執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也(Twitter)
トルコが新欧米路線へ?スウェーデンNATO加盟を承認
NATO加盟国でありながらロシアとも友好関係を築くなど、独特な外交スタンスを取っていたトルコが親欧米路線に舵を切ったとの見方が出ている。エルドアン大統領は10日、これまで反対していたスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を承認。トルコは見返りとしてスウェーデンから欧州連合(EU)加盟への支持を取り付けた。バイデン米大統領は、スウェーデンのNATO加盟に向けた動きを評価した上で、トルコへ戦闘機F16を売却するために議会と調整に入る考えを明らかにした。トルコは経済面でも、中銀のエルカン新総裁が6月にインフレを抑制するために利上げを決めるなど、これまでの独自路線を改め、常識的な金融政策へ転換する姿勢を示している。
依然厳しい市場の評価 リラ安は継続
ただ、トルコに対する市場の評価は依然として厳しい。リラは対円で13日に5.236円前後まで下落して史上最安値を更新。これについては円高の影響も小さくないが、リラは対ドルでも軟調で12日には26.1476リラ前後まで下落して史上最安値を更新している。リラが市場の信認を回復して反発するにはもう少し時間がかかりそうだ。なお、来週20日にはトルコ中銀が政策金利を発表する予定で、追加利上げを決める公算が大きいと見られている。
トルコリラ チャート一覧
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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