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FX市場、5月もしっかり円安加速!ドル/円ほか通貨ペアが年初来高値を更新!【FX 変動率・スワップポイント累計・取引高ランキング】2023年5月版

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外為どっとコムのFX取引口座『外貨ネクストネオ』1カ月間の取引データ「変動率」「スワップポイント累計」「取引高」をランキング表示した。

文責:外為どっとコム総合研究所 宇栄原宗平

宇栄原宗平(外為どっとコム総研) (@gaitamesk_ueha) / Twitter


集計期間:
2023年5月1日~5月31日の営業日

▼変動率ランキング
南アフリカランド/円が首位に


▼スワップポイント累計ランキング
ユーロ/トルコリラ(売)が首位


▼取引高ランキング
ドル/円の首位は揺るがず


▼まとめ

変動率ランキング:南アフリカランド/円が首位に

計測期間である5月中で最も変動率が高かったのは、南アフリカランド/円(前回:7位)だった。日銀が金融政策の現状維持を決定したことなどから円売りが加速し5月2日に同月高値の7.50円前後まで上伸。しかしその後は、先行きが見えない南ア国内の停電問題が続く中で、南アフリカがマネーロンダリングによりグレーリスト入りとなったことで外国人投資家からの資本流出が加速したことなどから6.91円前後まで軟化した。また、南アフリカがロシアへ武器供与を行ったと在南ア米国大使館から言及があったことも下落要因となったが同件に対してラマポーザ大統領は反論している。武器供与について実際のところはまだ分かっておらず今後の展開によっては米国との関係悪化が懸念されている。

ドル/円は、変動率5.56%で第8位となった(前回:9位)。米5月連邦公開市場委員会(FOMC)で25bp(0.25%)の利上げを決定するも今後の利上げ打ち止めを示唆したとの見方からドル売りが加速。一時133.50円前後まで下落した。その後は、米4月雇用統計が強い結果になったことに加え、米5月ミシガン大期待インフレ率が予想を上回ったことなどから持ち直す展開となった。米連邦準備制度理事会(FRB)高官によるタカ派発言が相次ぐ中でドル買いが加速、また、植田日銀総裁が金融緩和を維持するスタンスを示したことから円売りが強まり30日には年初来高値140.93円前後まで上値を拡大した。

集計期間中、3%を超える変動があったのは集計対象29通貨ペアのうち26通貨ペアだった(前回:23通貨ペア)。そのうち5%以上の変動幅を記録したのは11通貨ペアだった(前回:6通貨ペア)。

順位 通貨ペア 変動率 高値 安値
1 ZAR/JPY 8.56% 7.498 6.907
2 MXN/JPY 7.73% 7.998 7.424
3 TRY/JPY 7.12% 7.053 6.584
4 USD/TRY 6.97% 20.7768 19.4234
5 NZD/USD 6.66% 0.63838 0.59853
6 HKD/JPY 5.75% 17.978 17.001
7 EUR/TRY 5.58% 22.3182 21.1381
8 USD/JPY 5.56% 140.928 133.502
8 AUD/USD 5.56% 0.68175 0.64584
10 CAD/JPY 5.28% 103.586 98.389
11 SEK/JPY 5.17% 13.396 12.737
12 NOK/JPY 4.77% 12.911 12.323
13 NZD/JPY 4.63% 87.302 83.435
14 EUR/USD 4.30% 1.10918 1.0635
15 EUR/NZD 3.98% 1.78483 1.71659
16 CHF/JPY 3.83% 155.547 149.811
16 GBP/JPY 3.83% 174.268 167.846
18 EUR/JPY 3.75% 151.609 146.129
19 USD/CHF 3.71% 0.91467 0.88194
20 AUD/CAD 3.68% 0.91051 0.87822
21 AUD/JPY 3.66% 92.431 89.167
22 SGD/JPY 3.62% 104.14 100.504
23 CNH/JPY 3.40% 19.906 19.251
24 EUR/AUD 3.31% 1.66695 1.61355
25 GBP/AUD 3.20% 1.91827 1.85879
26 GBP/USD 3.02% 1.26793 1.2308
27 EUR/GBP 2.93% 0.88345 0.8583
28 AUD/NZD 2.61% 1.08339 1.05587
29 USD/CAD 2.55% 1.36534 1.33142

 

スワップポイント累計ランキング:ユーロ/トルコリラ(売)が首位

ユーロ/トルコリラ(売)が4月に続き首位となった。メキシコペソ/円(買)が第2位、ドル/トルコリラ(売)が第3位、ポンド/円(買)が第4位、ドル/円(買)が第5位となった。

※MXN/JPY、ZAR/JPY、HKD/JPY、CNH/JPY、NOK/JPY、SEK/JPYは10万通貨あたり
※前週終値に取引数量を掛け合わせた取引残高に対してのスワップポイント合計

順位 通貨ペア 売買区分 スワップ合計 円 取引保証金
1 EUR/TRY 15186 61,000
2 MXN/JPY 6720 40,000
3 USD/TRY 6687 57,000
4 GBP/JPY 6086 70,000
5 USD/JPY 5489 57,000
6 HKD/JPY 5250 80,000
7 USD/CHF 4552 57,000
8 EUR/JPY 4210 61,000
9 ZAR/JPY 3640 30,000
10 NZD/JPY 3360 35,000
11 CAD/JPY 3319 42,000
12 EUR/NZD 2762 61,000
13 AUD/JPY 2532 37,000
14 EUR/USD 2463 61,000
15 SEK/JPY 2430 60,000
16 SGD/JPY 2320 42,000
17 NOK/JPY 2240 60,000
18 CHF/JPY 2069 63,000
19 CNH/JPY 1700 80,000
20 EUR/GBP 1516 61,000
21 GBP/USD 891 70,000
22 TRY/JPY 856 3,000
23 AUD/NZD 841 37,000
24 AUD/USD 743 37,000
25 EUR/AUD 663 61,000
26 GBP/AUD 622 70,000
27 USD/CAD 545 57,000
28 AUD/CAD 266 37,000
29 NZD/USD -88 35,000

 

取引高ランキング:ドル/円の首位は揺るがず

期間中の取引高ランキングは、ドル/円の首位は揺るがなかった。なお、第2位のメキシコペソ/円は2015年6月ぶりに8.00円台に到達した。5月のメキシコ中銀会合では政策金利を据え置いたが、インフレが高止まりする中で引き締めの長期化が意識されており堅調推移が続いている。

順位 通貨ペア 前回順位
1 USD/JPY 1
2 MXN/JPY 2
3 AUD/JPY 3
4 EUR/JPY 4
5 GBP/JPY 5
6 ZAR/JPY 7
7 EUR/USD 6
8 NZD/JPY 9
9 AUD/USD 8
10 TRY/JPY 11
11 GBP/USD 10
12 NZD/USD 12
13 GBP/AUD 13
14 CHF/JPY 14
15 CAD/JPY 16
16 EUR/AUD 15
17 USD/CHF 17
18 CNH/JPY 20
19 AUD/NZD 19
20 EUR/GBP 22
21 EUR/NZD 21
22 USD/CAD 18
23 NOK/JPY 24
24 USD/TRY 28
25 AUD/CAD 23
26 SEK/JPY 27
27 EUR/TRY 26
28 HKD/JPY 25
29 SGD/JPY 29

 

まとめ

4月28日に日銀が大規模緩和策の現状維持を決定したことや日経平均株価が約33年ぶりの高値を更新する中で5月は円安主導の値動きが目立った。そうしたことから、取引高ランキングのベスト5のうちドル/円、メキシコペソ/円、ユーロ/円、ポンド/円が年初来高値を更新した。豪ドル/円についても小幅高となり底堅い値動きとなっている。また、変動率を見るとトルコリラが上位にランクインしている。5月28日にトルコ大統領選挙決選投票にてエルドアン大統領の再選が決定した。この先も低金利政策を継続するとの思惑などからトルコリラが急落したことが変動率を高める要因となっている。トルコ情勢については今後も注意していきたい。

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uehara.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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