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メキシコペソ 月間為替予想「天井知らずのペソ上昇…8.7円が見えてきた」FXレポート 2023年7月

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目次

▼メキシコの金融政策
▼メキシコの金融政策
▼メキシコペソの予想

メキシコの経済状況

6月8日に発表された5月のCPIは前月比0.32%と4月の0.39%、予想の0.33%を下回りました。前年比は4月の6.25%、予想の5.9%を下回り5.84%となり2021年8月以来の6%割れとなりました。
コアインフレ率(農畜産物とエネルギーを除く)は前年比で4月の7.67、予想の7.4%を下回り7.39%となりました。
6月22日に発表された6月前半のCPIは前年比5.18%となり2021年3月以来の水準に鈍化しました。

メキシコの金融政策

5月31日に発表されたメキシコ中銀の四半期経済報告ではインフレ率を引き下げるために現行水準での金利を長期間維持する可能性を示しました。
6月1日に発表された5月の金融政策決定会合の議事要旨では「インフレ率は鈍化しているが高止まりしている」と強調しました。
6月22日の会合でメキシコ中銀はコンセンサス通り政策金利を11.25%に据え置きました。5月に続き2会合連続の据え置きになりました。
足元のインフレ率の鈍化が想定以上のペースで進んでいることを示唆しました。リスクのバランスは依然として上振れ方向に傾いているとしましたが、CPIの鈍化を受けて警戒感はやや低下している可能性もあります。
今回の声明では、「インフレ見通しは予測期間全体を通して不透明であり上振れリスクを伴う。インフレ率の3%の目標への秩序的、持続的に達成するために政策金利を長期間にわたって現行水準で維持することが必要になるだろう」との見解を示しました。
この文言は5月のガイダンスと同じもので、5月に利上げスタンスから中立スタンスに舵を切ったメキシコ中銀は長期間の政策金利維持の姿勢を示しました。
政策金利を長期間据え置いた後の次の一手は利下げが予想されます。ただメキシコ中銀は伝統的にFRBとの金利差を維持し資金流出を防ぐ金融政策を行っています。
今後FEDが利上げを停止すればよいのですが1~2回の利上げを行った場合は、メキシコ中銀は再度利上げをしないまでも利下げはかなり先にずれ込み金利水準の維持が長引く可能性はあります。

メキシコペソの相場予想

ドルペソは5月の安値17.41ペソ付近を下抜けして6月16日に17.024ペソまで下落し2015年12月以来のドル安・ペソ高のレベルまで下落しました。
戻り高値は17.26ペソ付近になっており再び17.08ペソ付近まで下落しています。17ペソ付近が短期的なサポートとして意識されここが維持されれば17~17.30ペソのレンジを予想します。
17ペソを下抜けする場合は2015年11月の安値16.33ペソ付近への下落を予想します。
メキシコペソ/円は節目の8円を上抜けしてから上昇が続き8.33円付近が一旦高値になりましたが押し目は8.19円付近となり8.42円付近まで上昇しています。
8.19円付近は短期的なサポートとなっています。この上は2014年11月の高値8.72円付近が当面の高値の目途と思われます。

メキシコペソ円 週足チャート

メキシコペソ 特設サイト:
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チャート:
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当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
YEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。YouTubeなどで個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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