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「トルコ中銀政策金利発表を予想、大幅利上げでリラ浮上なるか?」特集 野村雅道氏 2023/6/21

注目の6月22日20時予定のトルコ中銀政策金利発表について野村雅道氏のコメントをまとめました。

目次

▼トルコ中銀政策金利発表、ここがポイント:合理的な政策は持続できるか、成功できるか
▼トルコ政策金利予想:リラ大幅上昇の条件は
▼トルコリラ解説 動画
▼トルコ中銀政策金利発表ライブ解説(22日19:45配信開始予定)

トルコ中銀政策金利発表、ここがポイント:合理的な政策は持続できるか、成功できるか

新任の財務大臣のシムシェキ氏と新しいトルコ中央銀行総裁のエルカン氏、両者ともアメリカのインベストメントバンクに勤務していた経験を持つ。両名の政策は自由主義に基づいており、トルコの金融政策について合理的なアプローチが期待されている。トルコが抱える39%のインフレーションを受けて、6月22日20時(日本時間)発表予定のトルコ中銀政策金利発表で、市場は利上げを予測している。その予想の幅は14%から40%と広いレンジである。また、利上げは段階的に行われるという予想もある。トルコ中央銀行の調査も行っており、金利が18.3%まで引き上げられると予測。一方、市場コンセンサスでは利上げ幅は20%ほどとされている。

エルドアン大統領は財務大臣と中銀総裁の意見に同意すると表明しているが、先週、「低インフレ・低金利政策の下でインフレを一桁台に押し下げる決意だ」と述べた。金利は低い方が良いという持論は変わっておらず、目下は短期的なインフレ抑制につながるような政策を求めているようだ。しかし、インフレを容易に下げることや経常収支を黒字化することは困難であると予測されている。

貿易構造の観点から見ると、トルコには特別な「売り」がない。自動車部品や繊維製品など、他の国も生産しているものが主な輸出商品であり、貿易の構造改革が難しい。資源輸入に関しては支出の全体の20%近くを占め、リラ売りに影響すると考えられる。

これまでのリラ安対策は大きな効果をもたらしていない。そのため、政策として利上げが選択される可能性があるが、これは短期的な解決策であり、経済構造が根本的に改善されなければ、再びリラ売りが始まる可能性がある。最終的な解決策としては、EU加盟が考えられる。トルコは1987年にEU加盟申請を行っているが、人権問題やヨーロッパとの関係悪化などで未だに進展が見られていない。

同様の状況下にあったギリシャは、EUに加盟したことで経済が安定し、通貨も安定、低金利を勝ち取った。これがトルコにとって最終的な解決策となる可能性がある。エルドアン大統領は先週、フォンディアライエン欧州委員長と電話で会談し、EU加盟に関し、適切かつ誠実なアプローチをとるよう求めた。EU加盟、通貨統合への参加はまさに起死回生策だ。

トルコ政策金利予想:リラ大幅上昇の条件は

トルコリラ相場について、短期的には政策金利の上昇幅により値動きが変わることが予想される。20%の利上げとなればリラ買いが想定される。逆に20%以下であれば、リラ売りにつながるだろう。

また、毎月行われる政策金利発表で、利上げが継続されるかが焦点になろう。エルドアン大統領が継続利上げに不満を示すかも課題になっていく。
金利を単純に上げれば経済が上向くわけではないことは、過去のアルゼンチンやジンバブエ、ギリシャ、スペイン、ポルトガルの事例から明らかである。だからこそ、短期的な動きよりも長期的な視点から経済改革が必要であると考えられる。

トルコリラ解説 動画

トルコ中銀政策金利発表ライブ解説(22日19:45配信開始予定)

【参考】高金利3通貨比較(メキシコペソ・南アランド・トルコリラ)

野村雅道氏のトルコリラレポート

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野村雅道 氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。
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