執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコ中銀の金融政策発表が24日に迫っている。市場では150bp(1.50%ポイント)の追加利下げが予想されており、政策金利はエルドアン大統領の要請に沿って9.00%に引き下げられると見られている。予想通りなら、政策金利は直近ピークの2021年8月(19.00%)から1年余りで半分以下となる。21年8月に19.25%だったインフレ率(消費者物価の前年比上昇率)は足元で当時の4倍以上となる85.51%に達した。利下げと通貨安でトルコのインフレに拍車がかかっており、エルドアン大統領が主張する「利下げすればインフレも低下する」との説は著しく正当性を欠いている。
もっとも、市場の関心はもはやトルコの政策金利やインフレ率には向けられていないようだ。24日にトルコ中銀が利下げしてもリラの動きに大きな影響はないかもしれない。市場はすでに、来年2023年6月までに行われるトルコの大統領選・議会選に焦点を定めていると考えられる。仮に、エルドアン大統領率いる与党・公正発展党(AKP)が敗れれば、集権的大統領制から議院内閣制に移行する見込みで、トルコ政治にとって大きな転換点になる可能性がある選挙だ。なお、共闘を掲げた野党6党の合計支持率はAKPを上回っているとの報道もある。この先最大7カ月にも及ぶ選挙戦の行方は予断を許さないが、政権交代が起きる可能性が高まらない限り、リラが大きく反発する展開は見込めないだろう。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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