来週の為替予想（豪ドル/円 NZドル/円）「豪雇用統計では○○に注目！」ハロンズ FX 2023/11/12

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執筆：外為どっとコム総合研究所　中村　勉
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豪雇用統計では○○に注目！

今週の振り返り

今週の豪ドル/円は97.08円前後、NZドル/円は89.32円前後で週初を迎えました。
6日は日経平均株価やNYダウ平均株価などが上昇したことによるリスク選好の動きとなり、翌7日には豪準備銀行（RBA）が0.25%の利上げを実施したことから豪ドルは一時97.60円前後まで上値を伸ばしました。しかし、同時に公表された声明がハト派的と捉えられたことで、豪ドルは一転売り優勢になりました。また、豪州と交易関係の強い中国の10月貿易収支や10月消費者物価指数（CPI）が予想を下回ったことで、市場が中国経済の低迷懸念を高めたことも豪ドルの上値を抑える材料となりました。これらの影響から豪ドル/円は一時96.10円台まで下落しました。NZ/円は独自の材料に乏しく、方向感を見出せず88.93円前後～89.86円前後での狭いレンジ内での動きとなりました（執筆時）。

豪雇用統計の注目点は？

来週は16日（木）に豪州の10月雇用統計が発表されます。表1は2020年の新型コロナパンデミック以降の豪州の正規雇用者数変化と非常勤雇用者数変化の推移です。
表を見てもわかる通り、パンデミック以降の豪州の雇用は非常勤雇用者を上回る正規雇用者の増加が支えとなってきました。しかし23年7月以降、非常勤雇用者数の増加幅が正規雇用者数を上回っています。RBAは豪州の労働市場について「転換点に達した」との見方を10月のRBA議事要旨にて示していましたが、こういった労働の質の部分にも注目しているのではないでしょうか。そのため今回は雇用の質に注目したいと思います。仮に正規雇用者数が大幅に増加していた場合は、労働市場が再びひっ迫していると捉えられて、RBAの追加利上げ観測に繋がる可能性も考えられます。ただ、たった1回の労働統計の結果がRBAの金融政策の方向性を大きく変えるほどのインパクトはないとみています。豪ドル相場への影響は限定的となりそうです。

【表1．豪正規雇用者数変化と非常勤雇用者数変化の推移】

中国の景気は？

来週は中国にて中国10月小売売上高が発表されます。10月は国慶節の大型連休があったため、旅行関連の出費の増加が見込まれる一方で、中国の景気先行き不安から食料品や消費財には節約志向が広がっているとの見方が強まっている。中国10月小売売上高が市場予想を上回る好結果となれば、景気先行き不安も幾分か解消しそうです。また、中国は豪州にとっての主要な貿易相手国です。中国10月小売売上高と同時に発表される中国10月鉱工業生産の結果が予想を上回れば、豪ドルにとってもポジティブな材料となりそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は11月6日7日と年初来高値越えを試しましたが失敗に終わりました。今後も年初来高値の97.68円前後が目先の上値目途となりそうです。一方で下値は、一目均衡表の雲下限が目先の下値目途となりそうです。そして10/3安値の93.04円前後や200日移動平均線（200MA）がサポートとして意識されそうです。

【豪ドル/円　日足・一目均衡表、200MA】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ：AUD/JPY：93.50-98.00、NZD/JPY：87.00-91.00

11/13 週のイベント:

11/14 (火) 08:30 豪 11月ウエストパック消費者信頼感指数
11/14 (火) 09:30 豪 10月NAB企業景況感指数
11/15 (水) 09:30 豪 7-9月期四半期賃金指数
11/15 (水) 11:00 中国 10月小売売上高
11/15 (水) 11:00 中国 10月鉱工業生産
11/16 (木) 09:30 豪 10月新規雇用者数
11/16 (木) 09:30 豪 10月失業率
11/17 (金) 06:45 NZ 7-9月期四半期卸売物価指数（PPI）

一言コメント：

先日、家族旅行で沖縄に行きました。天気にも恵まれ、ゆっくりとした時間を過ごせました（観光などでばたばたでしたが…）。早くも次はどこに行こうか？と考えています。暖かい温泉も良いですね。

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