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トルコ リポート

「トルコリラ円=18.0-20.5、概ね悲観であるが完全悲観ではない」

(ポイント)

*今週は政策金利の決定あり
*需給は悪化
*米国とはミサイル問題あり
*国内ではイスタンブール市長選挙で揉める
*中銀は金融引き締めを実施
*トルコのCDSプレミアムが上昇
*5か月ぶりに経常収支(12月)が赤字となりリラ上昇を抑えている
*1月貿易収支では輸出が伸びたという良い材料も出た
*中銀は預金準備率を引き下げていた
*米軍のシリア撤退でトルコの役割の重要性が増す
*中国とはウイグル族問題で対立
*米国はギュレン師問題で対立
*トヨタはトルコで生産開始、ホンダは撤退

(市況)

 今週は政策金利の決定がある。リラ安での高インフレが続いているので政策金利は24.0%で据え置きとみられている。全悲観かと言えばそうでもない。概ね悲観である。通貨、株価ともに世界の市場では最弱であるが、株価は先週は0.92%上昇、年初来6.13%高となった。リラは年初来6.92%下落しているがほぼスワップ金利差とな同じ割合の下落にとどまっている。もちろん他の高金利通貨のようにスワップ金利差を上回る上昇は、ファンダメンタルズの悪さからない。1月失業率、2月鉱工業生産、小売売上、3月自動車生産が悪化した。今週は4月の消費者信頼感、企業信頼感の発表がある。束の間の経常黒字から赤字となった需給、ミサイル問題を含め米国との関係の悪化がリラ売りを強めた。緊急経済対策も評価されなかった。IMFの成長率見通しは、今年がマイナス2.5%、来年がプラス2.5%である。
 
(ミサイル問題)

 トルコのアルバイラク財務相はトランプ米大統領と会談し、トルコがロシアの防空ミサイルシステムを購入する計画について、トランプ大統領が「理にかなった」姿勢を示したと述べた。
トルコ政府の「S400」システム購入計画は北大西洋条約機構(NATO)同盟国の間の緊張を高めており、米国は、トルコがこの問題で制裁に直面する可能性があるとしている。トルコの国防相は、対話を通じて問題を解決するよう求めた。 アルバイラク財務相は、ムニューシン米財務長官と、トランプ米大統領の娘婿であるクシュナー大統領上級顧問と15日に会談したと明らかにした。また米国を訪問中のトルコのフルシ・アカル国防相は、米国のシャナハン国防長官代行との会談は「非常に建設的」で、両者の見解が一致に近づいたとの認識を示した。アカル国防相は、会談は建設的かつ前向きなムードで「多くの問題で理解を深め、意見の一致にかなり近づいた」と述べた。ただ、どの問題で溝が埋まったかは明らかにしなかった。
 
(トルコ中銀、「最後の貸し手」ファシリティー通じ30億リラ供給)

トルコ中銀は4月15日遅く、「最後の貸し手」ファシリティーを通じて30億リラを匿名の銀行に供給した。 同ファシリティーが利用されたのは、通貨危機開始直前に中銀が政策運営を正常化した昨年6月以来10カ月ぶり。 1週間物レポ金利(24%)を3%ポイント上回る金利となっている同ファシリティーを巡っては、1度の利用は問題ないが、繰り返し利用されると流動性の問題を示し、注意が必要とされる。 これを受け、短期金融市場では平均の資金調達コストが26ベーシスポイント上昇し24.36%となった。

(トルコ鉱工業生産、6カ月連続で減少) 

 2月の鉱工業生産は前年比5.1%減となり、予想よりは小幅な減少にとどまったものの、6カ月連続の減少となった。ただ、前月比では増加し、低迷する経済に薄日が射したとの見方もある。
予想は前年比6.5%減だった。 18年4Q・GDPは前年同期比3.0%減少し、9年ぶりの大幅な落ち込みを記録した。2月の鉱工業生産は前月比では1.3%増だった。

小売統計も改善しており、1Qは前期比0.5-0.8%の成長を達成した可能性があると指摘。ただ、1Qは選挙前の景気刺激策に押し上げられたとみられ、それ以降の回復は鈍いとみている。
統計局によると、2月の小売売上高は前年比4.9%減少したものの、前月比では0.8%増加した。

(AKP、市長選挙の再集計にも不満)

トルコ最大都市イスタンブールの市長選は、再集計の結果、最大野党・共和人民党(CHP)のイマモール候補の当選が決まった。 最終結果によると、イマモール氏はAKPが擁立したユルドゥルム元首相に1万3000票(約0.2%)という僅差で勝利した。 AKPは過去25年にわたり同市長選で勝利してきた。今回の敗北は特にエルドアン大統領にとって痛手となった。
市長選を巡っては、エルドアン大統領率いる与党・公正発展党(AKP)が集計結果を無効にし、選挙の再実施を求める考えを表明。4月16日に最高選挙管理委員会(YSK)に申し立てている。
AKPの主張が認められれば6月2日に再選挙を実施。認められなければCHPのイマモール氏が市長に就任する。
 
(テクニカル)「低迷」

日足、4月16日-17日の上昇ラインを下抜き、ボリバン下限へ。4月17日-18日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、3月18日週-25日週の上昇ラインを下抜く。4月8日週-15日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限。
月足、18年8月-19年3月の上昇ラインがサポート。19年2月-3月の下降ラインが上値抵抗。
年足 4年連続陰線、15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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