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FX/為替「ドル/円147円台 ドル先高観が介入警戒感を上回る」 外為トゥデイ 2022年10月14日号

外為トゥデイ

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2022年10月14日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼13日(木)の為替相場
(1):鈴木財務相 円安けん制発言
(2):英政府 法人税引き上げ凍結案の撤回検討
(3):ドル/円 32年ぶり高値147.66円前後まで上伸

▼13日(木)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:底堅い上昇基調が続く/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

13日(木)の為替相場

期間:13日(木)午前6時10分~14日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):鈴木財務相 円安けん制発言

鈴木財務相が「為替変動の高まりを極めて憂慮」「投機による過度な変動は容認できない」「(為替について)水準ではなくボラティリティーに注目」「投機筋が動いていれば断固たる対応を取る」などと発言。円安けん制を行ったものの市場の反応は限定的であった。

(2):英政府 法人税引き上げ凍結案の撤回検討

一部報道で「英当局者らはトラス首相の減税計画を方向転換する作業を進めている」と伝わると、英財政悪化への懸念が和らぎ英債買い(金利低下)とポンド買いが優勢となった。報道によれば来年の法人税引き上げ凍結案の撤回などが検討されている模様。

(3):ドル/円 32年ぶり高値147.66円前後まで上伸

米9月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%、前年比+8.2%と予想(+0.2%、+8.1%)を上回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比+6.6%と予想(+6.5%)を上回り、40年ぶりの高い伸びとなった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が11月、12月の会合でいずれも75bp(0.75%ポイント)の利上げを行うとの見方が強まる中、ドルが全面的に上昇。ドル/円は147.66円前後まで上伸して1990年8月以来の高値を付けた。一方、クロス円はストレートドルの下落が響き弱含んだ。本邦当局の円買い介入への警戒感から、ドル/円の上昇ピッチがストレートドルの下落ピッチより緩やかだったためと見られる。

13日(木)の株・債券・商品市場

外為注文情報

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本日の見通し

ドル/円の見通し:底堅い上昇基調が続く

昨日のドル/円は32年ぶり高値を更新。米9月消費者物価指数(CPI)が予想ほど鈍化しなかったことを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅利上げを続けるとの見方が広がった。米10年債利回りが14年ぶりに4.075%前後へと上昇する中、147.66円前後まで上伸。1998年高値を僅かに上回り1990年8月以来32年ぶりの高値を付けた。

ただ、その直後に146円台半ばまで1円以上も急落するなど、本邦当局による円買い介入への警戒感が根強いことが改めて確認できる動きだった。もっとも、市場ではドルの先高観が円買い介入への警戒感を上回っていると見られ、売り一巡後は急速に147円台を回復した。鈴木財務相は昨日、介入について「どこか水準があってそこを超えたらではなく、ボラティリティがあれば断固たる措置をとる」と発言。

本日もドル/円が急伸する場面があれば介入が警戒されることになりそうだ。逆に言えば緩やかなピッチでの上昇なら介入警戒感は高まりにくいということだろう。ドル/円の上昇基調は当面続くと見られ、本日も底堅い展開が見込まれる。

注目の経済指標:米9月小売売上高

注目のイベント:米要人発言

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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