もしもしそこのアナタ!たまには空からチャートを眺めてみるのはどうじゃろう?
今回はローソク足に棲む妖怪を紹介していくぞ
下落のサイン・妖怪「トンカチ」
上昇のサイン、妖怪「カラカサ」
まとめ
モコじい
チャートの海から生まれたテクニカル分析の精霊
年齢は自称数百年ということだが、相場の歴史はそこまで長くないので怪しい説が浮上中
モコみ
モコじいの孫。アルバイトで各通貨ペアのチャートを回っている
カロリーを消費することがキライで高いところを飛ぶのが苦手
- モコじいじゃ
今回は空からチャートに棲む妖怪たちをみつけていくぞ - うわ~たのしそう!
いったいどんな妖怪が棲んでいるのかな
さっそく飛んでみましょ
下落のサイン・妖怪「トンカチ」
- さて、まずは近場で空中散歩といこうかの
おなじみのドル/円じゃ - えーっと・・・ 年初に長~いローソク足がありますけど、あれが妖怪ですか?
- あれはただの大陰線じゃ
この年も年初は大きく下げたようじゃの
年央に向かってもっと飛んでみよう - 春から切り返して・・・114円半ばまできましたよ
モコじい見てください!なにかいますよ
- どうやらアタリのようじゃ
ちょっと降りてみようかの - ドキドキしますねえ
- モコじいじゃ
おぬしは妖怪じゃな? - そうだよ、こんな山頂までなにか用かい?
- モコじい、いきなり古いダジャレが出ました!
- 名はなんというのじゃ?
- 俺は「トンカチ」っていうんだよ
- いつから棲んでおる?
- おととしの秋かなァ
まだ来たばかりだね
(声)
ドル/円の週足に棲みだして1年あまりというトンカチさん
お仲間はなかなかできませんが、2018年最高値で悠々自適の生活を送っているそうです
- おぬしはどんな妖怪なんじゃ?
- 俺は上ヒゲが長くて、実体部が短くて、下ヒゲがほとんどないローソク足だよ
トンカチ:上ヒゲが長く、実体部が短く、下ヒゲがほとんどないローソク足
- たしかにトンカチみたいなカタチじゃな
- 高値圏で俺が出ると、下落のサインになると言われているのさ
(声)
トンカチは大きく上昇して高値をつけたあとで急落して、始値に近い価格で終わるローソク足のことです。
高値圏でトンカチが出ると相場が反転して下落トレンドとなるといわれています。
- 言われてみれば下落しておるのう
- そうだろ?
こう見えてもレアキャラなんだぜ - ほかにお仲間はいないんですか?
- 欧州に兄貴が棲んでいるよ
かなり歳が離れているけどな - ほうほう
モコみ、ちょっと会いにいってみようかの - えー、今からですかあ?
- 散歩のついでにユーロ/ドルへひとっ飛びじゃ
- 2004年~2005年ですね
ずいぶん遠くまできちゃいましたねえ - こっちはわかりやすい山になっておるのう
- モコじい、2004年末の山頂に何かいます!
- よし、降りてみるぞ
- モコじいじゃ
- な、なんですか!?
- おぬしはトンカチか?
- そうです、よく知ってますね
(声)
ユーロ/ドルに棲みだして15年以上というトンカチ(兄)さん。
当時は米国の経常赤字や地政学的リスクを背景にドルが売られた時代。
その受け皿としてユーロが買われ、ユーロ/ドルは史上最高値を連日更新していました。
ただ、トンカチさんが出た後は米国の度重なる利上げなどを背景にドルが買われ、ユーロ/ドルは反落したのです。
- ワタシ、「トンカチ」の名前で呼ばれたのは久しぶりですよ
- ドル/円にいる弟さんに聞いたのじゃ
13歳差とはまたずいぶん歳がはなれているのう - あのー、実体部がずいぶん薄いですけど
やっぱりトンカチなんですか? - ええ、そう呼ばれていますよ
(声)
トンカチの定義は、上ヒゲ長くて、下ヒゲがほとんどない、実体部が小さいローソク足が高値圏で出ること。
この場合も下ヒゲがほぼないのでトンカチと呼んでもいいそうです。
- よくみると、おぬしが現れたあとはやっぱり下落しておる
兄弟よく似ておるのう - よく言われます
でも弟が言っていたと思いますが、わたしたちトンカチがチャートに棲むことはあまりないのです - あまりお会いできないなんて、寂しいですねえ
- なので、この先に弟や妹が棲み着いたらぜひ注目してください
きっとお役に立てると思います!
上昇サイン、妖怪「カラカサ」
- 次はもうすこし足を伸ばしてみるぞ
やってきたのは2012年のドル/円じゃ
- モコじい、さっきとチャートの様子がぜんぜん違いますよ
モミモミもみ合っていますけど、こんなところに妖怪なんているんですか? - どうも隠れておるようじゃな
- えー、どこですかあ?
- よ~くみるんじゃ
2012年9月に下ヒゲがぴょこんと飛び出しているローソク足があるじゃろう? - あっモコじい、いました!
- よし、降りてみよう
- モコじいじゃ
おぬしは妖怪か? - そうですナ
- お名前をうかがってもいいですか?
- わいは「カラカサ」いいますナ
- おぬしはどんな妖怪なんじゃ
- わいは上ヒゲがほとんどなくて、実体部が細くて、下ヒゲが長~いのが特徴ですナ
安値圏でわいが出ると反発のサインになると言われていますナ
カラカサ:上ヒゲがほとんどなく、実体部が細く、下ヒゲが長~いローソク足のこと
(声)
カラカサさんがドル/円に棲みだして7年あまり。
一見地味なチャートにいてわかりにくいのですが、じつは根強いファンも多く、時々こうして取材を受けることもあるのだとか。
- へ~ファンがいるなんてすごいですねえ
- なぜファンが多いのじゃ?
- わいの先にあるチャートを見てみなはれ
- どれどれ
- モコじい、すごい上昇してます!
(声)
2012年の年末にかけて米国では利下げが好感されて株価が上昇したほか、日本でもアベノミクスがスタートしてドル/円が大きく上昇した時期。
長らく低迷していたドル/円がついに100円を突破したのはここから間もなくのことです。
- この上昇を予見していたのがわいというわけですナ
- これは驚きじゃ
ファンが多いのもわかるのう - カラカサさんは他のチャートにはいないんですか?
- そういえばユーロ/ドルで見た気がしますナ
ただ、ちょっとビミョーですナ - どのへんがビミョーなんですか?
- それは見ればわかるじゃろう
モコみ、さっそく行ってみるのじゃ - えー、またですかあ?
- 2010年のユーロ/ドルにやってきたぞ
- ひー、月足はカロリー高いですねえ
- で、どこにおるんじゃろうな?
- 上ヒゲがほとんどなくて、実体部が薄くて、下ヒゲが長~い・・・うーん
- モコみ、もっとよく探すのじゃ!
- そんなこと言ったって・・・
あっモコじい、あれじゃないですか!?
- あ、おった!
モコじいじゃ - うわっなんですかネ!
- おぬし、もしかしてカラカサじゃないのか?
- そう・・・なのですかネ
- え、ちがうんですか?
- たしかに「カラカサ」と言ってくれる人もいますネ
でも、上ヒゲがちょっと出ちゃっているからあまり堂々と名乗れないネ・・・
(声)
2010年6月からユーロ/ドルの住人となったカラカサさん。
上ヒゲがほとんどないというトンカチの定義を完全には満たしていないため、ちょっと微妙なローソク足になっています。
ただ、ユーロ/ドルはギリシャ財政懸念の過熱感が一服すると2010年半ばから反発しており、その動きを予見していたとみることもできそうです。
- そんな事情があったんですねえ
- たしかに微妙じゃが、出現後は反発しておるしのう
- そうですかネ
わてのような足のときは決めつけずに様子見して、他のテクニカルもよく見て判断したほうがいいかもですネ - ちょっと違う形の場合は注意してみたほうがいいんですねえ
- ところでわしらはローソク足の妖怪を探しているんじゃが、ちと面倒になってきてのう
おぬし、ほかに知らんか? - モコじい、展開が雑になってますよ!
- ちょっと昔のドル/円にいましたネ
- それはなんという妖怪じゃ?
- わての親戚で「首吊り線」いいますネ
- うわっこわい名前!
モコじい、もう帰りましょうよ~ - なにをいっておる、妖怪さがしは始まったばかりじゃぞ
- えー、眠いからこれで最後ですよ~
- というわけで次回に続くのじゃ!
(声)
空からチャートを見てみよう、次回は「カラカサの親戚?吊られすぎの妖怪『首吊り線』は誰もが知るあそこにいた!!」です。
おたのしみに~
まとめ
過去記事(まんが!週刊FX)
2020年1月17日号
「リスクに立ち向かえ!決して倒せない敵ではない!!」
2020年1月10日号
「アメリカとイランは戦争間近!?中東の地政学的リスクとは」
2019年12月27日号
「1年の計は元旦にあり!1月の為替動向を先取りなのだ」
2019年12月20日号
「通貨について知ろう!~ポンド編~」
2019年12月13日号
哀愁と追憶の米金融政策・・・FOMCをしっぽり振り返る powered by 外為白書
2019年12月6日号
「売る?買う??悩んでるなら、まず【外為注文情報】をチェック!」
2019年11月29日号
「外為どっとコムに新通貨ペア!?ルーブル爆誕」
2019年11月22日号
「値動きの大きい通貨ペアを探せ!『ボラティリティ』の活用法と注意点」
2019年11月15日号
「通貨について知ろう!~ユーロ編~」
2019年11月8日号
勝利者などいない!米中貿易戦争の流れと行き着く先とは powered by 外為白書
2019年11月1日号
「スプレッドたかが数銭、されど数銭!塵も積もれば山となる」
2019年10月25日号
「香港デモは為替に影響する?」
2019年10月18日号
「トリック・オア・トリート!ハロウィン効果を検証なのだ」
2019年10月11日号
「通貨について知ろう!~日本円編~」
2019年10月4日号
ソフトでも、ハードでも?ドロ沼の英国ブレグジットをざっくり振り返ろう! powered by 外為白書
2019年9月27日号
「今さら聞けない!?ロスカットと口座照会のヒミツ」
2019年9月20日号
「トルコリラと過ごしたあの夏の日々」
2019年9月13日号
「身の毛もよだつ怪奇現象……?スリッページを克服」
2019年9月6日号
「通貨について知ろう!~米ドル編~」
2019年8月30日号
「決めろバックドロップ!?逆転相場にも使えるトレンドライン」
2019年8月23日号
「『相関?』『逆相関??』どんな関係なのさ!」
2019年8月16日号
「ゴトウさんの次はナカネさん!?仲値ってなんなのさ」
2019年8月8日号
「人も相場もだらけちゃう?『夏枯れ相場』を乗り切ろう!」
2019年8月2日号
「上昇?下落?勝負相場の強い味方、トレンドライン!」
2019年7月25日号
「ゴトウさんも注目!?5・10日(ゴトー日)ってなんなのさ」
2019年7月19日号
「指値の上手な使い方」
2019年7月12日号
「初心者さんにオススメの通貨ペアってなぁに?」
2019年7月3日号
「為替相場は需給バランスで決まる!」
2019年6月27日号
「円高円安、日本にとってどっちがいいの?」
2019年6月20日号
「日本の経済指標で、なんで為替レートは反応しないの?」
2019年6月12日号
「ディオス・ミーオ!メキシコ関税超短期決戦!」
2019年5月10日号
「虚実綯い交ぜ!?アノマリーってなんなのさ」