目次
▼最新のドル円相場は…昨年、為替介入の水準145円台を一時突破
▼ドル円相場をテクニカル分析で確認…足元の上昇基調は加速、145円を明確に突破できるか
▼ターニングポイント…円安けん制後の下落ポイント=押し目買いポイント?
▼来週のイベント
昨年、為替介入の水準145円台を一時突破
ドル/円は今週も上昇基調が継続しており2022年11月10日以来の145円台まで上値を拡大しました。米6月消費者信頼感指数が1年5カ月ぶりの高水準を記録したことや米1-3月期GDPが上方修正されるなど米経済の堅調維持との見方からドル買いが強まりました。また、欧州中銀(ECB)フォーラムでパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「あと2回の利上げが多数派」などとタカ派的スタンスを示したこともドル買いの後押しとなっています。一方で植田日銀総裁は早期の緩和修正には慎重な姿勢を示しており、海外中銀と日銀による金融政策の方向性の違いが際立ったことで円安が加速し週末30日には145円を突破する動きを見せています。そうした中で、本邦当局による円安けん制発言が相次ぎましたが、市場の反応は限定的となっています。一時は円高に振れるも再び円安が進行するといった値動きが続いています。
ドル円相場をテクニカル分析で確認…足元の上昇基調は加速、145円を明確に突破できるか
週足チャート見ますと、13・26・52週線が上向きを維持しており、RSIについては70ラインに向けて上昇している事から足元の上昇基調が強まっていることがわかります。目先は145.00円付近が上値抵抗となっているため、しっかり上抜けられるか、反落するか見極めていく必要があります145円を突破した際の上値メドは、V計算値:146.171円、E計算値:148.593円、150円付近が意識されるのではないかと見ています。一方で、反落した場合でも上昇基調に変わりはありませんので押し目ポイントを探っていくことになります。例えば144.00円前後、133.00円前後は支持として意識されていますので同水準で反発すれば取引のタイミングとなる可能性もあります。
※V計算値=(B-C)+B E計算値=(B-A)+B
ターニングポイント…円安けん制後の下落ポイント=押し目買いポイント?
今週も上昇基調が続く中で、政府は連日で円安をけん制しました。いわゆる口先介入を行い円安の加速を緩めたのですが、効果は一時的でした。けん制後は一時は円買いに振れるも為替介入への警戒感が薄れる海外市場に入ると再び円安が進行するといった動きが続いています。つまり、口先介入が押し目買いポイントを作ってくれているという相場展開となっています。政府が円安をけん制して円買いに傾いた後の反発局面が「買い場」となる可能性があります。しかし、為替介入への警戒感は高まっていますので、万一の急落に備えた上で取引のタイミング行っていきましょう。
来週の重要イベント
7/3☆日銀短観
7/3☆中国6月財新製造業PMI
7/3☆米6月ISM製造業景況指数
7/4☆RBA政策金利
7/5☆中国6月財新サービス業PMI
7/5☆FOMC議事録
7/5◎ウィリアムズNY連銀総裁講演
7/6◎豪5月貿易収支
7/6◎ユーロ圏5月小売売上高
7/6☆米6月ADP全国雇用者数
7/6◎米5月貿易収支
7/6☆米新規失業保険申請件数
7/6☆米6月ISM非製造業景況指数
7/6◎米5月JOLTS求人件数
7/6◎ローガン米ダラス連銀総裁講演
7/7◎独5月鉱工業生産
7/7☆ラガルドECB総裁講演
7/7◎カナダ6月雇用統計
7/7☆米6月雇用統計
7/9☆ベイリーBOE総裁講演
※☆は特に注目の材料 p>
外為どっとコム総合研究所の研究員、宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)が、FX初心者の方にも分かりやすいよう、予想の値動きを示し、FX為替予想を行います。
💬宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい):Twitter
https://twitter.com/gaitamesk_ueha