主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年8月10日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼9日(火)の為替相場
(1):米賃金の強いインフレ圧力を再認識
(2):英政府 来年に計画停電を検討
(3):米債利回り 逆イールド拡大中
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:CPIの結果次第/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(火)の為替相場
期間:9日(火)午前6時10分~10日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米賃金の強いインフレ圧力を再認識
米4-6月期非農業部門労働生産性は予想通りの前期比-4.6%だった。一方、同単位労働コスト・速報値は前期比+10.8%と予想(+9.5%)を上回った。米国の賃金インフレ圧力が強いことが改めて確認された。
(2):英政府 来年に計画停電を検討
英政府は、冬に寒さとガス不足が重なった場合に備え来年1月に企業と家庭を対象に計画停電を検討していると報じられた。最悪の場合、緊急用の石炭発電所を稼働させても、ピーク時の需要の約6分の1に相当する電力不足に直面する恐れがあるとのこと。これを受けポンド売りが強まった。
(3):米債利回り 逆イールド拡大中
米10年債利回りが小幅に上昇する中、ドル/円は135.20円前後まで強含んだ。もっとも、米2年債利回りは10年債利回り以上に上昇しており、将来の景気後退(リセッション)を示唆するとされる長短金利の「逆イールド」が拡大する中、ドル/円の上昇は限定的だった。
9日(火)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
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本日の見通し
ドル/円の見通し:CPIの結果次第
昨日のドル/円は強保ち合い。134.60円台まで下落する場面もあったが下値は堅く、米長期金利が小幅に上昇する中で135.20円前後まで強含んだ。市場は本日発表される米7月消費者物価指数(CPI)に注目している。市場予想は前年比+8.7%となっており、6月の+9.1%からやや鈍化するものの歴史的な高水準にとどまると見られる。食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+6.1%に加速すると予想されている(6月+5.9%)。
米連邦準備制度理事会(FRB)が今後の利上げペースは「データ次第」としているだけに、良好だった7月雇用統計に続き7月CPIも予想を上回れば市場では9月の75bp(0.75%ポイント)利上げの織り込みが進むことになるだろう。
ドル/円は20日移動平均線(135.75円前後)を超えれば136円台に乗せる可能性が高まりそうだ。仮にCPIが予想を下回れば反落は避けられないと見られ、日足一目均衡表の雲上限(134.25円前後)の攻防となろう。
注目の経済指標
注目のイベント
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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