野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

2015年は円安のさらなるスピード調整があるか、日本の貿易赤字が縮小するか

 1/5(月)「2015年は円安のさらなるスピード調整があるか、日本の貿易赤字が縮小するか」

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総括「15年は円安のさらなるスピード調整があるか、日本の貿易赤字が縮小するか」  
その他通貨「資源国通貨見通し」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」 
当局・円無常・需給「2014年通貨番付」 
ID為替「今週の講演、決算、外貨投信」 
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」 
横浜湘南便り「横浜パノラマ」
 
ドル円=118-123 、ユーロ円=142-147 、ユーロドル=1.17-1.22
 
日経インデックス12月30日東京引け12月12日からの変化(2008年=100)円90.2弱し、ドル113.8強し、ユーロ99.4弱し、ドルインデックスINNYBOT91.15強し、CRB228.41弱し、原油52.69弱し、金1186.2弱し、DOW17832.99強し、日経平均ドルベ-ス東京引け145.05弱し、IMM円投機筋12月23日 円-93742(前週比-6815)、ユーロ-146604(前週比-19949)
 
1.(今週の予定) 
 
5(月)トルコ 消費者物価指数 スイス PMI製造業 英 PMI建設業 独 消費者物価指数
6(火)日 マネタリーベース 豪 貿易収支 伊 PMIサービス業 英 PMIサービス業 米 ISM非製造業景況指数
7(水)独 雇用統計 ユーロ圏 消費者物価指数 失業率 米 ADP全国雇用者数 貿易収支 FOMC議事録(12月16・17日分)
8(木)豪 住宅建設許可件数 ユーロ圏 生産者物価指数 小売売上 BOE政策金利 米 新規失業保険申請件数 メキシコ 消費者物価指数
9(金)NZ 住宅建設許可 日 景気動向指数 豪 小売売上 中 消費者物価指数 生産者物価指数 貿易統計 スイス 失業率 独 鉱工業生産 国際収支 スイス 消費者物価指数 ノルウェー消費者物価指数 英 貿易収支 鉱工業生産 加 住宅着工 雇用統計 米 雇用統計 
 
 (来週の予定)
 
12(月) 東京休場(成人の日) スウェーデン 失業率
13(火)日 国際収支 スウェーデン 消費者物価指数 英 消費者物価指数 生産者物価指数
14(水)仏 消費者物価指数 ユーロ圏 鉱工業生産 南ア 小売売上 米 小売売上
15(木)日 機械受注 豪 雇用統計 トルコ 失業率 ユーロ圏 貿易収支 米 新規失業保険申請件数 生産者物価指数
    ニューヨーク連銀製造業景気指数 フィラデルフィア連銀景況指数
16(金)スイス 小売売上 米 消費者物価指数 鉱工業生産 ミシガン大消費者信頼感指数 対米証券投資 
 
2.総括 主要通貨「15年はさらに円安のスピード調整があるか、日本の貿易赤字が縮小するか」
 
 2015年を語るに2013年、2014年を振り返った。アベノミクスというより東日本大震災をきっかけとした原油輸入の急増による日本の貿易赤字化で円安が進んだ。ただ13年と14年の円安は少し違う。13年は欧州通貨が米ドルより強く、円安を加速したところがあるが、14年はドル全面高であり円安だが欧州通貨や資源通貨も安く、13年ほどの円全面安とはならなかった。
 13年は欧州通貨と米ドル,NZドルは円に対して20%以上も強かったが、14年は米ドル独歩高の影響が強かった。13年の米ドルは円対し21.36高に対し、14年は13.77%高に留まった。またその他の通貨(除く人民元)は円に対して一桁台の伸び率(円安)に終わった。5%以下の強さの通貨も多かった。
 
 14年の日本の貿易赤字は13年の11.5兆円を越える12兆円台になると思われる(1月26日発表予定)が、2014年後半は輸出の伸びが輸入の伸びを上回ってきており、10月、11月は前年同月比30%超、貿易赤字が縮小している。輸出では円安の、輸入では原油安の影響が徐々に出ている。また消費増税による消費の落ち込みも輸入を減少させている。まだ消費増税は続き、原油価格も代替エネルギーの開発や世界経済の低成長で下落すれば、日本の貿易赤字の縮小は続くかもしれない。そうなれば円安のスピードはさらに落ち込み、季節的に円買いが増加する年度上半期は円高への振れ幅が大きくなってくることもあろう。
 
 ただ円高になっても日本とアジア諸国の賃金格差は容易には縮まらず海外に進出した本邦企業が日本に戻っての貿易黒字化は難しいだろう。また円高になれば、元の円高デフレ不況の戻ることは明白であり、政府は手を打たなければならなくなる。円安・株高で急増した資産残高が激減してしまえば税収も激減してしまう。
 日本からの要因としては、対米ドルでは底堅い場面があってもクロス円ではやや円高になるのでないだろうか。クロス円が円高に行けばドル円の足を引っ張ることももちろんある。
 
 米国経済は15年も3%程度の成長の予想であり、ゼロ金利も15年半ばごろに終了する見方があるが、原油安の影響でインフレ率が2%から遠ざかれば、その終了時期は遅れるだろう。先週発表された12月消費者信頼感指数、失業保険申請者数、シカゴPMI、ISM製造業指数と予割ったのが気になる。また米長期金利は引き続き低下している。3月にはやや定例化した行事となった債務上限問題があるのも心配だ。ただ米ドルを売るとなれば他に断定的に買う通貨も見当たらない。調整での円買いとなるか、比較的ファンダメンタルズの良いNZドルあたりが買われるか(NZ中銀は介入を実施するほどNZドル高を懸念しているが)。
 
 欧州は15年早々にECBドラギ総裁が「物価安定の責務を果たせないリスクが半年前に比べて高まっている。必要であれば今年初めに行動する用意がある。ユーロ圏の景気回復はぜい弱でまだら模様であり、政府が必要な改革を進め、税負担を減らし、官僚的な手続きを改める必要がある。デフレのリスクは限定的だが、あまりにも長期にわたって過度の低インフレが続き、インフレ期待の後退と支出の延期を招けば、ECBは責務を果たすために行動しなければならない。国債買い入れが責務を果たすための手段の1つになる」など発言した。これに経済制裁を受けているロシア経済の減速やギリシャ政局が加わりセンチメントは弱く、膨大な貿易黒字でのユーロ買いに勝っているのが現状だろう。 ただボリジャーバンドを大きく下抜いている時などの行きすぎの時は欧州輸出企業の買いが入るはずであるので冷静に対処したい。
 
 英国は景気拡大中であり、インフレ低下も個人消費は強い。ユーロが弱い分、対価として買われるだろう。焦点は5月の総選挙で保守党が勝利すればU離脱問題がさらに議論され国民投票がある可能性も出てくる。
 
 今週の焦点は米 雇用、FOMC議事録、英 政策金利 中国 CPI 貿易収支 欧州 CPI、雇用、豪 貿易 住宅 小売などである。 
 
3.その他通貨「資源国通貨見通し」
 
 「豪」
 
 資源価格低下で15年は2%成長へ下方修正
 
(政策金利)2.5%、現在の金融緩和が適切、豪ドルは歴史的に高い、民間調査機関は利下げ予想
 ケントRBA総裁補は介入を排除せず
(経常収支)14年-482億豪ドル、15年-363億豪ドル
(貿易収支)14年-90億豪ドル、15年‐100億豪ドル
(インフレターゲット)2%から3%
(失業率)14年6%、15年6.2%
米自動車大手、トヨタの工場撤退、カンタス航空が人員削減と悪材料多い
雇用は改善しつつもパートの増加中心
(CPI)14年2.6%、15年2.4%
(GDP)14年2.7%、15年2.3%
(財政) 黒字化遅れる(労働党と保守党で責任のなすりつけがある)
(その他)資源ブーム終えんを住宅投資、個人消費で補う
炭素税廃止、ただ財政は緊縮
最大貿易相手国の中国景気に左右される
米国金融緩和終了は豪ドル安に繋がる
格付けはAAAを維持
豪の銀行の自己資本比率上昇を目指す
 
(予想)資源価格下落での景気減速を個人消費や住宅投資で相殺
できるかどうか。
    財政の良好さと相対的に高金利で海外から資金流入は続く
対円85-110、対ドル0.7-0.95
 
「NZ」
 
 震災復興、住宅投資で景気強い、乳製品価格下落が足かせ
 
(政策金利)14年は2.5%から3.5%まで利上げ
 住宅投資過熱続けば中銀は再度の利上げを示唆
(経常収支)14年-5億NZ、15年‐10億NZ
(貿易収支)14年‐10億NZ、15年-15億NZ
(インフレターゲット)1%から3%、現在1%前半で落ち着いているが住宅高騰が問題
(CPI)14年1.2%、15年1.3%
(失業率)14年5.5%、15年5.2%
(GDP)14年3.3%、15年3.4%
 
(財政)14年度は5.72億の赤字(当初は黒字予想)、乳製品価格の下落やインフレ低下で
財政黒字化遅れる。
 
(その他)住宅投資過熱
雇用にひっ迫感あり
乳製品価格下落も14年末は下げ止まり
移民の増加も景気回復の一因
    格下げ示唆あり(ムーディーズ、経常赤字の不安より)
 
(介入)2012年12月、2013年4月、2014年8月に実弾でNZドル売り介入実施
介入金額は数億NZドルで日本と比べると小さいがアナウンスメント効果を狙う
 
(予想)中銀は利上げ示唆しつつもNZドル高は懸念
    財政の良好さと相対的に高金利で海外から資金流入は続く
対円80-100、対ドル0.65-0.85
 
「南ア」
 
 長期鉱山スト終了も資源価格安、電力不足で景気は停滞
 
(政策金利)5.5%、14年は景気減速とインフレ高騰のジレンマがあるが利上げに踏み切った
 ランド安をインフレ上昇の要因としている  新中銀総裁はタカ派
(経常収支)14年-8000億ランド、15年‐9000億ランド
(貿易収支)14年-1155億ランド、15年‐1200億ランド
(インフレターゲット) 3%から6%
(失業率)25%前後という高い水準で推移
(CPI)14年6.2%、15年5.8%
(GDP)14年1.0%、15年2.0%
(財政収支)GDPの5%程度の赤字
 
(その他)新興国としては低い成長である
ズマ大統領にリーダシップなく、混乱も予想される
治安悪化は改善しない
14年は格下げ
QE3縮小の影響はかなり織り込まれている
 
 
(予想)インフレ懸念強く、これ以上のランド安は避けたいところ
一時的な下げ要因は格下げ、資源価格の下落は景気減速へ
相対的に高金利で海外から資金流入は続く
 
対円8.5-11.5
 
4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
 
*ドル円=12月8日(月)にカブセ線が出て、12月16日にボリバン下限を下抜いて反転、12月23日にボリバン上限近くまで上昇した。
ニュースはいろいろあれどボリバンをきっちり守っている。5日線上向き。12月30日-31日の下降ラインを上抜き、12月30日-31日の上昇ラインに沿う。12月8日-29日の下降ラインが上値抵抗。10月15日-12月16日の上昇ラインが下値支持。週足は新値8手で売られるもその後3連続陽線。12月15日週-22日週の上昇ラインは下抜くも、12月8日週-22日週の下降ラインは上抜いている。月足は6連続陽線。ボリバン上限越え。年足は2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿い3年連続陽線。
 
*ユーロドル=12月16日に長い上ヒゲを出し、12月8日-9日の上昇ラインを下抜いてから弱い。ボリバン上限から下限に達し、下限を下抜くことなく下限に沿って下落している。12月16日-17日の下降ラインは一旦上抜くも、12月24日-25日の上昇ラインを下抜いて下落。12月29日-30日の下降ラインに沿う。12月16日-17日の下降ラインがサポートとなる。5日線下向き。週足は3週連続陰線、上値抵抗のトレンドラインが多く引ける。下ヒゲなどの上昇の兆しがまだない。月足は6連続陰線。ボリバン下限下抜き。年足は昨年12年-13年の上昇ラインを下抜いてから弱い。
 
*ユーロ円=12月16日のボリバン下抜けからの12月16日-17日の上昇ラインを下抜いてから再び下落しボリバン下限。12月29日-30日の下降ラインに沿う。5日線下向き。12月8日-12月29日の下降ラインも上値抵抗。週足は12月8日週のボリバン上限上抜きから下落中。10月13日週-20日週の上昇ラインを下抜きそうだ。月足は3カ月連続陽線でボリバン上限へ達した後、10月-11月の上昇ラインを下抜く。今月は寄り引き同時。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、まだ12年-13年の上昇ラインに沿っている。
 
5.当局・円無常・需給「2014年通貨番付」
 
 1位 米ドル、2位 人民元 3位 NZドル 4位 ポンド  5位 トルコ 6位 豪ドル 
 7位 カナダ 8位 ランド 9位 スイス 10位 ユーロ 11位 円
 
6.ID為替「今週の講演、決算、外貨投信」
 
 年初なので多くはない
 
講演=5(月)コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁
決算=6(火)良品計画、ファミリーM、7(水)ABCマート モンサント、8(木)ユニー、ファストリ、9(金)ローソン、セブン&アイ、オンワード、イオン、吉野家HD
外貨投信=9(金)三菱UFJ投信 世界金融ハイインカム
 
証券

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」 
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 
 
8.横浜湘南便り「横浜パノラマ」
 
 横浜を見廻しました
 
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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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