すでに直近下落幅の61.8%戻し達成【知っトク!メキシコペソ】2023/4/3
新興国通貨であり、アメリカ経済との親和性の高いメキシコペソについて、投資に役立つ「知ってトクする」情報をまとめました。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
メキシコ中銀は利上げするも、市場は利上げ打ち止めが近づいたと解釈
メキシコ中銀は30日、政策金利を大方の予想通りに25bp(0.25%ポイント)引き上げて11.25%とした。声明で、「前回の金融政策決定会合以降、インフレ率は予想以上に下がっている」との見解を示した上で、次回5月18日の会合については「物価見通しを踏まえ、既に達成している金融政策スタンス(の是非)を検討する」と表明した。中銀が追加利上げを明確に示唆しなかったことで、市場は利上げの打ち止めが近いとの見方を強めている。
金融システム不安後退、金利差を背景にペソ堅調推移
もっとも、米地銀の破綻に端を発した金融システム不安が後退する中で、足元のメキシコペソは堅調に推移しており、ペソ/円は3日の東京市場で約3週間ぶりに7.40円台を回復した。11%超へと拡大した日墨金利差を踏まえると、メキシコ中銀の利上げ打ち止め観測だけでは強い売り材料にならないということだろう。なお、足元のペソは対ドルでも強含んでいる。ペソ/円のフィボナッチ・リトレースメントによるテクニカル分析では、金融システム不安による3月上中旬の下げ幅について、すでに半値戻し(50%戻し)と61.8%戻しを達成。下落直前に付けた7.643円前後の更新も視野に入っている。
メキシコペソ/円(MXN/JPY) 日足:7.4円台に反発
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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