豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は続落。欧州を中心に景気減速懸念が根強く、原油の需要減速懸念から、一時1バレル=95ドル台まで大きく下落。(7月6日)。
・7月5日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。声明は概ね前回と同じ内容で、経済指標次第では次回以降も大幅利上げの可能性を残した。
・中国・上海では市内16区中9区で新型コロナの大規模検査を開始。再びロックダウンへの警戒が燻り始めた(7月5日)。
・5月分の豪雇用者数は6.06万人増と予想の2.5万人増を大幅に上回る。失業率は前月と同じ3.9%に留まったが、労働参加率が66.7%(前月66.3%)へ上昇。過去最高となった(6月16日)。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。
・4月27日発表の豪2022年1‐3月期 消費者物価指数(CPI)は前年比+3.7%(トリム平均)とRBAの目標レンジ(2~3%)を突破。市場の予想(+3.4%)を大きく上回る結果となった。
今日のメインシナリオ
欧州リセッション懸念の影響から豪ドル/円も買われにくい
欧州が年内にリセッション入りするとの懸念が強く、リスク回避の米ドル、日本円買いとなっている。本日は豪5月貿易収支が発表される。前月よりも、貿易黒字が増加する予想となっている。欧州をはじめとした世界経済減速への警戒感が高まっているため、資源国通貨である豪ドルを買いにくい状況は続いている。
明日の米6月雇用統計を前に、ここ数日で極端に傾いた「米ドル買い」に対する調整(=「米ドル売り」)が持ち込まれる可能性はある。調整が入れば豪ドル/円は買い戻されることとなりそうなので、素直に流れに乗って行けばよいだろう。それまでは豪ドル/円は上値が重くて下げやすい状況と見ておいたほうがよさそうだ。
今後、市場のリスク回避姿勢が強まる可能性として、欧州のリセッション懸念の強まりが考えられる。そのため、欧州の経済指標にも注意しておきたい。
個別の想定シナリオ
■市場ではリスク警戒感が高まっている
⇒豪ドルはリスク心理に敏感
⇒豪ドル売られやすい
チャート分析
今後の注目材料
欧米の経済指標
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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