主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年4月12日9時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼11日(月)の為替相場
(1):仏大統領選 第1回投票
(2):黒田日銀総裁 物価の先行きへの見解
(3):英経済指標発表 予想下回る
(4):日米金融政策の違い ドル/円上伸
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:125.85円超えなら130円が視野に/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
11日(月)の為替相場
期間:11日(月)午前7時00分~12日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):仏大統領選 第1回投票
10日に投開票された仏大統領選の第1回投票は、大方の予想通りに過半数を獲得する候補者が現れず、現職のマクロン氏と極右候補のルペン氏が24日の決選投票に向かう事になった。決選投票に関する世論調査でマクロン氏の予想得票率がルペン氏を上回った事から、ユーロは上昇して取引が始まった。
(2):黒田日銀総裁 物価の先行きへの見解
日銀の黒田総裁は物価の先行きについて、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は当面、エネルギー価格の大幅上昇などでプラス幅をはっきりと拡大するとの見通しを示した。他方、金融政策運営については、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続すると表明。さらに、「必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」と改めて強調した。これを受けて円売りが優勢となった。
(3):英経済指標発表 予想下回る
英2月鉱工業生産は前月比-0.6%と予想(+0.3%)に反して落ち込んだ。英2月国内総生産(GDP)も前月比+0.1%と予想(+0.2%)を下回る伸びにとどまった。英2月貿易収支は205.94億ポンドの赤字となり、赤字額は予想(167.00億ポンド)を超えて膨らんだ。ポンドはドルやユーロに対して下落したが、それ以上に円売りの勢いが強かったためポンド/円はむしろ強含んだ。
(4):日米金融政策の違い ドル/円上伸
米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的に金融引き締めに動くとの観測を背景に米長期金利の上昇が続く中、ドルが強含んだ。日銀が対照的にハト派スタンスを維持している事から円売りも活発化。ドル/円は6年10カ月ぶりに125.77円前後まで上伸した。なお、米10年債利回りはこの日、3年ぶりに2.78%前後へと上昇。シカゴ連銀のエバンズ総裁は「5月の50bp(0.50%ポイント)利上げの可能性はおそらくかなり高い」と述べた。
11日(月)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:125.85円超えなら130円が視野に
昨日のドル/円は6年10カ月ぶり高値へと続伸。米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な金融引き締め観測を背景に米長期金利の上昇が続く中、2015年6月以来の125.77円前後まで上値を伸ばした。FRBとは対照的に大規模緩和を維持する構えの日銀の姿勢も意識されて、一段とドル高・円安が進んだ。
2015年6月高値の125.85円前後を超えられるかが本日の見どころとなりそうだ。ここを上抜ければ、チャート上の強力な上値抵抗は135円前後まで見当たらない。20年ぶりの130円台も見えてきそうだ。材料面では、本日のNY市場で発表される米3月消費者物価指数(CPI)の結果に注目したい。市場予想によれば前年比+8.4%と1980年代以来の高い伸びとなる見通しだ。米3月CPIの結果を受けて米長期金利がさらに上昇するか否かがドル/円続伸のカギとなろう。
注目の経済指標
注目のイベント
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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