場へ積極的な取り組みを続けている

 対円15-25


 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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