トルコリラの焦点「6.5%の利上げでもリラは史上最安値に…新総裁のもと、連続利上げが出来るか」FX予想

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執筆：株式会社外為どっとコム総合研究所　調査部長　神田卓也（Twitter)

650bp（6.5％）の利上げでもリラは下げ止まらず

トルコ中銀は昨日22日、政策金利を8.5％から15.00％へと引き上げた。声明で「インフレ抑制の道筋をつけるため、引き締めプロセスを開始することを決めた」として、今後も利上げを続ける考えを示唆。利上げは2年3カ月ぶりで、高インフレ下での低金利という異例の政策からの転換を決めた。しかし、20％を超える水準への利上げが期待されていたこともあって、中銀の決定を受けてリラは下落。23日の東京市場でも下落は止まらず、対円をはじめ対ドル、対ユーロでも史上最安値を更新している。

失った信頼は一度の利上げでは戻らない　大統領の横槍に注意

今月就任したばかりのエルカン総裁にとっては市場にダメ出しを喰らう格好の厳しい船出となった。異例の政策によって著しく損なわれた信頼を取り戻すためには、一度の利上げでは不十分というのが現時点での市場の評価であろう。今後もトルコ中銀が粘り強く利上げを続けられるかが焦点となるが、そこで問題になるのが「金利の敵」を自認するエルドアン大統領の存在だ。大統領はかつて、自身の意に沿わない形の利上げを進めた中銀総裁を更迭した経緯がある。声明で「緩やかに引き締めを行う」としたエルカン総裁の方針に大統領が横槍を入れないか見極める必要がありそうだ。