トルコリラの焦点
執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也 先週(4月4~8日)のトルコリラ相場は、対ドルで約0.5%下落。もっとも、ドルは対円で約1.4%上昇しており、対ユーロでも約1.5%上昇した。その点ではドル全面高の中でもリラの下落は小幅だったと言えるだろう。結…
執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也 大手格付け会社S&Pは1日、トルコの長期自国通貨建て債務格付けを従来の「BB-」から「B+」に1段階引き下げたと発表。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰がトルコの国際収支を一段と悪化させるほか、…
執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也 ウクライナは28日、ロシアとの4回目の停戦交渉を29日にトルコのイスタンブールで開催すると発表した。これに先立ちトルコ大統領府は、エルドアン大統領がロシアのプーチン大統領と協議し、停戦交渉の開催で合意し…
ロイター通信が20日に伝えたところによると、米国はトルコに対してロシア製ミサイルシステム「S400」をウクライナへ移管するよう提案しているとのこと。米国とトルコは、同じ北大西洋条約機構(NATO)加盟国でありながら、トルコの「S400」導入を巡って関係…
11日に発表されたトルコ1月経常収支は71.1億ドルの赤字となり、赤字額は2017年12月以来の水準に膨らんだ。エネルギー価格高騰の影響と見られるが、激しいインフレによる経済不安が懸念される中、赤字の穴埋めを海外資金で賄えるのか不安がよぎるところだろう…
トルコのチャブシオール外相は5日、ロシアとウクライナの紛争について「ロシアによる侵攻」との認識を示した上で「他国の主権を武力で侵害するいかなる行為にも反対する」とした。これまで「戦争」と表現してロシア側への配慮を滲ませていたトルコも、ここに…
トルコ統計局が28日に発表した国内総生産(GDP)統計によると、昨年10-12月期のGDPは前年比+9.1%と予想(+9.0%)を上回る伸びを記録。7-9月期の+7.5%から加速した。通貨リラの下落を背景に輸出が+20.7%の大幅増となった事が寄与した。なお、2021年通年の…
「アッラーのお許しにより、現在の手に負えない状況からトルコ国民を救います。強大なトルコを構築するために準備した計画を実施しています。トルコはこれまでの経済史上で最強の時期に入ったのです。」「国民の士気をくじき、希望を弱め、悲観論を植え付る…
トルコ中銀は17日の金融政策決定会合で、政策金利を14.00%に据え置く公算が大きい。トルコ当局は昨年後半以降、金融政策ではなく為替政策で物価の安定を図る考えを示している。当局が相次いで打ち出した為替安定策には、リラ建て預金に対する目減り分の補償…
ロシアによるウクライナ侵攻を巡る軍事的緊張が高まっている。 トルコリラ/円はウクライナ問題に対して最も脆弱な通貨ペアのひとつと考えられるため、情勢の変化には特に注意が必要だろう。仮にウクライナで軍事衝突が起きた場合、リスク回避の動きが強まり…
トルコのエルドアン大統領は29日、同国統計局のディンサー局長を更迭した。理由は明らかになっていないが、統計局が発表したインフレ率を巡り(あるいはこれから発表する1月インフレ率を巡り)大統領と局長の間になにかしらの対立があったのではないかとの疑…
トルコ中銀は先週20日の金融政策決定会合で5会合ぶりに政策金利を据え置いた。こうした中、ロイターは米大手金融機関の間で同国の金融政策の先行きについて見方が分かれていると報じている。ロイターによると、JP・モルガンは年内の政策金利据え置きを予想し…
トルコ中銀は20日に今年最初の金融政策決定会合を開催する。昨年12月の会合で政策金利を14.00%に引き下げた際に、声明で「金融緩和のために残された『限られた余地』を利用した」としていたことなどから、今回は政策金利を14.00%のまま据え置くと広く予想…
トルコ中銀の発表によると、2021年12月31日時点の同国の外貨準備は83億ドルあまりで、2002年以来の低水準となった。昨年末に行ったリラ買い介入によって約2カ月前の10月29日時点(326億ドル)から4分の1程度に減少している。そうした中、市場にはトルコ当局…
トルコ政府は昨年12月、リラ建て定期預金に対する外貨換算での損失を補塡する措置を導入。当局によれば2021年末までに約600億リラがこの仕組みを使って市中銀行に預けられたという。さらに当局は、物価上昇分の補塡でリラ建て国債への投資を促す「インフレ連…
マネ育チャンネル。FXトレードに役立つ為替レートからFX初心者にうれしいノウハウ記事、そして先輩トレーダーのインタビューなど毎日たくさんの記事を公開しています。 今回はその中でも特に読まれたトップ10の記事をまとめました。 まとめ 公開した記事の全…
2021年のトルコリラ/円相場は、13.7円台で寄り付いた後、2月半ばには年初来高値となる15.2円台へと上昇したが、①3月にはエルドアン大統領が当時のアーバル・トルコ中銀総裁を解任した事で一時12.6円台へと急落した。その後も上値の重い展開が続き、②6月には…
トルコ中銀は17日、ドル/リラ相場が過去最高値(リラの最安値)となる1ドル=17.1152リラ前後を付けた直後に今月5回目となるリラ買い介入を実施。これによってリラはいくぶん値を戻したが、押し上げには至らず安値圏での推移が続いている。また、これまで堅…
トルコリラ/円は13日の海外市場で7.623円前後まで下落して史上最安値を更新した。リラはこの日、対ドルや対ユーロでも最安値を更新しており全面安の様相だった。ネバティ新財務相が「トルコは金利を引き上げない決意だ」「中銀の金融緩和が終了するかどうか…
11月のリラ急落局面においてトルコ国内での製品販売を中止していたアップルは、値上げを行った上で販売を再開した模様。iPhone13の販売価格は従来の11999リラから14999リラへ約25%引き上げられたとの事だ。通貨への信認が揺らぐとモノが値上がりする好例で…
先週26日、エルドアン大統領は「金利低下によって国民や農民を踏みにじるようなことはさせない」などと述べて利下げ継続姿勢を強調した。9円台後半へと持ち直していたトルコリラ/円は、この発言を受けて一時9.00円を割り込むなど下値を探る動きが再開。南ア…
トルコリラ/円は、11月に入り下げが加速。トルコ中銀が追加利下げを決めた18日には心理的節目の10.00円前後まで下値を拡大した。この日の下落で200日移動平均線からの下方乖離が20%を超えたほか、日足の短期RSI(相対力指数)は売られすぎの目安とされる25…
ドル/トルコリラ相場は12日、節目の1ドル=10.0000リラをすんなり突破。16日の東京市場では10.0846リラ前後までドル高・リラ安が進む場面があった。リラは年初来で約26%も減価して史上最安値を更新中だ。リラの下落要因は多岐にわたるが、足元で材料視され…
トルコリラの上値が重い展開が続いている。先週3日に発表されたトルコ10月消費者物価指数(CPI)は前年比+19.89%に加速したが、中銀が重視するコアCPIは16.82%へと小幅に減速した。この日のリラ/円は、エルドアン大統領の健康不安説が流れた事もあって、一…
トルコのエルドアン大統領とバイデン米大統領は10月31日、G20サミットが開かれたローマ市内で会談し、今後の軍事協力などについて意見を交わした。トルコがロシア製地対空ミサイル「S400」を導入した事を受け、米国は最新鋭戦闘機F35の開発プロジェクトから…
25日の東京市場ではトルコリラは急落して取引が始まった。リラは、対円、対ドル、対ユーロでいずれも史上最安値を更新。今回のリラ安の背景は、トルコのエルドアン大統領が慈善活動家オスマン・カワラ氏の釈放を求めた10カ国の大使追放を示唆した事にある。…
今週21日にトルコ中銀金融政策決定会合が開催される。先週には、エルドアン大統領が利下げに反対含みとされる政策委員3人を解任。トルコ中銀のカブジュオール総裁はそうした見方を否定した上で「金融政策はデータに基づいて決定する」と強調したが、市場はも…
14日早朝、トルコリラが急落した。トルコのエルドアン大統領が、中銀の政策委員3名を解任した事が引き金となった。3名のうちひとりは前回の利下げに反対票を投じたクチュク副総裁であり、関係者によれば交代で加わるメンバーも含めて「大統領の利下げ継続要…
足元のトルコリラ/円相場は、予想外の利下げで9月に付けた12.399円前後の安値こそ割り込んでいないものの、12.500円を挟んだ下値もみ合いの局面にある。リラは対ドルでは過去最安値を更新したが、対円ではドル/円の上昇に支えられて下げ渋っている。 先週8日…
4日に発表されたトルコ9月消費者物価指数(CPI)は、前年比+19.58%と前月の+19.25%から加速したが、市場予想(+19.65%)は下回った。トルコ中銀が急遽方針を変更して重視するとしたコアCPIは前年比+16.98%となり、こちらは前月の+16.76%、および予想の+…
先週(9月20日-24日)のトルコリラは軟調に推移した。24日には、対円で約3か月半ぶりに1リラ=12.399円前後まで下落した他、対ドルでは過去最安値となる1ドル=8.8907リラ前後まで下落。トルコ中銀が23日の金融政策決定会合で予想外の利下げを決めた影響が大…
足元でトルコリラが軟調だ。対円では21日早朝に12.550円前後まで下落して約3か月ぶりの安値を付ける場面もあった。 (1)中国不動産大手、恒大集団の経営難による市場センチメントの悪化 (2)米連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政策の正常化に向けた姿勢を…
トルコリラは年初来で最もパフォーマンスが低い通貨のひとつだ。コロナ禍以降、トルコ経済は回復途上にあるが、通貨リラの戻りは鈍い。最大のネックは中銀の独立性に対する不透明感だろう。 トルコ中銀のカブジュオール総裁は今月8日、金融政策を運営する上…
トルコリラは8日の海外市場で急落した。リラ/円が一時12.90円台へと下落した他、ドル/リラは8.47リラ台へと上昇した。リラ急落のきっかけはカブジュオール・トルコ中銀総裁が、金融政策を運営する上で総合インフレ率よりもコアインフレ率を重視する考えを示…
先週3日に発表されたトルコ8月消費者物価指数は前年比+19.25%と、減速予想に反して7月の+18.95%から加速。トルコは再び、インフレ率が中銀の政策金利(19.00%)を上回る状況に陥った。リラを防衛するためには利上げが必要な状況と見られるが、利下げを主…
トルコリラ/円相場は、27日に13.154円前後まで上昇して約2カ月半ぶりの高値を更新した。日足チャートは、20日移動平均線が100日移動平均線を上抜く「ゴールデンクロス」を示現。市場には、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がテーパリング(量的緩…
8月に入り、新興国通貨は総じて下落している。世界的な新型コロナ・デルタ株の感染拡大によるリスク回避と、米国のテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)観測を支えにドルが強含んでいるためだ。ただ、この間トルコリラの対ドル下落率は約0.4%であり、他…
先週(8月9日~13日)のトルコリラ相場は底堅く推移した。トルコでは、7月末に南部で相次いだ大規模な山火事がようやく沈静化したばかりだが、11日には北部で豪雨・洪水が発生しており大きな被害が出ている模様。トルコにとって書き入れ時である夏季休暇シー…
トルコ中央銀行は8月12日に政策金利を発表する。3日に発表されたトルコ7月消費者物価指数は前年比+18.95%に加速して政策金利の19.00%に接近。いくら低金利を志向するカブジュオール総裁でも利下げに踏み切れる状況ではないだろう。市場も今回は政策金利の…
トルコリラ/円は先週30日に一時13円台を回復。約1カ月半ぶりに13.05円前後まで上昇した。対ドルでも一時8.40リラへとリラ高に振れる場面があった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が28日にテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)を急がない姿勢を示した事でド…
先週のトルコリラ/円は、イスラム教のお祭り「クルバンバイラム(犠牲祭)」のためトルコ金融市場がほぼ全休となる中、小動きながらも底堅く推移。13週移動平均線を明確に超えて12.910円前後で取引を終えた。先んじて20日移動平均線も緩やかな上向きに転じて…
先週(7/12-7/16)のトルコリラ/円は12円台後半で強含みの展開となった。 トルコ中銀は14日、政策金利の据え置きを発表するとともに「引締めスタンスを『断固として』維持する」と表明。これを受けて8月の利下げ観測がやや後退したと見られる。16日には1カ月…
明日14日にはトルコ中銀の金融政策決定会合が行われる。 前回の6月会合では策金利を19.00%に据え置き、「インフレが顕著に低下するまで『引き締め的』な金融政策姿勢を『断固として』維持する」とタカ派スタンスを強調した。 トルコの6月消費者物価は前年比…
5日に発表されたトルコ6月消費者物価指数は、前年比+17.47%と市場予想(+16.93%)に反して前月(+16.99%)から伸びが加速した。6月生産者物価指数に至っては前年比+42.89%と激しい上昇を記録した。これを受けて、通貨リラは売りがやや優勢となった。 イ…
欧州連合(EU)は24、25日に開いた首脳会議で、シリア難民を受け入れているトルコへの資金援助の継続を決めた。挑発的な行動を続けてきたトルコの姿勢が改善しているとの判断が背景にあり、30億ユーロを支出する事を明らかにした。 その他、トルコ保健省は27…
先週のトルコリラ相場は、対ドル、対円ともに下落。対ドルでは18日に8.7448リラ前後まで下落して5月に付けた史上最安値の8.7786リラ前後に迫った。 トルコ中銀は17日の会合で政策金利を19.00%に据え置き、「インフレが顕著に低下するまで『引き締め的』な金…
本日(17日)にトルコ中銀の政策金利発表が予定されている。市場予想では、現在の19.00%のまま、金利据え置きが大勢となっている。トルコのインフレ率は高止まりしており、エルドアン大統領が主張する利下げには踏み切れないのではと推測があるためだろう。…
11日の海外市場でトルコリラが急伸。14日に開かれるエルドアン・トルコ大統領とバイデン米大統領の初の首脳会談を前に、対円では13.188円前後まで、対ドルでも8.2802ドル前後まで一時急伸して、いずれも約1か月ぶりの高値を付けた。トルコ政府寄りのメディア…
4月中旬からリラ安が進み、ユーロ/トルコリラでは10.2778という過去最高値(ユーロ高・リラ安)を記録した。これには様々な要因が絡む。 通貨防衛のために活用されるトルコの外貨準備高について、アルバイラク氏が財務相だった2019年、2020年ごろに政府関係…
トルコリラは、22日のオセアニア市場オープンと同時に急落。リラ/円は、前週末終値の15.07円付近から一時12.65円前後まで大幅に下落した。前週末にエルドアン大統領がトルコ中銀のアーバル総裁の解任を突然発表した事からリラに売りが殺到した格好だ。アーバ…