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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪7-9月期CPIがRBAに与えた影響は?」ハロンズ FX 2023/10/29

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
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目次

豪7-9月期CPIに注目!鈍化ペースが鈍いと…?

今週の振り返り

今週の豪ドル/円は94.58円前後、NZドル/円は87.33円前後で週初を迎えました。週初はそれまで堅調に上昇していた米10年債利回りが節目となる5%台に乗せた達成感が出たことなどにより、米10年債利回りが急低下し米ドルが対主要通貨で全面安になりました。25日に発表された豪7-9月期消費者物価指数(CPI)が市場予想を上振れたことで豪ドル/円は一時95.90円前後まで上値を伸ばしました。しかし、中国経済を巡る不安や、米10年債利回りが再び上昇に転じたことで米国株価指数が下落したことなどが売り材料となり、豪ドル/円は一転して94.24円前後まで下落しました。

RBAは追加利上げを思案中

今週はRBAの追加利上げを巡り、市場の期待が大きく増減しました。まず、24日にブロックRBA総裁が「インフレ見通しが大幅に上方修正された場合、追加利上げをためらわない」と発言しました。翌25日に発表された豪7-9月期CPIは前年比+5.4%となり前期の6.0%から低下しました。また、RBAが重視するCPIトリム平均は+5.2%で前期の+5.4%から低下を示しました。

【豪四半期CPIの推移】

上の表を見ると豪州のインフレは2022年10-12月期をピークに鈍化傾向にあることがわかります。では、なぜブロックRBA総裁は前述の発言をしたのでしょうか。問題はインフレの鈍化ペースです。RBAが8月に公表した金融政策報告(Statement of Monetary Policy:SOMP)の中で、2023年末のインフレ率予想を4.1%としていました。豪7-9月期CPIは確かに前期からインフレ加速のペースは鈍化しています。原油価格の上昇が主な要因ですが、このままだと、RBAが予想したほどインフレは鈍化しなさそうです。そのため市場は年内にRBAが追加利上げに動くとの見方を強めました。しかし、ブロックRBA総裁は26日の豪上院での議会証言で「まだ数字を分析中」としたうえで、「7‐9月期のCPIが予想の重要な修正促すかどうか言えない」と発言しました。この発言を受けて、豪7-9月期CPI発表直後と比べると年内の利上げ観測は若干低下しています。

【豪7-9月期CPI内訳】

豪7-9月期CPI内訳の前期比の欄を見ると、前期比、前年比共に大きく上昇したのは3項目。住宅、輸送、保健及び金融サービスです。住宅は、家賃や電力や上下水道料金などの上昇が大きく影響しました。輸送は燃料価格等の上昇、そして保健及び金融サービスは住宅や自動車等の保険料が全体的に上昇したことが影響しています。こうしてみるとサービスのインフレが高止まりしている一方で、財のインフレは原油などの燃料価格の上昇が大きな要因だということがわかります。財のインフレはエネルギー価格が落ち着けば鈍化速度が速まると予想できますが、中東情勢の悪化により「いつ」原油相場に安定がもたらされるかは予想が出来ません。外食や家賃、保険など様々な分野でのインフレがなかなか鈍化しないことは懸念材料となっています。ポジティブな材料は、過去3カ月の豪雇用統計の結果を見ると労働市場のひっ迫が転換点を迎えたことを示唆しています。労働市場のひっ迫緩和がサービスインフレの鈍化を促す可能性はあります。これらの材料をRBAがどう捉えるかによって今後の金融政策の方向性が決まるのではないでしょうか。

中国製造業の景況感に注目

来週は中国にて国家統計局が集計する中国10月製造業購買担当者景気指数(PMI)と10月非製造業PMI、そしてS&Pが調査する財新10月製造業PMIと10月サービス業PMIが発表されます。
中国は豪州にとって最大の貿易国です。特に鉄鉱石や石炭などの資源輸出量が多いため、中国の製造業の好不況は豪ドル相場に大きな影響を与えます。
このところの中国経済は当局の景気刺激策の影響もあってか、一時期の減速傾向は止まったように見えます。輸出は2カ月連続で減少幅を縮小しており、小売売上高も増加傾向にあります。
9月の中国製造業PMIは50.2で8月から0.5ポイント改善、6カ月振りに好不況の境目とされる50.0を上回りました。10月31日に発表される10月中国製造業PMIの市場予想は50.2で9月から横ばいとなっています。一方で、財新製造業PMIは8、9月と2カ月連続で50.0を上回っており、10月の市場予想は50.8で前月(50.6)から改善が見込まれています。注目は市場予想を上回れるか?下回った場合は50.0を上回っているか?になりそうです。

※各指標の市場予想は執筆時時点(10月27日午前)のもので、今後変わる可能性があります。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は10月に入って大まかに見て94.00~96.00円のレンジから抜け出せません。そのため、上下の目安も変わっていません。上値は95.90円付近(10/12高値95.83円前後、10/25高値95.90円前後)が目先の目途として意識されそうです。この96.00円手前は7月後半~8月序盤にも上値目途として意識されていました。その上の水準では9/29高値の96.92円前後や6/19日高値の97.68円前後(年初来高値)が次のポイントとなりそうです。一方で下値は、一目均衡表の雲下限が目先の下値目途となりそうです。そして10/3安値の93.04円前後がサポートとして意識されそうです。その下には200日移動平均線(200MA)があります。強いサポートとして意識されやすいですが、しっかりと下抜けした場合には売りが加速する可能性がありますので要注意です。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表、200MA】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:92.50-97.00、NZD/JPY:85.50-89.00

10/30 週のイベント:

10/30 (月) 09:30 豪 9月小売売上高
10/31 (火) 06:45 NZ 9月住宅建設許可件数
10/31 (火) 09:00 NZ 10月ANZ企業信頼感
10/31 (火) 10:30 中国 10月製造業購買担当者景気指数(PMI)
10/31 (火) 10:30 中国 10月非製造業購買担当者景気指数(PMI)
11/01 (水) 06:45 NZ 7-9月期四半期就業者数増減
11/01 (水) 06:45 NZ 7-9月期四半期失業率
11/01 (水) 09:30 豪 9月住宅建設許可件数
11/02 (木) 10:45 中国 10月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)
11/02 (木) 09:30 豪 9月貿易収支
11/03 (金) 10:45 中国 10月財新サービス部門購買担当者景気指数(PMI)

一言コメント:

来週は週の半ばから家族旅行で沖縄に行きます(後輩の結婚式に参加)。外為どっとコム総研は沖縄出身者もいるため、色々と現地情報を教えてもらい楽しみです。宿も決まり、レンタカーも借り、美味しいお店も教えてもらったのであとは行くだけです。私の休暇中は為替相場に大きな動きがないことを祈ります。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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