豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・原油価格は下落。来年以降の世界景気の悪化見通しが原油相場の重石となった。一時、1バレル=77ドル台まで下落した(12月28日)。
・豪11月雇用統計で、雇用者数は6.4万人増加して市場予想(1.9万人増)を大幅に上回った。失業率は3.4%で前月と変わらず。また、労働参加率は66.8%となった(12月15日)。
・12月6日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通りとなる0.25%の利上げを実施し、政策金利を3.10%とした。今後の利上げペースに関してはデータ次第とした。
・11月16日に発表された豪7-9月期賃金指数は前年比+3.1%と予想の+3.0%を上回り、4-6月期の+2.6%から伸びが加速した。
・RBAは12月のRBA理事会議事要旨を公表。今年5月の利上げ開始以来初めて、金利据え置きが選択肢に入った(12月20日)。
今日のメインシナリオ
中国の政策転換により、全世界に新型コロナ拡散懸念。リスクオフでも豪ドル/円は底堅い⁉
本日は12月29日。本日分から外国為替市場での直物為替取引(スポット取引)の決済日(バリューデート)が年明けとなる。そのため、海外勢の取引も理論上は過去新年モードとなり、過去2週間ほどと比べると活性化されそうだ。ただ、本日は経済指標等のあらかじめ予定されている材料は少ない。
中国ではゼロコロナ政策の緩和が順次実施されている。それに伴い、中国国内では新型コロナの感染者数が爆発的に増えており、中国から海外への渡航者にも陽性者が多数搭乗しているようだ。イタリアでは、中国発ミラノ着便の乗客のほぼ半数が陽性者(ほとんどが無症状)だったことで、中国から到着する便の全乗客に対し検査を義務化するとともに、今後は更に厳格な制限を課す可能性があることを示している。中国の政策転換により、世界中に新型コロナが拡散される懸念が強まっており、リスク回避の姿勢を強めやすい状況となっている。
資源国通貨である豪ドルは、通常世界的にリスク回避姿勢が高まると、売られやすい通貨となる。昨日も、NY時間に入るとリスク懸念から主要通貨の中では弱い部類の通貨となった。他方で、先日イールドカーブコントロール(YCC)の許容変動幅拡大を実施した日銀は昨日、金融緩和を続ける方針であることを改めて表明している。そのため、円も主要通貨の中では売られやすい通貨となっている。こういった状況下にあるため、豪ドル/円の下値は底堅くなりそうだ。
個別の想定シナリオ
■中国の新型コロナが世界中に拡散される懸念が高まる
⇒リスク回避の姿勢が強まる
⇒豪ドルはリスクマインドに敏感
⇒豪ドルは売られやすい
チャート分析
今後の注目材料
世界的な株価動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。7時に豪ドル/円の移動平均と豪ドル米ドルのMACDで売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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