
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
日足チャートでは、10日・20日移動平均線が横ばいで絡み合い、方向感を欠く状態が続いている。80日線は上向きを維持しており、長期的な方向性は上方向を示唆しているものの、短期的には明確なトレンドが形成されていない。RSIは50ラインを上回って推移しており、方向としては上を意識しやすい局面でもあるが、高値が切り下がっていることから上値の重さも意識される。
チャートの形状としては、フラッグやペナント、あるいはレクタングル(レンジ)など複数のパターンが候補として浮かぶ。現時点では方向が定まっていないだけに、いずれのパターンに収束するかを見極めることが重要だ。
4時間足では下降チャネルが形成されており、チャネル上限付近に接触した後、再び下方向へ押し戻された格好となっている。下値サポートは157.50〜158.00円のゾーンで、同ゾーン内では繰り返し下ヒゲをつけながら反発する動きが観察されており、底堅さが確認できる。一方、上値は160円付近に強い抵抗帯が存在し、同水準に近づくたびに上値を抑えられる展開が続いている。
ファンダメンタルズ①:イラン情勢
来週の最大注目テーマは米・イラン間の停戦交渉の行方だ。日本時間4月22日には米国とイランの停戦期限を迎えることとなっており、それまでに協議再開や期限延長といった動きが出るかどうかが焦点となる。トランプ大統領は今週末にも協議再開の可能性を示唆したが、ペルシャ湾岸のアラブ諸国や欧州の当局者からは、正式合意までには6か月程度を要するとの見方も示されている。
市場インパクトという観点では、停戦延長程度の動きではドル円相場への影響は限定的とみる。相場が大きく動くシナリオは、①交渉が一気に進展し和平合意への期待が高まる場面、②ホルムズ海峡封鎖リスクの再燃や攻撃再開など情勢が急悪化する場面などが考えられる。
ファンダメンタルズ②:日銀利上げ観測の後退
もう一つの注目ポイントは日銀の金融政策をめぐる市場の見方の変化だ。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)の織り込みをみると、4月会合での利上げは10%台にとどまり、8割超の市場参加者が据え置きを予想している状況だ。一方、6月会合への利上げは60%程度に上昇しており、次回利上げは4月ではなく6月との見方が優勢となっている。
利上げ期待後退の背景には、G7財務相・中央銀行総裁会議後に片山財務相が「G7で利上げは経済に悪影響、今は様子見との声多かった」と述べ、植田日銀総裁も「原油価格上昇が景気に下押し圧力をもたらすリスク」や「負の供給ショックへの金融政策対応は非常に難しい」との認識を示したことも影響した可能性がある。
一方、円安が進行して160円に接近すると為替介入への警戒が高まるため、一方的な上昇も想定しにくい。片山財務相は「必要なら断固たる措置を取る」と発言し、三村財務官も「日米で緊密に連携する」と述べた。協調介入の可能性も念頭に置いた牽制と受け止められており、160円手前では上値が重くなりやすい構図が続きそうだ。
来週の注目イベント
4月21日 米3月小売売上高
4月21日 米上院銀行委員会:次期FRB議長指名公聴会
4月21〜22日 米・イラン停戦期限
4月24日 日本3月消費者物価指数(CPI)
来週の相場見通し
円の需給面から整理すると、①日銀利上げ期待の後退と原油高による交易条件の悪化が円売り圧力を生む一方で、②160円接近時には為替介入への警戒から円売りが手控えられる構図となっており、ドル円は157〜160円台を中心としたレンジ相場が継続する可能性が高い。
方向性を左右するのは米・イランの停戦交渉の進展具合だ。情勢の大幅な変化がなければレンジ内での動きにとどまるとみるが、ホルムズ海峡リスクの急激な高まりや和平合意への期待が急浮上した場合には、レンジを一方向にブレイクするリスクもある。来週後半にかけては日銀政策決定会合(4月末)に向けたリーク記事の有無にも留意が必要で、内容次第では円相場が急変動するシナリオも念頭に置いておきたい。
<ドル/円 日足>

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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