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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「インフレは鈍化したが労働市場は強かった RBAの判断は?」ハロンズ FX 2024/9/21

 

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は94.33円前後で週初を迎えました。米国の大幅利下げへの警戒感が高まる中で、16日の海外時間序盤には93.87円前後まで下落しました。その後は18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米ドル/円が調整含みの動きとなりました。また、17日に発表された米8月小売売上高が市場予想を上回り、米国の景気減速懸念が後退。資源国通貨である豪ドルはこれを好感して買いで反応。FOMC通過後の19日は米ドル/円の上昇につれたことや豪8月雇用統計の結果を好感したこと、世界的に株価が上昇したことなどを支えに一時97.87円前後まで上昇しました。
ニュージーランド(NZ)ドル/円は86.62円前後で週初を迎えました。週初はNZにて主要な経済指標の発表もなく、豪ドル/円同様に底堅い展開となりました。19日にはNZ4-6月期国内総生産(GDP)が発表され、結果は前期比-0.2%となりました。ただ、市場予想が同-0.4%だったことや、FOMCを終えリスクオンの動きとなったことにより、NZドルは一時89.69円前後まで上昇しました(執筆時)。

豪労働市場はまだ強かった RBAは据え置き?

今週発表された豪8月雇用統計の結果は表1の通りです。

【表1:豪8月雇用統計結果】

雇用者数変化が4.75万人の増加を示し、失業率は4.2%、労働参加率は過去最高の67.1%でともに横ばいとなりました。雇用者数変化の大幅増は非常勤雇用者数の増加が寄与したもので、正規雇用者数は前月から僅かながら減少しています。必ずしも、「良い雇用者数の増加」とは言い切れないですが、大幅増は事実です。市場では豪準備銀行(RBA)が近々利下げに動く可能性が更に低下したという評価が大勢を占めています。一方で、豪月次消費者物価指数(CPI)は7月に総合、トリム平均(値動きの大きい上下15%ずつを除いたCPI)ともに、前月からインフレの伸び率が減速しています。ただ、「まだ早期利下げを正当化するペースではない」との評価となっています。
労働市場は引き続き強く、インフレもまだ中銀目標を上回っている状態であるため、24日のRBA理事会では金利が据え置かれることになりそうです。声明から利下げ開始時期についてのヒントを探すことになりますが、RBAはインフレに対して引き続き警戒感を残して状況次第では利上げも辞さないといった姿勢も続けると予想しています。

CPIは鈍化予想だが影響は限定的?

豪州のインフレは一時期反発していましたが、6月以降は再び鈍化傾向になっています。来週はRBA理事会の翌日(25日)には豪8月CPIが発表されます。市場は豪8月CPIは前年比+3.1%になると予想しています(トリム平均の市場予想はない)。仮に予想通りの結果となれば、月次ベースでは2021年10月以来の水準となります。
ただ、RBAがインフレ指標で最も重視しているのは四半期ベースのものになります。RBAは8月の金融政策報告の中で24年末時点のCPIを前年比+3.0%、トリム平均を+3.5%(ともに四半期ベース)と予想していますので、豪8月CPIが予想を下回って7-9月期にも+3.0%を達成することが見通せるような結果(例えば2%台に突入)でなければ、RBAに対する早期利下げ期待が急速に高まるといったことにはならなそうです。なお、7-9月期CPIは10月30日に発表、次のRBA理事会は11月5日に予定されています。

【表2:豪CPIとトリム平均の推移】

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は9月19日に一時的に日足一目均衡表の雲の中に突入しましたが、終値ベースでは下抜けたままです。終値ベースでは雲の中にしっかり入れるかが注目となります。そのうえで、目先の上値目途は8月中旬~後半に上値を抑えた99.00円前後が意識されそうです。その上の水準では9月上旬の高値、日足一目雲上限、200日移動平均線がある100円前後がレジスタンスとして意識されそうです。下値は週足一目均衡表雲下限の94.13円前後が目途となりそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表、200日移動平均線】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:94.00-100.00、NZD/JPY:86.50-92.00

9/23週のイベント:

09/23 (月) 07:45 NZ 8月貿易収支
09/24 (火) 13:30 豪 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表
09/25 (水) 10:30 豪 8月消費者物価指数(CPI)

一言コメント:

大谷選手がついに前人未踏の51本塁打、51盗塁を達成しました!我が家では息子が保育園に登園する前に祖父母と一緒に見ていたようです。スポーツ中継ばかり見ている私の影響もあるのでしょうが、未就学児が夢中になっているって凄いですね。ちなみに息子は私よりもドジャースの選手について詳しいです。

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nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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