野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

秋の円安に若干調整しても月末は投信期待

    11/10(月)「秋の円安に若干調整しても月末は投信期待」

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総括「秋の円安に若干調整しても月末は投信期待」 
その他通貨「資源国通貨、引き続き対ドルで下落、対円で上昇か」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「10月中国貿易統計、輸出は予想を上回る、輸入は下回る」
ID為替「主要国の中国への貿易依存度。FXでも取引増大へ」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「横浜スタジアムの秋」

ドル円=112-117、ユーロ円=140-145、ユーロドル=1.22-1.27

日経インデックス11月7日東京引け10月31日からの変化(2008年=100)円92.1弱し、ドル109.7強し、ユーロ95.5強し、ドルインデックスINNYBOT87.57強し、CRB271.96強し、原油78.65弱し、金1178.31強し、DOW17573.93強し、日経平均ドルベ-ス東京引け146.30弱し、IMM円投機筋11月4日 円-71651(前週比-4252)、ユーロ-179021(前週比-13314)

1.(今週の予定) 

9日(日)安倍首相が中国、ミャンマー、豪を歴訪
10(月)中 消費者物価指数 生産者物価指数 ノルウェー 消費者物価指数 加 住宅着工件数
11(火)APEC首脳会議 日 国際収支 貿易統計 企業倒産、消費動向調査、景気ウオッチャー調査 NY・トロント休場(ベテランズデー) スウェーデン 消費者物価指数
12(水)日 マネーストック、第3次産業活動指数 英 雇用統計 ユーロ圏 鉱工業生産 BOE四半期インフレレポート
13(木)日 機械受注 企業物価指数 中 小売売上高 工業生産 固定資産投資 不動産投資  仏 消費者物価指数 米 新規失業保険申請件数
14(金)仏 GDP 独 GDP 香港 GDP ユーロ圏 GDP ユーロ圏 消費者物価指数 米 小売売上高 ミシガン大消費者信頼感指数 メキシコ中銀政策金利
 15日(土)G20首脳会議(ブリスベーン)

(来週の予定)

17(月)日 GDP・一次速報 NZ 小売売上 トルコ 失業率 香港 失業率 ユーロ圏 貿易収支 米 NY連銀製造業景気指数 鉱工業生産
18(火)RBA議事録 英 生産者物価指数 消費者物価指数 ユーロ圏 ZEW景況感調査 独 ZEW景況感調査 米 生産者物価指数
    米 NAHB住宅市場指数 対米証券投資
19(水) 日銀金融政策決定会合 南ア 消費者物価指数 BOE議事録 米 建設許可件数 住宅着工件数 FOMC議事録(10月28・29日分)
20(木)NZ 生産者物価 日 貿易統計 独 生産者物価指数 スイス 貿易収支 独 PMIサービス業 PMI製造業 香港 消費者物価指数 ユーロ圏 PMIサービス業 PMI製造業 ノルウェー GDP 英 小売売上 米 消費者物価指数 新規失業保険申請件数 ユーロ圏 消費者信頼感  米 中古住宅販売件数 フィラデルフィア連銀景況指数
21(金)加 消費者物価指数 メキシコ GDP

2.総括 主要通貨「秋の円安に若干調整しても月末は投信期待」

 秋の円の弱い基調は変わっていない。貿易赤字によるネットでの円安需給を基礎にしながら、日本経済の減速を背景に日銀の金融緩和やGPIFの外貨投資増加期待(実際にはまだ出ていない)が加わっている。米国の概ね強い景気指標でのドル買いも進む。欧州は、まだ金融緩和を進めていかなければならない経済情勢である。日米欧の置かれた状況に素直に従って通貨番付も動いている。主要9通貨番付では、米ドルが首位、大胆な金融緩和を続けている日本の円が8位、日本よりも低成長でインフレ低下懸念があるユーロ圏のユーロドルが最下位の9位とわかりやすい。

 年度上半期は輸出先行での円買いで円は3位前後であったが、下半期に入り例年通り円安の度合いを強めている。
また米ドルは他のすべての通貨に対して強く、他通貨は下落基調なので、今年通貨高懸念の強い、豪やNZの不満も少しは和らいでいるだろう。今週は前半にAPEC(北京)、後半にG-20首脳会議(ブリスベーン)で開催されるが通貨は大きな問題とはならないだろう。一部円安を懸念する声も聞こえるが、貿易赤字で円安というまさにファンダメンタルズ通りの推移なので批判されることもない。
 黒田総裁はじめ、思慮ある経済学者は円安はマクロ的に有益だとしている。個別の問題は政治が調整すべきだろう。元の円高にすればマクロ的にマイナス面が多くなり、日本全体が衰退してしまい一度海外に出た企業は二度と戻ってこないだろう。

 為替のミクロな動きとしては、ドル円、クロス円ともに10月半ばのボリバン下限、あるいは行きすぎの下限下抜きから上昇し、先週後半、多くの通貨ペアでボリバン上限上抜きとなり、一服している。米国雇用統計は、それほど悪い内容ではなかったが、平均時給の伸びが弱かったことを取り上げ利食いの売りが出回った。個人のFXでも外為どっとコムのドル円注文状況では、事前にはドル円のロングが多く、115.20から114前半まで損切りの売りが入っており、それらを消化する円高が進んだ。やはりボリバン上限になると、センチメントが高まってしまうのは常にあることで、そのあたりは注意したい。現在の注文状況は、米雇用統計の攻防も終えニュートラルである。

 円は若干の調整円買いが入っても勝負は来週の消費増税に影響する3Q・GDPが焦点となる。またこのところ影を潜めていた外貨投信の設定も11月下旬からは増加して円安要因となろう。消費増税はその是非より、増税の前にやるべきことを政治家、政府がやっていないことに問題がある。また増税すれば、春の増税と同じように、消費減退、輸入減退で円高傾向になり、増税しても物価も上がらないデフレ不況となってしまうだろう。
 日本は今週その他では10月上中旬貿易統計、国際収支、企業倒産、消費動向調査、景気ウオッチャー調査、第3次産業活動指数
   機械受注 企業物価指数 などの指標と 消費再増税を巡る政府の点検会合がある。

 週末に中国の10月貿易収支が発表された。輸出が伸びて黒字が増加した。輸入はやや予想を下回った。後述するように、今世界は対中貿易に輸出も輸入も依存している。中国の一挙手一投足が資源国にもならず先進国の経済にも影響している。上海株価は依然好調である。今週はCPI、小売売上、工業生産などの指標が発表される重要週だ。日中首脳会合で経済の話まででるかどうか。ただ政治がどうあれ、日中経済関係は後述の表のように活発である。またFXでもより人民元取引の重要度が増してくるだろう。まだ官制相場なので、自然な動きとはならないことがあることには注意したい。

 今週の米国は大きな指標はない。新規失業保険申請件数 小売売上 ミシガン大消費者信頼感指数と米国債入札などである。QE3が終了、概ね強い米国指標が続き、中間選挙で共和党の勝利を好感している。FRB内部では、15年の利上げを見る向きもいるが、消極的な地区連銀総裁もおりバランスがとれていることも悪くはない。ドル高を懸念している総裁はまだごく一部だ。ただ円と真逆で先週末はボリバンのドルの高値まで伸びたので反落し始めている。

 米ドルを反落させたのは欧州のインフレ見通しも一役買っている。欧州景気循環調査研究所(ECRI)の9月のユーロ圏未来インフレ指数(EZFIG)は97.5となり、8月改定値の97.1から上昇したことがある。向こう数カ月でユーロ圏のインフレ率が底を打つことが示唆された。ユーロ圏18カ国の10月のインフレ率は0.4%にやや上昇している。今週のユーロ圏の焦点は3Q・GDP。ユーロ圏で前期比+0.1%、独も+0.1%の弱い予想となっている。

 英国は先週、予想通り政策金利が据え置かれた。カーニー総裁は住宅価格の上昇で利上げに前向きだが、賃金やインフレのデータに弱い内容が見られるので、まだ利上げには時期尚早となった。それよりも、EU内での拠出金問題、英国へのEUからの移民の制限でEUと亀裂が走ってるのが気がかりだ。英国のほうに悪影響がでそうだ。 今週は雇用統計発表とBOEインフレリポートがある。

3.その他通貨「資源国通貨、引き続き対ドルで下落、対円で上昇か」

 引き続き 資源国通貨でも米ドル高が進んだ。南アは格下げがあり、ランドがより弱くなった。

 豪ドルは対円で上伸したが、豪の要因ではなく、日銀の緩和政策によるドル円の上昇によるものである。ただRBAは日本の金融緩和で豪にも日本の資金が流入し豪ドルを上昇させることに懸念を示している。雇用はまだ不安定である。雇用統計はブレが多く不信感が出ている。大手自動車メーカーの豪からの撤退とい雇用減少要因もある。インフレは鉱山業のブームが過ぎ、鉄鉱石価格の下落、炭素税の廃止、政府の緊縮財政で低下している。気がかりは長期間続いている低金利で住宅投資が過熱気味になっていることである。2014年の成長、インフレ見通しは下方修正されている。財政赤字は増加しており黒字目標を達成できず。ただ格付けはAAAであり海外からの資金流入を支援している。 輸出入ともに貿易相手国1位は中国となり、中国移民の流入も多く、経済の中国依存度は高くなっている。それが豪ドルの支えだが中国の景気減速で今年は豪ドルは対ドルで弱い。ただ円も豪ドルより弱く豪ドル円は底堅く推移しよう。

 NZでは3Q雇用統計では失業率は5.4%と5年半ぶりの低い数字となり、雇用者数など多くの部分で改善した。懸念の住宅価格の上昇は若干落ちついている。豪と同じようにNZドルは対ドルで下落、対円では上昇している。また中国への貿易や移民の依存度が高く、景気を左右する要因となっている。次の重要イベントは12月の政策金利決定と3Q・GDPの発表。8月はNZ売り介入を行ったが9月は商業ベースの小額にとどまりNZドルの下げ止まり要因となった。3Q・CPIは予想を下回りインフレターゲット下限の1.0%となり、インフレの落ち着きが当局の通貨高懸念を後押ししている。来年の財政黒字化には景気減速で暗雲が近づき始めている。ただ豪ドルと同じように下落しても円の下落のほうが大きく対円では底堅く推移しよう。

 南アランドは10月の月間最強通貨であったが、11月第1週は円とほぼ同じく最弱通貨となった。予想されていたとはいえ、ムーディーズの格下げが南アランドの売りを強めた。通貨番付でも先々週の4位から7位に下落した。9月CPIは低下し久々にインタゲのレンジ内へ戻っている。14年の成長見通しが下方修正され、財政赤字見通もは悪化し緊縮予算が予想されている。新中銀総裁はインフレ懸念が強い。
エネルギー関連のインフラが弱いことがあるが、原発開発に積極的でロシア、フランスなどが参入している。世界中低金利の中で低下しているとはいえ南アの6%台の金利は魅力があり今年は海外から債券市場への資金流入が増加しランドを支えていたが、格下げで少し流出する部分もあるだろう。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=先週月曜は窓を開けて始まるも、ボリバン上限を越えていることもあり、先々週よりは上昇幅を縮小し、ボリバン内へ戻ってきている。週足では上ヒゲを残した。
 日足では11月5日-6日の上昇ラインは下抜く。11月3日-5日の上昇ラインがサポート。10月29日-31日、10月15日-28日の上昇ラインが続く。5日線は上向き。高原状あるいは団子天井になる想定はしておきたい。
 週足は3連続陽線も先週は前2週と異なり上ヒゲを残した。週のボリバン上抜きから、バンド内へ戻っている。週明けに10月27日週-11月3日週の上昇ラインを下抜くかどうか。10月13日週-20日の上昇ラインがサポート。月足は4カ月連続陽線。今月もここまで陽線。月のボリバンの上限は越えている。年足は上述のように2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿っている。

*ユーロドル=ユーロドルも弱いのだが、10月半ばからは円ほどは弱くない。10月半ばのボリバン上限から一時下限を下抜いた。そこからはバンド内に戻している。一旦上抜いた、10月29日-31日の下降ラインがサポート。上値抵抗は11月3日-5日、10月29日-11月5日、10月21日-29日の各下降ラインとなる。5日線は下向き。
 週足は3週連続陰線、ボリバン下限近くまで下落し、前2週より下ヒゲが長い。10月6日週-13日週の上昇ラインを下抜いている。10月27日週-11月3日週の下降ラインを上抜くか。その上は10月20日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。月足は4カ月連続陰線。今月もここまで陰線であるが、月のボリバン下限で下げ止まった。5月のボリバン上限からの下落であった。年足は12年-13年の上昇ラインを下抜いている。

*ユーロ円=ドル円と形は似ている。11月6日の長い上ヒゲでボリバン上限上抜きから、バンド内へ戻ってきている。10月16日のボリバン下限下抜き後の下ヒゲから、逆の形のボリバン上限上抜きの上ヒゲとなった綺麗な形である。5日線はまだ下向き。11月3日-5日の上昇ラインは下抜いた。10月30日-31日、10月23日-30日の各上昇ラインがサポート。週足は4連続陽線も先週はやや長い上ヒゲ。10月13日週のボリバン下限下抜き下ヒゲから、先週は上抜き上ヒゲとなった。月足は2カ月連続陽線でボリバン上限に近付いている。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。ただ今年はここまで陰線。

5.当局・円無常・需給「10月中国貿易統計、輸出は予想を上回る、輸入は下回る」

 10月貿易収支 9月+309.6億ドル 予 +420億ドル 結果 +454.1億ドル

 輸出 9月+15.3% 予 +10.6%  結果+11.6%
 輸入 9月+7.0% 予 +5.0%  結果+4.6%
 
6.ID為替「主要国の中国への貿易依存度。FXでも取引増大へ」

 好む、好まざるに拘わらず、中国への貿易依存度は高まっている。
当然のことだが感情より価格ワイズ。需要のある所へ物は動く。
また人民元が次第にFXでも取引され始めている。最大の取引通貨となっていくだろう。

対中貿易2013年  
 輸出輸入備考
1位1位 
NZ2位1位輸出1位は豪
南ア1位1位 
米国3位1位輸出1位はカナダ、2位メキシコ
日本2位1位輸出1位は米国だが2位の中国とほぼ同じ
EU3位1位輸出1位はロシア、2位スイス

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大c 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白く正しく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「横浜スタジアムの秋」

 例年通り、CS、日本シリーズ、日米野球もやってこないハマスタの秋は静かである。

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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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