主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年6月27日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼26日(月)の為替相場
(1):神田財務官 円安けん制発言
(2):円買い介入警戒感高まる
(3):独IFO 7カ月ぶりの低水準
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:介入警戒感が上値を抑える流れ/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
26日(月)の為替相場
期間:26日(月)午前7時00分~27日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):神田財務官 円安けん制発言
神田財務官は円安の進行について「足元の為替の動きは急速」として「行き過ぎた動きには適切に対応したい」と発言。円買い介入の可能性を問われ「どんなオプションも排除しているわけではない」と答えた。
(2):円買い介入警戒感高まる
松野官房長官は円安について「足元では急速で一方的な動きも見られる」「高い緊張感を持って注視し、行き過ぎた行動には適切に対応する」と述べた。相次ぐ円安けん制発言で円買い介入への警戒感が高まるとドル/円は一時143円台を割り込んで下落。クロス円でも円買いが優勢となった。ただ、日銀と海外中銀の金融政策の方向性を意識した円売りニーズも根強く、ドル/円やクロス円の下値は堅かった。
(3):独IFO 7カ月ぶりの低水準
独6月IFO企業景況感指数は88.5と市場予想(90.7)を下回り、昨年11月以来の低水準となった。先行きの見通しを示す期待指数が83.6と前月の88.3から大きく低下した。独IFO経済研究所の所長は「ドイツ経済のセンチメントは著しく悪化している」との見解を示した。
26日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:介入警戒感が上値を抑える流れ
昨日のドル/円は高値圏でもみ合う展開。本邦政府筋による円安けん制発言が相次ぐと142.93円前後へと下落したが142円台では押し目買い意欲が強く、海外市場で143.71円前後まで持ち直した。
ただ、前週末に付けた年初来高値の143.87円前後を前に伸び悩むなど方向感を欠く動きだった。下値では日米金融政策の方向性の違いを意識した買いが入りやすい一方、円買い介入への警戒感が上値を抑える流れは本日も続く公算が大きい。
東京市場では年初来高値の更新と144円台への上伸は難しいと見るが、介入への警戒感がやや薄れる海外市場ではその可能性がいくぶん上昇しそうだ。なお、本日のNY市場では5月耐久財受注、6月消費者信頼感指数、5月新築住宅販売件数など複数の米経済指標が発表される。
注目の経済指標:米新築住宅販売件数
注目のイベント:ラガルドECB総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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