シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング10万枚超に増加
▼IMMポジション ポンド/ドル
ポンドネットショートやや減少
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート減少】
11月1日時点で円のポジションは、ドルに対して7.8万枚の売り越し(ネットショート)。
ショートが大幅に取り崩されたことから、ネットショートは前週から2.5万枚減少。
期間中のドル/円相場は、145.11円前後まで下落するも、その後は148円台へと反発した。
米国の利上げペースが年内に減速するとの観測や、本邦政府・日銀の円買い介入への警戒感などから、投機筋が円の買戻しに動いたと見られる。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング10万枚超に増加】
11月1日時点でユーロのポジションは、ドルに対して10.6万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが積み増され、ショートが取り崩されたことから、ネットロングは前週から3.1万枚増加。
期間中のユーロ/ドル相場は、欧州中銀(ECB)理事会で今後数回の会合に渡って引き上げを継続する」との文言を削除したことで1.00ドルを再び割り込んだ。
そのような中でも投機筋はユーロの先高感を強めている。ドルの割高感が意識され始めた可能性もありそうだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットショートやや減少】
11月1日時点でポンドのポジションは、ドルに対して4.5万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング・ショートともに取り崩されたものの、ショートの取り崩されし度合いが大きかったことから、ネットショートは前週から0.3万枚の減少となった。
期間中のポンド/ドル相場は、約2カ月ぶりの高値となる1.1645ドル前後を付けたのち、緩やかに下落した。
25日に英国のスナク新政権が発足したことで投機筋のポンド先安観がやや後退したと考えられる。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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