執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
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豪ドル/円チャート(日足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
「足元の豪ドル/円は95円を挟んでもみ合う展開」
豪ドル/米ドルが弱含んだ一方、ドル/円が上昇したため、足元の豪ドル/円は方向感を欠く値動きとなりました。米長期金利が上昇し、米国株が下落した21日には豪ドル/米ドルの下落につれて94.50円台に反落しました。しかし、翌22日は日銀が金融緩和の継続を発表したことから円安主導で95.80円台へと反発。週明け25日には、中国不動産大手恒大集団の資金繰り不安が高まり豪ドル売りに傾く場面もありましたが、ドル/円が11カ月ぶりに149円台に乗せた影響で持ち直しました。ただ、95円台後半の上値は重く、ドルが強含む中で27日には豪ドル/米ドルが2週間ぶりの安値へ下落しており、豪ドル/円も95.00円台へつれ安しています。なお、この日に発表された豪8月消費者物価指数(CPI)は前年比+5.2%と予想通りに前月の+4.9%から伸びが拡大しましたが、豪ドル相場への影響は限定的でした。
「目先の豪ドル/円の注目ポイントはRBA」
10月3日に豪中銀(RBA)が政策金利を発表します。金利は4.10%に据え置かれる可能性が高そうですが、ブロック総裁の下での初会合となるだけに、声明文から読み取れる政策スタンスに変化が見られるか注目が集まっています。ブロック総裁は9月の就任時に「物価上昇率を低く安定させ、目標水準の2~3%にしたい」と述べると同時に「雇用水準をできるだけ高く維持する方法で成し遂げたい」と発言。インフレ抑制が最優先ではあるものの、できる限り景気を犠牲にしないよう金融政策を運営する姿勢を示しました。これは、ロウ前総裁のスタンスと大きな違いはないように見えます。従って、声明文のトーンも前回までと大きく変わらない公算が大きいと考えられます。具体的には、前回声明で「インフレ率が妥当な期間内に目標に戻ることを確実にするためには、金融政策のさらなる引き締めが必要になる可能性はあるが、それはデータとリスクの評価の進展次第だろう」としたフォワードガイダンスが注目されますが、これに大きな変化がなければ豪ドル相場への影響は限られそうです。
当面の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
93.000円~96.500円
基調
方向感模索
当面の注目ポイント
・10/3☆豪中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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