オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック
・NY原油先物市場は続落。米8月雇用統計は警戒されたほどの内容ではなかった。ただ米国の景気減速懸念は根強く、原油の需要減退懸念から売りが優勢となった。終値は前営業日比-1.48ドルの1バレル=67.67ドルで昨年6月末以来の水準となった(9月6日)。
<WTI原油・商品CFDチャートはこちらはこちら>
・8月30日に発表された豪7月小売売上高は前月比±0.0%と市場予想(+0.3%)を下回った。
・8月28日に発表された豪7月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.5%となり、前月(+3.8%)から鈍化した。7月31日に発表された豪4-6月期CPIは前年比+3.8%となり、市場予想通りに前四半期(+3.6%)から加速した。
・8月15日発表の豪7月雇用統計は、雇用者数が5.82万人の増加と市場予想(2.00万人増)を上回った。また失業率は4.2%へ悪化(前回:4.1%)したが、労働参加率が67.1%と前回(66.9%)から上昇したことが要因だった。
・8月6日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなった。ブロック総裁は市場の利下げ観測について「先走っている」とけん制した。
今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ
中国インフレ動向に注目 中国経済の先行き不透明感は豪ドルの重石
中国では不動産不況の影響もあり、消費の低迷など景気減速懸念が強まっている。本日は中国の8月CPIと8月生産者物価指数(PPI)が発表される。PPIは2022年10月以降、22カ月連続で前年比がマイナス圏での推移となっており、中国経済の弱さを示している。中国8月PPIの市場予想は前年比-1.5%で前月(-0.8%)からさらなる鈍化が予想されている。中国経済の先行き不透明感が強いためであろう。そのため、中国8月CPIや8月PPIが予想を上回ったとしても、単月のインフレ指標の改善だけでは中国経済減速への懸念を払しょくできないだろう。豪州は中国と交易関係が強いため、中国経済の減速は豪ドルにとってマイナス要因となる。中国8月CPIが予想を下回った場合の方が豪ドル相場は強く反応しそうだ。
豪ドル/円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
日米株価動向
10:30 中国8月CPI、中国8月PPI
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は晴れ、豪ドル/米ドルは曇り。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。