
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
<足元のドル円相場>
ドル円は金曜日時点で158円後半まで持ち直しの動きとなった。この水準は為替介入が入る直前の高値と、その後の安値の61.8%戻しに位置しており、159円台回復は目前に迫っている。テクニカル面でも、155円をボトム、158円付近をネックラインとするダブルボトムを形成しつつあり、再び160円方向を試す形状になりつつある。
<為替介入効果はまだ「生きている」>
足元の戻りがじわじわとしたものに留まっていることは、市場参加者が「次の介入はいつ入るのか」と疑心暗鬼になっていると見られ、介入の心理的効果は依然として機能していると判断できる。160円到達局面で政府が「最終警告」と発言した経緯もあり、同水準付近では再介入への警戒感が一段と高まりやすい。現水準から1.5円程度の幅しか残されておらず、ここからは攻防色の強い展開を想定したい。
<為替介入ではトレンドは変えられない>
ただし、介入だけで大きなトレンドが転換するわけではない。ファンダメンタルズに根本的な変化がない以上、押し目買い意欲は根強く、155円台まで調整する場面があれば絶好の買い場と捉える向きが多いとみる。
過去の介入後の値動きが示すもの
2022年9、10月、2024年4、7月のいずれのケースでも、介入後にドル円は下落基調をたどった。しかし、それは介入そのものの効果というより、米CPIの伸び鈍化や日銀のYCC修正(2022年)、日銀のサプライズ利上げと米雇用統計悪化(2024年)といったファンダメンタル要因がタイミングよく重なったことによる下落であった。逆に言えば、こうした追い風となる材料が伴わない限り、介入単独では持続的な円高への流れは作りにくい。
<現状のファンダメンタルズ>
足元では、イラン情勢の長期化により原油価格が高止まりし、ドル買いや交易条件悪化を懸念した円売り圧力が継続している。さらにインフレ再加速懸念から、FRBによる利上げ転換の可能性まで一部で織り込まれ始め、米長期金利の上昇がドル買い要因として作用している。一方の日銀は年内2回の利上げ観測が引き続き優勢だが、仮に2回利上げを実施しても実質金利はマイナス圏に留まる見込みで、積極的な円買い材料としては力不足の感が否めない。加えて、原油高の景気への影響を見極める必要性から、6月利上げ後にすぐ7月連続利上げに踏み切る可能性は限定的との見方もあり、利上げペース自体は緩やかなものに留まる公算が大きい。
<まとめ>
来週のドル円は159円台回復から160円攻防に向け、神経質な値動きが続く公算が大きい。為替介入への警戒感は維持されるものの、ファンダメンタルズはドル買い・円売り優位の構図に大きな変化はなく、押し目買い基調が継続するとみる。イラン情勢と原油価格の動向、そして日米の金融政策イベントを睨んだ相場展開を想定したい。突発的な介入リスクには引き続き留意が必要である。
<来週の注目イベント>
5/18☆G7財務相・中央銀行総裁会議
5/19☆日本1-3月期GDP・速報値
5/19◎カナダ4月消費者物価指数
5/19◎ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁講演
5/20☆FOMC議事要旨
5/20◎エヌビディア2-4月期決算
5/21◎日本4月貿易収支
5/21◎小枝日銀審議委員講演
5/21◎米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
5/21☆米新規失業保険申請件数
5/21☆米5月製造業PMI・速報値
5/21☆米5月サービス業PMI・速報値
5/22☆日本4月消費者物価指数
☆特に重要 ◎重要
<ドル/円 日足>

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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