このレポートでは、トルコリラと日本円との為替レートの動き、トルコリラの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 宇栄原宗平
X(Twitter): https://twitter.com/gaitamesk_ueha
動画で解説
動画の概要、まとめ
現状分析
- トルコリラ円が急落:4円台から3.5円を割り込み、14%下落
- トルコリラのみならず、トルコ株や国債も売られている
- 政治リスクの高まりによるトルコリラの投げ売り状態が継続中
急落の要因
- エルドアン大統領の対立候補であるイスタンブール市長(エクレム・イマモール氏)が拘束
- 汚職とテロ組織への資金提供の容疑
- 大学の学位取り消しの可能性があり、次期大統領選挙への出馬に影響の恐れ
イマモール市長の重要性
- トルコで非常に人気がある政治家の一人
- エルドアン大統領の主要なライバル
- 次期大統領選の最有力候補とされていた
- 23日に主要野党から次期大統領候補に指名される方向だった
政治的背景と懸念点
- エルドアン大統領が司法に圧力をかけているのではという憶測(公式には否定)
- 汚職やテロ組織への資金提供の真偽は現状不明
- 政治的な動機による拘束の可能性を市場が警戒
今後の見通し
- 状況が明確になるまでトルコリラは上値が重い展開が続く可能性
- 4円台回復には政治リスクの払拭が必要
- さらなる下落の可能性も否定できない状況
投資判断について
- 長期目線では「安いから買う」という考えも出るかもしれないが現状は不透明感が強く、さらなる下落リスクもある
結論
トルコの政治リスクは久しぶりに大きなものであり、状況が明確になるまではトルコリラの上値は重い展開が続く見込み。投資判断は個人の判断によるが、短期的にはリスクが高い状況。中長期的な視点での取引を検討する場合でも、政治情勢の進展に注意が必要。
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当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界で経験を積み、2017年10月に外為どっとコムへ入社。サポートセンター業務に従事した後、2022年2月より現職。テクニカル分析を中心に、為替相場・金融市場の調査・分析や個人FX投資家向けの情報発信を行っている。
テレビ東京「モーサテサタデー」にコメンテーターとして出演。ストックボイスTVでの解説をはじめ、各種メディアへの出演・コメント実績を持つ。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』ではドル円・ユーロ円の見通しを連載。

