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FX「中銀総裁がランド高示唆、既に年間では最強通貨」南アランド見通し

 

総括

FX「中銀総裁がランド高示唆、既に年間では最強通貨」南アランド見通し

「通貨首位、株価8位」
「予想レンジ 南アランド円8.4-8.9」

(ポイント)
*10月はここまで5位、年間では首位を維持
*9月消費者物価は4%割れ
*中銀総裁がランド高示唆
*IMFが成長見通しを上方修正
*10月30日に中期予算政策声明
*パラジウム急騰もランドを支える
*BRICS会議でのラマポーザ大統領発言にDAが批判
*インフレ目標引き下げは可能
*南アの弱点は高い失業率に不満、スト続く
*アゴア法適用継続で南アの対米輸出への恩恵続くが、ガザ問題で関係悪化も
  
(年間首位を堅持)
 南アランドは10月はここまで5位、年間では首位を維持。対円で年初来11.95%%高。株価指数は年初来13.16%高。総選挙前は一時マイナス圏だっただけに上昇ぶりは素晴らしい。10年国債利回りは9.29%。

(4%割れ、9月消費者物価、追加利下げか)
 9月の消費者物価上昇率は前年同月比3.8%と前月の4.4%から減速し、3年超ぶりの低水準を記録した。中銀が来月に追加利下げを行うとの見方が強まっている。
南アのインフレ率は十分抑制されており、今後約6カ月間は総合指数が4%を下回る見通しだ。
中銀は、9月に政策金利を0.25%引き下げて8%としたが、依然リスクがあると慎重な姿勢を示した。

(中銀総裁がランド高示唆)
 クガニャゴ中銀総裁は、政府が改革と慎重な政策を推進すれば、ランドはさらに上昇する余地があると語った。
 ランドは新興市場通貨の中でトップの成績を収めており、今年初めから米ドルに対して約3.5%上昇している一方、ランドの同等通貨の大半は米ドルに対して下落している。
 「前向きな勢いがあるはずだが、その前向きな勢いは市場によってのみもたらされるものではない」と、クガニャゴ総裁はワシントンで語った。
 「政府が今後も決意を持って行動し、慎重な政策と構造改革の道を歩み続けるかどうかが重要になる」と述べ、改革の勢いは通貨を支えるだけでなく、同国の債券や株価を支える可能性もあると付け加えた。
 南ア財務省は今夏、エネルギー、貨物、水道、通信部門における一連の改革を発表し、支出を削減して歳入を増やすとともに、中期的に借入金を減らすためのさらなる措置を講じると約束した。

(IMFが成長見通しを上方修正)
 IMFは、10月、南アの成長率が1.1% (1月の見通しより0.1ポイント上昇)と予想しており、2025年の予測も0.3ポイント上昇して1.5%となるとした。政府は近い将来に3%以上の成長という高い目標を掲げている。
 依然として多くの問題が残っているが、問題に対処するための姿勢や行動計画はより前向きになり、勢いを増している。
 電力面では、国内の電力供給制限はほぼ終了したと宣言されており、エスコムは210日間にわたって電力供給制限がなく、発電と発電所の稼働状況が大幅に改善したとしている。
 ただIMFは、今後2年間で同国の失業危機が好転するとは予想していない。2024年の平均失業率は33.7%(2023年の33.1%から上昇)となり、2025年には33.9%に悪化すると予測している。

(10月30日に中期予算政策声明)
ゴドンワナ財務大臣は10月30日に中期予算政策声明(MTBPS)を発表する予定だ。国民統一政府(GNU)の樹立により、南アの政治的安定、財政責任の改善、経済改革に関する新たな楽観主義の枠組みが作られると見ている。

(パラジウム急騰もランドを支える)
 バイデン政権がロシアのパラジウムとチタンの輸出に制裁を要請したとの報道を受け、パラジウムは今月20%近く上昇している。南アのパラジウム産出はロシアに次いで世界2位。米国がG7に対し、ロシアのパラジウムとチタン金属の輸出に制裁を課すことを検討するよう要請したと報じられている。

テクニカル分析(ランド/円)

一時、ボリバン2σ上限を突き抜け

 日足、10月23日にボリバン2σ上限を突き抜けた後は上位へ戻り小動き。ボリバン上位。5日線。20日線上向き。10月17日-25日の上昇ラインがサポート。10月23日-25日の下降ラインが上値抵抗。
 週足、前週は5週ぶり陰線だが先週は切り返す。10月14日週-21日週の上昇ラインがサポート。7月8日週-10月21日週の下降ラインが上値抵抗。5週線が20週線を上抜く。
月足、8月、9月は下ヒゲが長い。10月はここまで陽線。ボリバン上限近い。8月-9月の上昇ラインがサポート。7月-9月の下降ラインを上抜く。5か月線、20か月線上向き。
年足、陽線維持。21年-23年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインを上抜く。

喜望峰

BRICS会議でのラマポーザ大統領発言にDAが批判

 ラマポーザ大統領は、BRICS首脳会議で演説した。ロシアに対しては、アパルトヘイト解放運動期の支援に謝意を示し、当時から続く連帯関係の維持を確認した。
 ただ、ラマポーザ大統領のこの発言に対し、GNUを構成する民主同盟(DA)からは、公然と批判する声が上がっている。DA党首で、GNUでは農業相を務めるスティーンヘイゼン氏は、「プーチン氏は大統領の同盟者かもしれないが、南アの同盟者ではない」とし、DAとしては「プーチン氏やロシアを同盟者とは考えていない」との立場を明確にした。また、GNUの優先政策は経済成長と雇用創出であり、GNU発足後、南ア経済の将来に対し希望的見方が広がる中で、「良好な国際関係と貿易関係を危険にさらすような発言は、政府にとって絶対に許されない」と強烈に批判している。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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