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大口投資家の動向は?「円ネットショート小幅に減少」【最新IMMポジション】2023/7/18

シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼IMMポジション ドル/円
円ネットショート小幅に減少

▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロングやや減少

▼IMMポジション ポンド/ドル
ポンドネットロング増加

ドル/円

IMMポジション ドル/円

ポイント

【円ネットショート小幅に減少】
7月11日時点で円のポジションは、ドルに対して11.7万枚の売り越し(ネットショート)。
ショート、ロングともに同程度取り崩されたことから、ネットショートは前週から約0.1万枚の小幅な減少にとどまった。
期間中のドル/円相場は、米国のインフレ指標が予想を下振れたことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ期待が低下し、140.16円前後まで下落した。
前週から4円近く円高方向に動いたため、投機筋は積み上げていた円ショートのポジションの一部手仕舞いを迫られたようだ。一方で、ロング勢は益出しに動いたと見られる。

ユーロ/ドル

IMMポジション ユーロ/ドル

ポイント

【ユーロネットロングやや減少】
7月11日時点でユーロのポジションは、ドルに対して14.0万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートの積み増し度合いがやや大きかったことからネットロングは前週から0.3万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、米国のインフレ鈍化期待が高まったことでリスクオンの米ドル売りが持ち込まれ、1.10ドル台を回復。
ユーロ/ドルの上昇にもかかわらず投機筋はショートポジションを増やした格好で、ユーロ圏の景気悪化懸念は根強いようだ。

ポンド/ドル

IMMポジション ポンド/ドル

ポイント

【ポンドネットロング増加】
7月11日時点でポンドのポジションは、ドルに対して5.8万枚の買い越し(ネットロング)。
ロング、ショートともに積み上がったが、ロングの積み増し度合が大きかったことからネットロングは前週から約0.8万枚増加。ネットロングは2007年11月以来の水準まで増加している。
期間中のポンド/ドル相場は、英中銀(BOE)の利上げ長期化観測の高まりを受けて、昨年4月以来となる1.29ドル台まで上昇。
根強い利上げ期待により、投機筋はポンドロングを積み上げているようだが、スタグフレーション懸念を背景にショートポジションを構築する向きも一定数いるようだ。


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IMMポジション


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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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